2022.08.05
上手に活用したいスポーツドリンク~糖質量とその比較までポイント解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・斉藤裕子、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
運動時や夏場にはスポーツドリンク摂取が勧められる場面が多くあり、活用している方も多い飲料。
汗を多くかく夏場は、スポーツドリンクを利用する方も多いのでは?しかしちょっと待ってください!その活用方法は正しいですか?
そこで当記事ではスポーツドリンクに関し、特に運動時以外の活用方法について、エネルギー量、糖質を中心に解説します。ぜひ最後までご覧ください。
気になる糖質量は?
スポーツドリンクは、スポーツ時に飲む飲料として周知されていますが、その成分はさまざまです。一般的には、糖質やミネラルを含んだものを指します。
スポーツドリンクは、スポーツする際に活用されることを想定しているため、スポーツ時に必要な成分を含んでいます。とくにスポーツ時には、スポーツによって使われるエネルギー源の元となる糖質が必要となるため、基本的には糖質を多く含んだものが多いです。
日本スポーツ協会の指針では、糖質濃度は4~8%が望ましいとされています。スポーツドリンクと呼ばれる飲料については、この濃度内におさまっている商品が多く存在しているのです。
巷に多く出回っている500mlペットボトルタイプのスポーツドリンクの場合、500ml中20~40gの糖質量になります。この糖質量を多いとみるか、少ないとみるかは人次第かもしれません。
次いで糖質量について比較してみます。
糖質量の比較
スポーツドリンクに含まれる糖質量は100g中4~8gです。ちなみに、濃縮還元オレンジジュースでは、100g中炭水化物10.7gです。よって、糖質濃度の高いスポーツドリンクの場合、濃縮還元ジュースと近い糖質量になることが伺えます。
スポーツドリンクはスポーツ時でもスッキリ飲めるようになっているものが多く、それほど甘さを感じない場合もあるでしょう。しかし、意外と糖質はその他のドリンクと同様に含まれていますね。
糖質量、低糖質、糖質ゼロの違い
無糖、低糖質、糖質ゼロと聞いて、あなたはどのように感じますか?これらの表示は強調表示と言って、それぞれの表記をするための基準が定められています。分類すると、【無〇〇】、【ゼロ】と表記できるものと、【低〇〇】と表記できるものに分かれます。
無糖、糖質ゼロの場合は、100g中に0.5g未満の糖質量の商品に、低糖の場合は100g中に5g未満の商品に記載をすることが認められているのです。
すなわち、分類すると無糖、糖質ゼロ表記のスポーツドリンクについては、100g中0.5g未満(500mlペットボトル中だと、2.5g未満)の糖質を含むことになりますね。低糖質の場合は、100g中に5g未満(500mlペットボトル中だと、25g未満)です。
よって、無糖、ゼロの表記や低糖質と表記がされていても糖質を含んでいるので、糖質を控えたい方は注意をしてください。
砂糖不使用のスポーツドリンクについて
砂糖不使用のスポーツドリンクとは、糖類を添加していないものに記載がされています。ただしフルーツ入り等、原材料として使用されている場合は糖質を含む場合があります。、
そこで砂糖不使用の記載があってもまずは表示内容を確認して、どの程度糖質、エネルギーを含むのか確認しておきましょう。
毎日飲むと体に悪い?
運動を行わない人が、水分補給のためと毎日スポーツドリンクを飲むことは、余分にエネルギーを多く摂ることにつながり体調を崩す原因になるかもしれません。
汗によって体内から水分が失われる際は、熱中症予防の観点からも、積極的に水分を補給することが推奨されています。しかし、スポーツドリンクには、運動時に使われるエネルギー補給のために糖質を多く含むものが多いため、活動量が少ない状態で毎日飲むことは摂り過ぎにつながりかねません。運動でエネルギーを多く消費している時以外の利用は、エネルギーのバランスを考えた摂取をオススメします。
糖尿病との関係
スポーツドリンクには糖質を多く含むことをお伝えしました。よって、糖尿病などで、糖質の補給を制限することが求められる方にとっては、注意が必要です。スポーツドリンクを摂取する際には表示に記載されている糖質量を確認しましょう。また水分補給の観点では、汗で失われるミネラルを補給することが求められますので、ミネラルを含むものを補給するとよいです。
まとめ
スポーツドリンクには運動時に使われるエネルギーのほか、汗で失われるミネラル補給のための成分が含まれています。運動時に身体を多く動かしている際には、エネルギーとミネラルの補給のためにスポーツドリンクの活用が求められます。
しかし、活動量が高くない時に、糖質を多く含むドリンクを日々摂取することは、糖質の摂り過ぎにつながる場合があります。日々の活動量に合わせ、その状況に応じた補給を意識するようにしましょう。
参考文献
日本スポーツ協会 スポーツ活動中の熱中症対策ブック ※外部サイトに遷移します
消費者庁 栄養強調表示等について ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 斉藤裕子
実践女子大学卒業、東京学芸大学大学院修了。卒業後は食品メーカーやスポーツアパレルメーカーに所属し、管理栄養士としてプロスポーツ選手の試合帯同・栄養サポートや運動愛好者に対する栄養アドバイスを実施。また、セミナーなどを通し、ジュニア世代から一般成人まで生活スタイルに応じた健康増進アドバイスを行う。2018年から4年間プロ野球チームに常駐した後、個人アスリートサポートや健康増進に従事、食事面から対象者を支える。公認スポーツ栄養士、NSCA-CPTを保有。
記事提供:H2株式会社
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