2022.07.13
とろける甘さが絶品!桃の栄養と効果~缶詰や皮ごと食べた時の栄養まで解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 大熊麻未、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
夏に向けて旬を迎える桃は、とろけるような甘さと香りが特徴で子供から大人まで大好きですよね。
そんな桃には美容や健康に効果のある栄養成分が含まれており、おいしく食べながら綺麗になれる、まさに一石二鳥の果物なのです。
そこで今回は、桃に含まれている栄養とその効果について解説いたします。
手軽に桃を食べられる缶詰の栄養や、皮に含まれる意外な成分についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
桃の栄養と効能効果
桃には「あかつき」や「白鳳(はくほう)」など様々な品種があります。それぞれに特徴がありますが、今回は桃全般に含まれている栄養についてみていきましょう。
老化予防にビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用が非常に強く、私たちの体を酸化から守る働きがあります。
それにより血管を健康的に保ったり、赤血球が壊れたりするのを防ぐ効果が期待できます。
さらに老化防止にも役立つので、若々しさを保ちたい方におすすめの栄養成分です。
ビタミンEは油と相性が良い栄養成分なので、生の桃とモッツァレラチーズにオリーブオイルを回しかけた「桃のカプレーゼ」は、美味しくビタミンEを摂るのに効率的な組み合わせですよ。
むくみ対策にカリウム
カリウムは、顔や足の気になるむくみを解消する働きがあります。
私たちの体は、ナトリウム(塩分)とカリウムのバランスが一定に保たれていますが、ナトリウムを摂り過ぎてしまうとそのバランスが崩れてしまいます。
すると、体が摂り過ぎたナトリウムの濃度を下げようと水分を溜め込むため、むくみが発生します。
桃のようにカリウムを豊富に含んだ食べ物をとると、摂り過ぎた塩分と一緒に水分を体の外に出してくれ、むくみを解消することができるのです。
また、血圧を低下させる働きもあるため、高めの血圧が気になる方にも役立つ栄養成分ですよ。
食後の血糖上昇を緩やかにするペクチン
桃にはペクチンという食物繊維が含まれており、食後の血糖値上昇を緩やかにする働きを持ちます。
食物繊維は、人間の消化管では吸収されないため「第六の栄養素」とも言われており、水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性に分類されます。
桃に含まれるペクチンは、水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になり、糖分の吸収スピードを緩やかにして食後の高血糖を予防する働きがあります。また、水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善して便秘を予防する効果まであるのです。
ちなみに、不溶性食物繊維は便の量を増やすことで、腸を刺激し便通を促す効果があります。桃には、水溶性食物繊維であるペクチンの他に、不溶性食物繊維もバランスよく含まれていますよ。
缶詰の桃は栄養が少ないって本当?
缶詰のフルーツは栄養が少ないというイメージがありますが、実は体に良い働きをする栄養成分を含んでいるのです。
缶詰の桃と言えば、黄色い果肉のものが一般的ですね。この黄色い桃には、老化防止に役立つβ-カロテンが含まれています。
そしてβ‐カロテンは、ビタミンAの前駆体で「プロビタミンA」と言われています。強い抗酸化作用を持っており、先ほどご紹介したビタミンEのように老化防止に効果的な栄養成分です。
黄色い桃の缶詰には、白い果肉の桃と比べてβ‐カロテンが多く含まれています。
また、食物繊維も缶詰の桃には生の桃と変わらない量が含まれています。
したがって、「缶詰には栄養がない」ということはありません。
缶詰はカロリーと糖質に注意
缶詰の桃を食べる際に注意したいのは、カロリーと糖質です。
缶詰は生の桃をシロップ漬けにして作るので、大量の砂糖が使われています。
そのため、カロリー、糖質ともに生の桃の約2倍多いのです。
ダイエット中でカロリーと糖質を抑えたい方は、缶詰よりも生の桃を食べた方がよいでしょう。
参考記事:桃のカロリーと糖質は低い〜缶詰・栄養・スイーツレシピもまとめて紹介〜 ※外部サイトに遷移します
捨ててしまいがちな皮にも栄養がある
一般的に桃を食べる際には皮をむいて食べると思いますが、実は皮にもしっかりと栄養が含まれているのです。
桃の皮には、緑茶で有名なカテキンが含まれています。
カテキンはポリフェノールの一種で、強い抗菌作用を持つほか、抗酸化作用や肥満予防など、体に有益な効果がたくさんありますよ。
そのため桃は、ぜひ皮も一緒に食べることをおすすめします。
食べる時には、桃を良く洗い表面のうぶ毛も洗い落とすと、口当たりがよくなりますよ。
桃を食べると痩せるのか
桃を食べるだけでは痩せませんが、他の果物に比べてカロリーが低いため、桃に置き換えることで太りにくくなると考えられます。
また、桃に含まれる食物繊維の働きにより、便秘の解消が期待できるため、お腹がぽっこりするのを防ぐことができますよ。
ただし、桃だけではたんぱく質やその他に必要な栄養素が摂れません。
ダイエットする際には、カロリーを抑える他に、野菜や肉類を含めたバランスの良い食事を心がけましょう。
食べ過ぎると体に悪いのか
よく冷えた桃を食べ過ぎることで、体が冷えて下痢を引き起こす可能性があります。
冷たいものを大量に摂ると、腸が刺激されて動きが活発になります。すると、腸で水分が吸収されずに通過し、便に水分が多く含まれます。その結果、下痢になってしまうのです。
ちなみに、桃は冷やし過ぎると味が落ちてしまいますので、食べる直前に冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
冷たい桃はおいしいですが、食べ過ぎには気を付けましょう。
1日に食べてもよい量
食べ過ぎを防ぐため、1日の適量を把握するとよいでしょう。
参考になるのが、農林水産省が提唱している「食事バランスガイド」です。こちらは、1日3食の中で、何をどれくらい食べたらよいか、5つの料理グループに分けたものです。
桃などの果物は1日あたり200gが望ましいとされています。
桃200gを具体的な量で示すと、Mサイズの桃が1個あたり212g(可食部)なので、1日に食べてもよい桃の量はMサイズ1個です。
ただし他の果物と組み合わせる場合には、1/2個など量を調整する必要があります。
まとめ
桃には、若々しくいたい方をサポートするビタミンEの他に、カリウムや食物繊維など健康な体づくりに役立つ栄養が含まれています。
また、普段は捨ててしまう皮にも、抗菌作用のあるカテキンが含まれていますので、皮ごと食べることで、桃の栄養を余すことなく摂れますよ。
桃は、他の果物に比べてカロリーや糖質が低く、ダイエット中のおやつとして取り入れると良いでしょう。
ただし、缶詰の桃はカロリー、糖質ともに生の桃よりも多いため、ダイエットするなら生の桃がオススメです。
それでは、当記事を参考に、おいしい桃を食べて美しく健康的な毎日をお過ごしください。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
株式会社 明治 体質のせいかお腹を下しやすい。下痢になりにくい腸をつくるには
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 大熊麻未
十文字学園女子大学人間生活学部 食物栄養学科卒業。卒業後は一般企業にてOEM開発や外食事業に従事。その後は学校給食に携わり、食物アレルギーや衛生管理の指導にあたる。また生活習慣病予備軍の方に向けた保険指導を行い、検査数値改善のサポートに尽力する。
記事提供:H2株式会社
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提供元:とろける甘さが絶品!桃の栄養と効果~缶詰や皮ごと食べた時の栄養まで解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】