2022.01.10
糖尿病とストレスの関係~適度にリラックスして生活しよう~
「最近イライラすることが増えて、食べる量も増えた気がする」と感じたことはありませんか?
実は糖尿病とストレスには繋がりがあります。
そこで本記事は、糖尿病とストレスの関係について、わかりやすく解説していきます。
簡単にまとめていきますので、最後までお付き合いください。
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ストレスが血糖値に与える影響
ストレスが血糖値に与える影響として考えられるものは、下記の2つです。
『血糖値が上がるような生活習慣を送ってしまうこと』
『コルチゾールというホルモンが増えて、その働きで血糖値が上がってしまうこと』
この2つについて、この後もう少し詳しくまとめていきますね。
ストレスが原因で糖尿病に影響を与える行動
ストレスによって血糖値が上がるような生活習慣をいくつか紹介していきます。
食べすぎ
まずは、食べすぎです。食べる量が増えて、肥満傾向になればなるほど血糖値も上がっていきます。
なぜなら内臓に脂肪が付くと、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)からです。
またストレスがかかると体の中で必要なエネルギーが増えるので、糖分を含む甘いものなどを食べたくなることがあります。
適度であれば大丈夫ですが、糖分の摂りすぎは糖尿病に大きな影響を与えるので注意が必要です。
睡眠不足
『ストレスが溜まってなかなか眠れない』という経験があるかと思います。そして、睡眠不足が続くと余計にストレスが溜まっていきます。
そしてなかなか眠れないと起きている時間が長くなるので、ついつい何かを食べたくなってしまうかもしれません。そうなると、先ほどお伝えした食べ過ぎにつながる可能性もありますよね。
また、睡眠不足で疲れが溜まってくると動きたくない気持ちも生まれますよね。糖尿病の治療には運動療法が大切なので、運動不足が起こると糖尿病に影響を与えることが考えられるのです。
参考記事:不眠は血糖値に影響する?糖尿病と睡眠の深い関係を徹底解説 ※外部サイトに遷移します
喫煙
「ストレスが溜まるとタバコが吸いたくなる」という経験はありませんか?
しかしタバコは血糖値を上昇させたりインスリンの働きを妨げたりします。
さらに、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、2型糖尿病になりやすいことが様々な研究で言われているので、ストレスが溜まっていたとしても禁煙がおすすめです。
参考記事:糖尿病とタバコの関係〜血糖値への影響から電子タバコまで幅広く解説〜 ※外部サイトに遷移します
飲みすぎ
疲れが溜まったりストレスが溜まったりすると、お酒を飲みたくなることもあると思います。実は、適度なアルコールの摂取は糖尿病になるのを予防する可能性があると言われています。
しかし飲みすぎは禁物です。
たくさんアルコールを摂取するとお酒のカロリーが増えるだけではなく、食欲が亢進して食べすぎたり、脂っこいつまみが多くなったりする可能性もあります。
そうなると高血糖になりますし、高血圧や高脂血症といった他の生活習慣病になる危険性も高くなります。
ストレスだけで1型・2型糖尿病になるの?
ストレスでコルチゾールというホルモンが増え、血糖値が上がることがあります。
ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンの分泌が増えます。このコルチゾール、実は血糖値を上昇させる働きもあるのです。つまり、ストレスを感じるとで血糖値が上がるということがあり得るのです。
とはいえ、これだけが原因で1型糖尿病や2型糖尿病になることはあまり考えにくいと思います。
やはり生活習慣などの様々な要因が積み重なって糖尿病になることが多いです。
ストレス性の糖尿病は解消できたら治るのか
ストレスを解消したら糖尿病が治るのかということについては、完全に治るとは言い切れないと思います。
ただし、ストレスによる食べすぎなどの生活習慣の乱れが解消されたり、コルチゾールの分泌が減ったりすれば、血糖値が改善されることは間違いないでしょう。
つまり、ストレスを解消すれば糖尿病が改善しますし、逆に糖尿病を悪化させないためにストレスをため込まないということも大切です。
ストレスを発散させるには
実は、糖尿病自体や糖尿病のための治療自体がストレスになっている場合もあります。
糖尿病治療がストレスの場合は医師に相談を
糖尿病の治療をしていると、好きなものを好きなだけ食べることができなかったり、運動が好きじゃなくても運動を勧められたりします。
また、インスリン注射の治療をしていると外出時などにも気遣いが必要になりストレスを抱えることが多くなるのです。
糖尿病治療のストレスが原因で更に糖尿病が悪化するのはもったいないです。ですので、もし糖尿病治療がストレスだと感じたら、まずは医師に相談をしてみると良いと思います。
参考記事:糖尿病は生活習慣の改善で予防〜今から食事・運動・生活を見直そう〜 ※外部サイトに遷移します
まとめ
それでは本日のまとめです。
〇ストレスによる、食べすぎ・睡眠不足・喫煙・飲みすぎは血糖値を高くする可能性があるので注意が必要
〇ストレスを感じると血糖値を上げるコルチゾールというホルモンが増えることがある
〇糖尿病を悪化させないために、ストレスを溜め込まないことが大事
〇糖尿病の治療自体が強いストレスの場合は主治医に相談しよう
以上となります。
本記事が、糖尿病を悪化させないためにストレスを溜め込まないという意識をもつきっかけになると嬉しいです。
参考文献
厚生労働省:喫煙と糖尿病,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-03-004.html (アクセス日:2021.11.15) ※外部サイトに遷移します
厚生労働省:アルコールと糖尿病,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html (アクセス日:2021.11.15) ※外部サイトに遷移します
医療情報科学研究所:病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版,メディックメディア,東京都
執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石 香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:糖尿病とストレスの関係~適度にリラックスして生活しよう~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】