2022.09.29
話し方が劇的改善!超効果的なトレーニング方法|自分の現状を把握することが第一歩に繋がる
話しやすい人になるためには、自分の話し方を客観視することが重要になります(写真:saki/PIXTA)
累計250万部以上の書籍を手がける編集者である一方、ドラァグクイーンとして各種イベント、メディア、舞台公演などに出演する村本篤信氏による連載「話しやすい人になれば人生が変わる」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
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話しやすい人になるためには
今まで、話しやすい人になるためにどうすればいいかを、ちょっとしたテクニックやメンタル面など、さまざまな側面からお伝えしてきましたが、今回は話しやすい人になるための、基礎的で具体的なトレーニング方法をご紹介したいと思います。
もしあなたが、「話しやすい人になりたい」と思っているなら、何よりもまずやってみていただきたいのが、自分の会話を録音し、客観的に聞いてみることです。
現状をきちんと把握することこそが、改善のための第一歩となるからです。
ICレコーダーでも、スマホのボイスメモでもかまいません。できれば、気のおけない相手とのカジュアルな会話のとき、仕事の打ち合わせのときなど、シチュエーション別に何度か録ってみるといいでしょう。
誰かと会話をしながら「いま、自分はこんな話し方をしている」「いま、自分はこんなことを話している」と、客観的に自分を眺めるというのは、なかなか難しいものです。
しかし会話の内容を録音し、後で聞いてみると、そのときには気づかなかったさまざまなことがわかります。
私自身、これまで、取材時の音声データや、ステージ上でMCをしているときの録画などを観たり聞いたりして、「ああ、こういう話し方をすると相手に伝わりづらいな」「この相槌の打ち方は良くないな」「自分のこの発言は、会話の流れを妨げているな」など気づいたことがたくさんありましたし、それらは自分の話し方、会話の仕方を改善するうえで、とても役に立ちました。
録音内容を聞き直す際に、気をつけていただきたいのが「心を強く持つ」ことです。
自分の声を聞き慣れていないと、最初は「自分はこんな変な声をしているのか」「自分はこんな変な話し方をしているのか」と、恥ずかしくなったりショックを受けたりするかもしれません。
でも、何度も聞いているうちに慣れてきて、当たり前のように聞くことができるようになるはずですし、もしかしたら「最初のうちは変だと思っていたけど、聞き慣れてくると、自分の声も悪くないじゃん」と思えるかもしれません。
ですから、たとえ最初はショックを受けても、どうかメゲずに、ご自身の声、ご自身の話し方と向き合ってみてください。
録音をセルフチェックする際に気をつけたいポイント
さて、録音した会話を聞く際に、特に気をつけていただきたいポイントは、以下の通りです。
・ゆっくりはっきり、相手に伝えるべき内容を伝えられているか
・自分ばかりが話していないか
・何度も相手の話を遮ったり、先回りをしたり、ネガティブなことばかり言ったりしていないか
・相手の話している内容をきちんと聞き、理解したうえで話をしているか
これらのポイントをチェックし、自分の話し方に改善するべき点があると気づいた場合は、それを克服するためのトレーニングを開始しましょう。
具体的な方法については、過去にも触れているので、ここでは簡単に記すにとどめておきます。
ゆっくりはっきり、相手に伝えるべき内容を伝えられていない場合
録音を聞いてみて、「自分は早口だな」「何が言いたいのか、自分で聞いてもよくわからないな」と思ったときは、以後、自分が思っている以上にゆっくり話すよう心がけましょう。
意識的に話すスピードを変えて会話を何度か録音し、「このくらいのスピードで話すと、このくらいの早さに聞こえるのか」と確認するのもいいかもしれません。
どうしても緊張したり焦ったりして早口になってしまいやすいという人は、話をする前に深呼吸をし、気持ちを落ち着けるようにしましょう。
自分ばかりが話している場合
自分ばかりが話している場合
録音を聞いてみて、「自分ばかり話していて、相手に話す隙を与えていない」と思ったときは、以後、できるだけ聞き役にまわることを心がけましょう。
もちろん、あなたに巧みな話術があったり、相手が極端に無口だったりして、たとえ会話があなたの独壇場状態だったとしても、お互いに満足している可能性も十分にあります。
ただ、自分で録音を聞いてみて「しゃべりすぎだな」と感じるということは、かなりの確率で相手に「この人、話しすぎ」と思われていると考えていいでしょう。
もし「自分が話さないと、会話が続かない」という場合は、ただ自分が話すだけでなく、相手に質問を投げかけ、相手の話を引き出してみてください。
何度も相手の話を遮ったり、先回りをしたり、ネガティブなことを言ったりしている場合
録音を聞いたとき、もしかしたら、「自分が、相手が話している最中に何度も口を挟んでいる」「相手が結論を口にする前に、相手が言おうとしていることを先回りして言っている」「相手が何かを発言したとき、すぐに『でも』と否定するようなことを言っている」「相手が楽しい話、嬉しかった話などをしているのに、それに水を差すようなことばかり言っている」といったことに気づくことがあるかもしれません。
口を挟みたい衝動に駆られたら
もし会話中に口を挟みたい衝動に駆られたら、深呼吸する、頭の中でゆっくり数を数えるなどして、「いったん我慢する」ように心がけてみてください。
まずは一日一時間だけでもかまいませんから、「言いたいことを我慢してみる」チャレンジをしてみましょう。
そして、もし余裕があれば、録音を聞きながら、「もしあのとき、自分が我慢をせず、言いたいことを言っていたらどんな展開になっていたか」を頭の中でシミュレーションしてみてください。
果たして会話は盛り上がったのか。相手はどう思ったか。
それを何度か繰り返すうちに、徐々に「言ってもいいこと」と「言わないほうがいいこと」が、感覚的にわかってくるかもしれません。
「相手の話がまだるっこしくて、最後までじっと聞いていられない」「相手の発言にどうしても訂正しなければならないことがあった」など、あなたなりに理由はあるかもしれませんが、おそらくあなた自身が、話を遮られたり、先回りされたり、ネガティブなことを言われたりしたら不快に感じるように、相手にとっても、それらは不快でしかありません。
「言わない勇気」を持つようにしましょう。
相手の話している内容をきちんと聞いていない場合
「相手の話をきちんと聞いていない」「きちんと理解できていない」というのは、録音を聞いただけでは気づきにくいかもしれません。
あなたの中に「相手はこういうことを話していたはずだ」という思い込みや先入観がある状態で、いくら録音したものを聞き直しても、やはり相手の話を同じようにしか理解できないからです。
ただ、録音したものを聞いてみて、「あれ? もしかして、自分は相手の話の内容を勘違いしていた?」「あれ? もしかして、自分はとんちんかんな答えを返していた?」と気づいたなら、その気持ちを大事にしましょう。
それまでは、「自分は相手の話をちゃんと聞いている」「自分は相手の話をきちんと理解している」と信じて疑わなかった人が、「もしかしたらまた、相手の話を勘違いしているかもしれない」と、自分自身に疑問を抱くようになると、それだけで、話の聞き方、人への接し方が少しずつ変わってくるはずです。
何事も、まずは気づくことが大事なのです。
身近な人にダメ出しをしてもらおう
これまでは、会話を録音することによって、話し方を改善する方法をお伝えしてきました。
しかし、セルフチェックを行い、自分で問題点に気づくためには、ある程度自分を客観的に顧みる能力が必要になります。
みなさんの中には、「自分の会話の仕方、人との接し方に課題があるのは何となく感じているけど、会話の録音を聞き直しても、具体的に何が問題なのかよくわからない」という人もいるかもしれません。
そのような場合は、ぜひ家族や友人など気の置けない間柄の人、歯に衣を着せずに何でも言ってくれる人に、自分の会話の仕方、コミュニケーションの取り方について率直な感想を言ってもらいましょう。
複数の人から同じような答えが返ってくれば、「あなたの会話の仕方やコミュニケーションの取り方が、人にどのような印象を与えがちか」が明確になるでしょう。
なお、誰かに自分の会話の仕方やコミュニケーションの取り方についての感想を言ってもらうとき、心がけていただきたいのが「反論しないこと」「文句を言わないこと」です。
相手から思いもよらないショックなこと、耳が痛いことを言われると、認めたくないという気持ちになり、「いや、それは……」「こちらにも事情があって……」などと言い訳したくなったり、「あなたの話し方にだってこういう問題があるじゃない」などと逆切れしたくなったりすることもあるかもしれません。
でも、言い訳や反論、逆切れをしたところで、「相手があなたとの会話やコミュニケーションからどのような印象を受けたか」という事実は変わりません。
そもそも相手はあなたのために、わざわざ言いたくないことを言ってくれているのです。
感謝こそすれ、文句を言うなどもってのほかです。
自分の会話の仕方、コミュニケーションの取り方について、人から感想やアドバイスをもらい、それを黙って聞いて、どんな内容も事実として素直に受け止める。
その行為自体が、話しやすい人になるためのトレーニングだと考えましょう。
相手の話し方、コミュニケーションの取り方を観察
話しやすい人になるための超基礎的なトレーニングとして、「誰かと会話しているとき、相手の話し方、コミュニケーションの取り方などを観察する」ことも大事です。
アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です
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「この人と話していると落ち着くな」「この人とはもっと話したい、この人には何でも話したいという気持ちになるな」と感じたり、逆に「この人と話していると心がざわつくな」「この人とはあまり長く話したくないな」と感じたりしたときは、相手の話し方、コミュニケーションの取り方の何が自分をそんな気持ちにさせるのか、考えてみましょう。
話し方のトーンなのか、話の聞き方なのか、相手からの話の引き出し方なのか、リアクションの返し方なのか、表情なのか。
そこに、話しやすい人になるためのヒントがひそんでいるはずです。
ぜひ、丁寧に観察してみてください。
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提供元:話し方が劇的改善!超効果的なトレーニング方法|東洋経済オンライン