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2022.07.21

ストレスで脳が誤作動「疲労時の甘いもの」に注意|ストレスは想像よりもはるかにカラダに悪い


ストレスで食べ過ぎるのは理由があった(写真:freeangle/PIXTA)

ストレスで食べ過ぎるのは理由があった(写真:freeangle/PIXTA)

食事に気をつけているのになかなか痩せない、健康のために食生活に気を遣っているのに不健康のまま……。「その原因はストレスにあるかもしれない」と指摘するのは、『続食べ ~結果が出る食べ方がカンタンに続く方法』などの著書を持つ管理栄養士の岸村康代さんだ。ストレスが及ぼす悪影響と、ストレスを貯めずに理想の食生活を送るコツについて聞いた。

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ストレスは想像以上に悪さをしている

ダイエットや健康のための理想的な食事を続けるにあたって、最大の敵となるのが「ストレス」です。ストレスを感じている状態では、いくら正しい食事法を行っても結果が出ません。というのも、ストレスは、私たちの想像をはるかに超える規模で悪さをしているからです。

実は、ストレスは胃腸の働きを鈍らせてしまいます。消化や排泄が十分に機能せず、必要な栄養が摂取できず、逆に不要なものをカラダにため込んでしまうことにもつながってしまいます。必要な栄養素を吸収しにくくなると、食欲は暴走しやすくなります。カラダはSOSを出しているのに、「これじゃないよ」「もっとちゃんと食べものを入れて」という命令が脳から下されてしまうのです。

また、ストレスがたまると“ストレスホルモン”とも呼ばれるコルチゾールが過剰に分泌されて、さらに食欲が暴走しやすい状態になってしまいます。食欲が止まらなくなる、あるいは逆に食欲が抑制されて栄養不足になる、どちらも問題です。

一時的なストレスであればまだしも、慢性的なストレス状態では血糖値を上げたり、インスリンの効きを悪くして糖尿病や肥満を引き起こしたりすることもわかっています。そんなカラダのメカニズムに抵抗するのは、どんなに意志が固い人であってもかなり困難です。

特に「疲れた時の甘いもの」が要注意。ストレスを抱えると脳は誤作動しやすくなります。脳の主なエネルギー源はブドウ糖。ブドウ糖は甘いものに多く含まれるので、つい手が伸びてしまいます。しかもブドウ糖は、素早く吸収される分、血中濃度が急降下してすぐにお腹が空くという悪循環も引き起こすのです。

そんなストレスを踏まえて、食べものを選ぶ基準について私が出した結論は、「食べたあとに満足感があるか」です。

どんなに栄養バランスがとれていても、満足感がなければ、無意識のうちにストレスがかかり、次の食事でストレスが爆発するなんてことが起こる場合もあります。

「何をどれだけ食べてもよい」ということを言っているのではなく、「ヘルシーなのに、カラダが満たされている」と感じるか、「カラダにたとえ悪くても、美味しく味わって、次に頑張ろう!」と思えるか、そのことが重要です。

少量にとどめて味わうのはアリ

栄養士の私が言うのもおかしいのですが、カラダにそんなによくないものでも(悪過ぎるものはダメですが)、少量にとどめて味わって食べることで満足感が出れば、それはそれでアリかと思うのです。

満足すれば食事にも前向きになれて、「次の日にリセット(野菜や食物繊維などをたっぷりめに)して解消しよう!」という前向きな気持ちにもなりやすいもの。ですから、ヘルシーでお腹いっぱいなのに心もカラダも満たされないなら、少しパンチのある味つけで満たすのだっていいと思います。これで気分が満たされることもあるからです。

ストレスを乗り越えられる精神力が強い人やガマン強いストイックな人なら別ですが、私も含めて9割以上の人はそうではないはず。この小さな満足感があるかないかが、続けられるかどうかに思いのほか関係します。

適切な頑張り方をしているか、ストレスによって心のバランスを崩していないか。一度俯瞰してみることも時には大切なのです。

ストイックになる弊害は、他にもあります。1万人を見てきてわかったのですが、栄養素にこだわっている人に限って、むしろ栄養バランスが悪いことがあるのです。

どのくらいの栄養素を含んでいるかということは、生きていくうえでとても重要な“武器”になります。しかしながら、栄養が吸収され代謝されるのは、心が元気であって初めて正常に果たされます。いくら武器があっても、それを動かす人が元気でなければ本末転倒です。栄養素だけではなく、心を満たすことを先にしなければ、ストレスによりカラダの代謝がスムーズにいかなくなったり、ストレスで栄養が消耗しやすくなったり、暴飲暴食して無駄なエネルギーを摂り過ぎてしまったり、いいことが1つもありません。

メタボ指導の際、私はクライアントさんに、「これまでは好きなものを好きなだけ、食べていたかもしれません。でもこれからは、カラダのための食事と“2本柱で”いきましょうね」という話をしています。つまり、「好きなものを完全にシャットアウトしてください」とは言わないということ。

余計な頑張りをしているなら、今すぐ卒業する必要があります。ストイックとストレスは無理のない程度にほどほどに、効果的に続けることさえ意識すれば、今よりもっと幸せに続けられるはずです。

空腹のストレスを回避する2つの言葉

ダイエットの成功には、適度な空腹感が重要です。空腹感を無理なく心地よく感じるようになるためには、少し時間が必要な人もいます。

そんな空腹のストレスを回避するに有効なのが、次の2つの“魔法の言葉”です。

「これなら食べていい」

「食べたらリセットすればいい」

実際にこの2つの言葉で、私の食べ方は格段に変わりました。クライアントさんたちも大勢が、この2つの言葉で救われています。

「これなら食べていい」は例えば、「野菜なら、いくら食べてもいい」「週に1回だけは、自由に食べる」「炭酸水ならいくら飲んでもいい」。そのくらいゆるい目標の中で、自分の成功パターンを見つけます。失敗パターンから逆算して、成功パターンを見つけるケースもあるでしょう。

それは野菜でなくても、豆乳でも、味噌汁でも、炭酸水でも、甘栗でも、自分が満足できてカラダにやさしいものなら何でも大丈夫。

これまでの私の人生も「食べてはいけないもの」ばかりでしたから、食べていいものがあることで、心がだいぶ軽くなったのです。

もう1つが、リセット。大人になると、接待やお付き合いの食事もあるし、どうしても食べてしまう場面や断りきれない場面もあるかと思います。リセットというのは、どうしても食べてしまう場面ではダメージを少なくしつつ、翌日にその分、少し頑張り度を上げてみるということ。カラダにいいもののシャワーを、内側に浴びるように口に入れていくことです。鶏むね肉メインのサラダランチにしてみる、玄米の食べられるマクロビのお店にしてみるなど、食べないリセットではなく食べてリセットするイメージです。

ちょっとゆるいくらいの気持ちで、この2つの言葉を愚直に守る。それができれば、おのずと結果がついてきます。

「ありがとうございます」で早食いを解消

もうひとつ、活用してほしい言葉があります。それは「ありがとうございます」です。

よく噛んでゆっくり食べることにたくさんの健康効果があることは、多くの方がご存じだと思いますが、「30回よく噛んで食べましょう」と言われても、むしろ30回数えることが面倒に感じたり、ストレスになってしまうことも。

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それなら、「ありがとうございます」を噛みながら心の中で3回唱えてみましょう。

「ありがとうございます」は10文字ですから、3回唱えることで自然と30回くらい噛むことになり、心も落ち着きます。

一度、「ありがとうございます」の儀式を試してみると、これまで、どれだけ自分が目の前の食材をうわの空で食べていたかを思い知らされます。目の前の食事がよりありがたくも感じ、食べている時に不思議と豊かな気持ちにもなり、食事に集中することができるのです。

それでも早食いになってしまう場合は、食後に温かいものを飲むことで、満腹感を得るまでの時間をやり過ごす方法も有効ですので、ぜひ試してみてください。

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提供元:ストレスで脳が誤作動「疲労時の甘いもの」に注意|東洋経済オンライン

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