2022.12.30
脳の栄養「ブドウ糖」とは〜効果から食べ物まで幅広く紹介〜
当記事を監修した専門家:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子 、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
「集中力を高めるにはブドウ糖が良いって聞くけど、なぜだろう…」
「ブドウ糖って糖分でしょ、摂らない方が良いんじゃないの?」
ブドウ糖と言う言葉はなんとなく知っているけど、詳しく知らない。そのような方は多いのではないでしょうか。
また1日にどのくらいのブドウ糖を取り入れたら良いのか、迷ってしまうこともあると思います。
そこで今回は、ブドウ糖の働きや効果など、日々仕事で忙しいあなたに役立つ情報をお教えします。特に、手軽に買えるブドウ糖の食べ物&飲み物は必読ですよ。
それでは始めましょう。
そもそもブドウ糖って何?
ブドウ糖とは、私たちの生命活動を維持するために必要なエネルギー源です。
日本ではぶどうから発見されたのでブドウ糖と呼ばれますが、正式にはグルコースと言います。これは、果物に多く含まれている糖類です。
ブドウ糖は三大栄養素である糖質が消化吸収されて出来るもので、小腸から吸収されて血液中に入り、全身にエネルギーを届けます。また、筋肉を正常に動かすのもブドウ糖の働きの一つです。
ブドウ糖は体内で貯蓄ができないので、都度、食べ物から取り入れる必要があります。
砂糖との違い
ブドウ糖と砂糖は同じと思われがちですが、実は違います。
ブドウ糖は、全身に速攻でエネルギーを届けることが出来る糖です。一方の砂糖にも、ブドウ糖と同じくエネルギーを届ける働きがありますが、その速さはブドウ糖ほど速くありません。
体の中に最も吸収されやすい糖が、ブドウ糖です。
主な働きは脳のエネルギー源
私たちの体の中で、一番エネルギーを使う臓器は脳と言われています。そして通常の生活の中において、脳のエネルギーになるのはブドウ糖だけです。
脳が上手く機能するためには、1日に120gのブドウ糖が必要と言われています。つまり1時間あたり、脳では約5gのブドウ糖が使われていることになるのです。
ブドウ糖の効果について
ブドウ糖は脳に直接働きかける栄養素です。ですのでブドウ糖により、脳を元気にする効果が期待できると言ってよいでしょう。
例えば、集中力や記憶力、注意力など思考の判断やモチベーションの生成には、脳の前頭葉という部位が関与しています。脳にブドウ糖をコンスタントに補給できれば、仕事の効率もさらに上がるかもしれませんね。
不足するとどうなる?
すでにお伝えした通り、ブドウ糖は脳のエネルギー源です。不足すると脳はエネルギーを作ることができず、思考能力の低下に繋がる可能性があります。
やる気がない、イライラする、集中力が欠けるといった状況は、ブドウ糖が不足しているサインかもしれません。
実は取りすぎるとデメリットあり
ブドウ糖は大切な栄養素ですが、取りすぎには注意が必要です。なぜならブドウ糖の過剰摂取によって血糖値が上昇し、高血糖になるリスクがあります。
糖質の分解によって出来たブドウ糖は、小腸から吸収されて血液中に入ります。そのため血液中に含まれるブドウ糖が増え、血糖値が高くなるのです。
例えば、「パンやご飯を3食たっぷり食べる」「食後のデザートは欠かせない」といった糖質の多い食事ですと、当然、分解後にできるブドウ糖も多くなります。
血糖値が高いと血管や血液の状態が悪くなり、糖尿病につながる可能性がありますので気をつけましょう。
太ることもあるのか
実は、高血糖が原因で太ることがあります。
その理由ですが、血糖値の上昇にともなって分泌されるホルモンがインスリンです。インスリンには血糖値を下げる役割がありますが、同時にブドウ糖を中性脂肪として蓄える働きもあるのです。
中性脂肪はその名のとおり脂肪で、必要以上に増えてしまうと肥満に繋がります。ですので、ブドウ糖の取りすぎには注意が必要です。
参考記事:肥満と糖尿病の関係〜治療と予防における2つの基本をカンタン解説〜 ※外部サイトに遷移します
効率よくブドウ糖を補える食べ物&飲み物を紹介
それでは、コンビニやドラッグストアなどで手軽に購入できる食べ物や飲み物を紹介していきます。
※お菓子などをピックアップしていますが、あくまでもブドウ糖にフォーカスをして列挙しているため、食べすぎて栄養バランスを崩すことは避けてください。
お菓子ならラムネ
子供のお菓子というイメージが強いかもしれませんが、ラムネはブドウ糖の補給に適した食べ物です。
例えば、写真右のMORINAGA大粒ラムネには、1粒(1.0g)あたり約0.9gのブドウ糖が含まれています。
爽やかな味わいで食べやすいラムネは、気分もスッキリさせてくれます。仕事中に2-3粒、脳に栄養を補給するのにぴったりなお菓子です。
飴を選ぶなら、ブドウ糖のタブレットタイプを
優しい口溶けの固形ブドウ糖がおすすめです。「大丸本舗のぶどう糖」はブドウ糖100%を原料としていて、1個あたり3gのブドウ糖が補給できます。
忙しくて朝食を食べないまま出勤してしまった…そのような時にも脳を速攻で元気にしてくれます。
さらに一粒ずつ包装されていますので、持ち運びにも便利なところも良いですね。
チョコレートはいいのか
「頭を使う仕事の後には甘いチョコレートが食べたくなる」というあなた。確かにチョコを食べると原料の砂糖は分解され、脳にエネルギーがチャージされていきます。
しかしすでにお伝えしましたが、砂糖はブドウ糖と果糖が結合して出来たものです。チョコも悪くはないのですが、ブドウ糖を補う目的ではラムネやブドウ糖タブレットを選ぶと良いでしょう。
飲み物ならヤクルト
ヤクルトには「ブドウ糖果糖液糖」という、ブドウ糖と果糖が混ざった液体の糖が使われています。
ジュースなどの清涼飲料水では果糖ブドウ糖液糖が一般的なのですが、ブドウ糖果糖液糖の方がブドウ糖の割合が多いです。
飲み物でブドウ糖を補給したい時は、ヤクルトが良いですね。
まとめ
以上、ブドウ糖は私たちが生きていくために必要なエネルギー源で、脳に必要不可欠な糖であることがお分かりいただけたと思います。
私たちは1日に最低でも120gのブドウ糖が必要で、不足すると脳のエネルギー不足が起こります。ですので集中力や注意力を高めるためにも、ブドウ糖は適度に取り入れると良いでしょう。
なお効率よくブドウ糖を補うには、ラムネやブドウ糖タブレット、ヤクルトがお勧めです。
今回の記事により、ブドウ糖への知識が深まり、毎日を快活に過ごしていただけると嬉しいです。
参考文献
厚生労働省 eヘルスネット ブドウ糖
学生総合共済 大阪大学名誉教授・関西学院産業医 杉田善郎先生 2017年10月 脳を安定して働かせられる食事とは(上)
三井製糖 お砂糖の「じつは…」 ※外部サイトに遷移します
独立行政法人 畜産産業振興機構 砂糖の正しい知識を
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:副編集長 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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