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2022.07.17

低血糖の症状とは〜原因・予防・対策までわかりやすく解説〜


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急に手が震えてきたり、頭がぼーっとしたりした経験はありませんか?

その症状、低血糖によるもの(低血糖症)かもしれません。

今回はそんな低血糖症について解説していきます。低血糖症を知るきっかけとなりますよう、原因から対処法まで分かりやすくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

編集&執筆者情報:こちらをご覧ください ※外部サイトに遷移します

低血糖について

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まず、低血糖というのはどのようなものでしょうか。

私たちの身体の中で最も重要なエネルギー源のひとつがグルコース(ブドウ糖)です。ブドウ糖は、身体の血液の中に流れていて、血液から全身の細胞に移動してエネルギーとして使われます。

低血糖とは、血液の中に流れているブドウ糖の量が少なくなっている状態のことです。ちなみに血糖値とは身体の中に流れているブドウ糖の量を示す値のことです。

参考記事:脳の栄養「ブドウ糖」とは〜効果から食べ物まで幅広く紹介〜 ※外部サイトに遷移します

どのような症状が見られるのか

低血糖が起こると、汗が出るや手の震え、心臓がドキドキする、顔色が悪くなるなど様々な症状が起こります。

血糖値がさらに低くなると頭痛や空腹感、目のかすみ、頭がぼーっとするなどが起こり、最悪の場合には死に至ることもあります。

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原因は何?

では、なぜこのような症状が起こってしまうのでしょう。

通常、血糖値は身体の中のホルモンによって調整されています。

ホルモンは大きく分けて、
・血糖値を下げるホルモン(インスリン)
・血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリンなど)

の2種類です。

そして低血糖になる原因として
・血糖値を下げるホルモン(インスリン)が過剰に分泌される
・血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリンなど)の分泌が少なくなる 

ということがまず挙げられます。

また、血糖値を上げる働きをする肝臓や腎臓の異常でも低血糖になることも。
 
そして、糖尿病の服薬やインスリン注射を行っている方は、食事の量が少なすぎると薬が効きすぎてしまい、低血糖をきたすことがあります。実は低血糖の原因は、糖尿病の薬の効きすぎが1番多いのです。

例えばインスリンや治療薬を誤ってたくさん使ってしまったり、他の薬剤を一緒に使ったりすることでも、効き目を高めて低血糖に陥る原因となることがあります。

つまり血糖値を下げるために必要なインスリンが働きすぎて、逆に血糖値を過剰に下げてしまうので、低血糖に陥るケースが出てきてしまうのです。

参考記事:インスリンとは〜糖尿病との関係・療法・注射の使い方を分かりやすく解説〜 ※外部サイトに遷移します

・糖尿病でないのに起こる場合

糖尿病でないのに起こる場合は、肝臓や腎臓の異常がみられていたり、血糖値を調節する機能をもつ膵臓に腫瘍や慢性の炎症があったりする場合などがあります。

また、高齢者の方は不整脈などの薬の副作用で低血糖になることもありますので、低血糖かも?と思ったらまずは病院を受診して原因を調べてもらうと良いでしょう。

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機能性低血糖とは

機能性低血糖とは、身体の中でホルモンのバランスが上手く行かなかったり、胃を切除しているなどで食べ物が上手く吸収されないなどの身体的な要因で起こる低血糖のことです。

糖尿病による低血糖との違い

機能性低血糖はあくまで(糖尿病などの)薬の効きすぎではなく、身体自体の要因で低血糖になることを指します

どのような人がなりやすいのか

低血糖は糖尿病の方に限らず起こりうるものです。気になる症状があれば一度医療機関で相談してもよいかもしれません。

まず症状をチェックしよう

低血糖は血糖値によって出現する症状が変わってきます。以下の症状が当てはまるという方はもしかしたら低血糖の状態なのかもしれません。

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病院では何科に行けば良い?

低血糖で意識がはっきりしなかったり、意識を失っている人を発見した場合は迷わず救急車を呼びましょう。

低血糖以外の原因で意識を失っているかもしれませんし、意識を失うほどの低血糖は生命にかかわるのでどちらにせよ救急車を呼ぶ必要があります。

普段から気になる症状があって低血糖かも?と思われている方は、まずは内科を受診していただくと良いです。

検査方法や診断基準を紹介

低血糖かどうかは血糖値測定で分かりますので、病院ではまず血糖値測定を行います。血糖値が70mg/dl以下だと低血糖とみなされることが多いようです。

そしてなんらかの低血糖の症状があり、血糖値が70mg/dlより低い場合に低血糖と診断されます。

低血糖が起きた時の治療と対処法

低血糖が起きたときは、まずブドウ糖とパッケージに書いてある飴(糖質10-15g)やブドウ糖を含む清涼飲料水を150~200ml程度摂取することが対策の一つです。

口から取り入れることが不可能な場合は、周りの人がブドウ糖を唇や歯肉に塗りつけるという方法もあります。意識がなくなり自分で何もできなくなってまうと、低血糖は命に関わります。

低血糖に陥った時の対処を、家族や職場の人にお願いしておくことが大切です。

なお、チョコや飴、ジュースはブドウ糖と比べて身体に吸収されるのが遅いので、パッケージにブドウ糖と書いてあるような食品をお勧めします。

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予防にもつながる~食事でのポイント~

よくバランスの良い食事を多すぎず適度な量に、と言われることが多いですが、あまりに食事量を減らしてしまうと低血糖の原因になります。多すぎてもよくありませんが、少なすぎても良くありません。

サプリは良いのか

サプリメントは、低血糖を実際に起こしたときにブドウ糖をすぐに摂取するために使用するなら良い方法でしょう。

しかし食事の代わりにするなどは、必要な栄養素をバランスよく摂取できません。あくまでバランスの良い食事をしっかり摂った上で、補助としてサプリメントを摂るという方法をお勧めします。

その他、生活の中での注意点

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過剰なアルコール摂取や、激しい運動も低血糖の原因となりますので注意が必要です。

食事はきちんと摂っていても、お腹が空いているときに激しい運動を長時間行うのも低血糖の原因となりますので、簡単につまめる間食(クッキーなど糖質の多い食べ物)などを持っておくとよいです。

まとめ

以上、低血糖症についてお話させていただきました。

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今回の記事が血糖管理のお役に立てると幸いです。

参考文献

医療情報科学研究所編(2019):病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌,第5版,株式会社メディックメディア,4,74. 
島津章(2016):特集 内分泌・代謝疾患の救急~初期対応のポイント~ 低血糖性昏睡,日本内科学会雑誌,105(4),683-689.
柏崎良子(2003):プライマリケア医のための最新栄養学 機能性低血糖症の症例と治療,治療,85(11),3029-3036.
柏崎良子(2013):機能性低血糖症を疑ったら,日本医事新報,4658,72-73.
一般社団法人日本糖尿病学会編(2019):20 糖尿病における急性代謝失調・シックデイ(感染症を含む),糖尿病診療ガイドライン2019,p334, (閲覧日2021/01/28)
日本糖尿病学会編・著 糖尿病治療ガイド2020-2021 P95-P97 A低血糖

執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子

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山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。

記事提供:H2株式会社

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提供元:低血糖の症状とは〜原因・予防・対策までわかりやすく解説〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】

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