2022.07.20
キムチの栄養と効能~健康に良い成分や食べ過ぎの注意点まで徹底解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
「健康に良いイメージがあるけど、実際どうなの?」
「キムチを食べるときに気を付けた方が良いことってある?」
キムチは、低カロリーな発酵食品で人気が高い食品です。
また調理せずに食べられる手軽さに加え、キムチの栄養も見逃せません!
と申しますのもキムチには代謝アップや便秘解消効果が期待できる栄養が豊富に含まれているのです。
そこで今回は、そんなキムチの栄養と効能について詳しく解説します。食べ過ぎによるデメリットやオススメの食べ方もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
キムチの栄養素
ではさっそく、キムチに含まれる栄養成分の効能について見ていきましょう。
腸内環境を整える「乳酸菌」
発酵食品であるキムチは、乳酸菌が豊富です。
乳酸菌は腸内環境を整える働きがあり、便秘改善やコレステロールの低下、免疫力アップなどの効果が期待できます。
ところで私たちの体に生息している腸内細菌には、大きく分けて善玉菌・悪玉菌、日和見菌の3つに分けられます。
乳酸菌はこの中でも善玉菌を代表する存在です。
また腸内環境が整うと善玉菌が増えるのですが、善玉菌には肥満を防ぐ働きもあります。そのため、ダイエットや生活習慣病予防にオススメな食品です。
体の調子を整える「ビタミンB群」
ビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関係するため「代謝のビタミン」と呼ばれており、代謝を促し体の調子を整えてくれます。
ビタミンB群の中には水に溶けやすく熱に弱い性質をもつ栄養素があるので、加熱せずにキムチを食べるとビタミンB群を効果的にとることができますよ。
また、ビタミンB群は1種類だけでなく、複数を一緒にとることで作用が強まります。キムチにはさまざまなビタミンB群が含まれているので、バランス良く摂取できるのもポイントです。
ダイエットにうれしい「カプサイシン」
キムチの原料に使われている唐辛子には、辛味成分のカプサイシンが含まれており、カプサイシンには発汗を促す作用があります。
汗をかくことで体内の老廃物や水分が排出されると、代謝が上がり脂肪燃焼による肥満予防が期待できます。
しかし、カプサイシンを大量に摂り過ぎてしまうと粘膜が傷つきやすくなり、のどや胃が荒れたり、咳が出たり息切れがしたりすることも。
人によってカプサイシンの感受性の強さや慣れによって感じる刺激の強さは異なりますので、食べる時には体調を考えながら食べましょう。
参考記事:キムチを食べたら痩せる?〜ダイエット効果・方法・レシピを一挙公開〜 ※外部サイトに遷移します
キムチの食べ過ぎによるデメリット
キムチの食べ過ぎは高血圧や体臭の原因になる可能性があります。
それぞれの理由とポイントを見ていきましょう。
高血圧の原因となる
キムチには100gあたり約3gの塩分が含まれており、摂り過ぎると高血圧の原因となることも。
というのも、余分な塩分は体内の水分を集めて血液量を増やし、血圧を上げてしまうからです。
塩分を控えるためにもキムチを食べ過ぎないことが一番ですが、余分な塩分(ナトリウム)を体外に排出してくれるカリウムを摂るのも大切です。
そしてカリウムが豊富な食品は野菜や納豆などになります。これらの食品をキムチと組み合わせて食べるとよい良いでしょう。
体臭の原因になる
キムチにはニンニクやネギが含まれているため、食べ過ぎると体臭や口臭の原因となります。
しかしその臭いのもとであるアリシンは、ビタミンB1を活性化させる働きや抗菌作用が期待できる成分でもあります。
キムチの臭いが気になる場合は、その後に予定がない時などに食べると安心ですね。
参考記事:にんにくの栄養と効能効果~食べ方のコツや健康に良いかどうかを徹底解説~ ※外部サイトに遷移します
1日の適量はどのくらい?
キムチはカプサイシンや発酵食品による健康効果が得られる一方、食べ過ぎは高血圧や体臭のリスクにもなることがおわかりいただけたと思います。
参考までに1日の摂取量は50gを基準とするのが良いでしょう。
と言いますのも、先ほども申し上げた通りキムチには100g中に約3.0gの塩分が含まれています。仮にキムチを100g食べた場合、男性では1日の食塩摂取目標(※)の4割を占めてしまいます。
(※)一日の食塩摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧や腎臓合併例では6g未満とされています。(日本人の食事摂取基準2020年版)
そのため、キムチの1日の摂取量目安は50g程度、高血圧や腎症合併例では30g程度を目安にしましょう。
また健康な体作りのためには、一度に大量に食べるのではなく毎日コツコツと継続して食べることが大切ですよ。
キムチを食べると美肌になるって本当?
キムチに含まれている乳酸菌によって腸内環境が整い、美肌に繋がります。
というのも、便秘は体内に老廃物が溜まっている状態となるので、むくみや血行不良、さらには代謝が下がる原因となってしまいます。
また、便が腸に長く留まると腸から老廃物がとり込まれニキビを悪化させてしまうことも。
つまり発酵食品であるキムチを食べて便秘が改善すると、肌の新陳代謝が促されきれいな肌に繋がってゆくのです。
キムチの栄養を効率よくとる食べ方
豚キムチやキムチ鍋などキムチを使う料理は色々ありますが、キムチの効果的な食べ方は加熱せずに食べることです。
その理由は、キムチに含まれる乳酸菌やビタミンB群には加熱に弱い性質があるからです。
キムチの健康効果を最大限に得るためには、冷やしたり常温で食べるようにしましょう。
便秘解消には納豆と食べよう
納豆とキムチは、便秘解消にオススメな組み合わせです。
なぜなら、納豆に含まれる納豆菌とキムチの乳酸菌はどちらも腸内環境を整える働きがあるため、便秘の解消効果がさらにアップするからです。
ぜひ日頃の食卓にこの納豆キムチをプラスして、快腸ライフを送りましょう。
まとめ
キムチには、乳酸菌・ビタミンB群・カプサイシンが豊富だとわかりましたね。
乳酸菌の便秘解消効果やビタミンB群の代謝促進、カプサイシンによる脂肪燃焼効果など、体にうれしい成分がたくさん含まれています。
そのため、キムチは便秘に悩んでいる方やダイエットに励む方にとくにオススメな食品です。
健康効果を最大限得るには加熱せずに食べると良いでしょう。
しかし、キムチには塩分も多いので1日50g程度を目安に楽しんでくださいね。
それでは当記事が参考となり、日々の生活にキムチを取り入れていただけたら嬉しいです。
参考文献
e-ヘルスネット 腸内細菌と健康 ※外部サイトに遷移します
農林水産省 カプサイシンに関する情報 ※外部サイトに遷移します
厚生労働省 食品成分データベース ※外部サイトに遷移します
JapanKnowledge 情報・知識imidas 「善玉菌/悪玉菌」
日本人の食事摂取基準2020年版 p270
飯田薫子、寺本あい 「一生役立つきちんとわかる栄養学」 p103,171,180
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:キムチの栄養と効能~健康に良い成分や食べ過ぎの注意点まで徹底解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】