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2022.07.19

アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(18): 1日のエネルギー収支がマイナスなのに体重が減りません


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私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。
今回は、ダイエットのお悩みについて、管理栄養士・村上加織さんに回答していただきました。

Q. 1日のエネルギー収支 がマイナスなのに体重が減りません。なぜ?

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回答

質問者様は、減量をするうえで重要な“エネルギー収支バランス”を意識してダイエットに取り組まれているのですね。それにもかかわらず、なぜ体重が減らないのだろう?という疑問について、今回はお答えしたいと思います。

ダイエットの基本!エネルギー収支バランスって?

皆さんは、頑張ってダイエットをしているのに思うように減量ができないと悩んだことはありませんか?ここでは体重増減の基本的な考え方を理解しておきましょう。

基本的な体重の増減は、摂取エネルギー(カロリー)と消費エネルギー(カロリー)からなる“エネルギー収支バランス”により左右されます。このバランスを天秤ばかりでイメージしてみましょう。食事から得る摂取エネルギーの方に天秤が傾くと体重が増える一方、生命機能の維持や身体活動による消費エネルギーの方に天秤が傾くと体重が減ると考えることができます。

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そして、一定の体重を長期間保っている場合は、天秤がどちらにも傾いていない状態になっていると考えられるのです。つまり、体重が長期間減らないということは、実際には摂取エネルギー量を減らせていないことや、消費エネルギー量を増やせていない可能性があるのです[1]。

実は“食べていないつもり”になっているかも!意外な盲点とは?

食事を減らしているのに体重が減らないという場合は、思わぬところで余分なカロリーをとっているかもしれません。次の2つのことに目を向けてみましょう。

1つ目は、“何気なくとっている間食”です。 小腹をみたすためにとっている少量の間食や、喉の渇きを潤すために飲んでいる飲料について振り返ってみましょう。少量の間食は無意識に頻度が増えてしまい、余分なカロリーをとっていることに気が付きにくいため、食事以外に口にするものはすべて間食だと認識することが大切です。食事を減らし間食が増えてしまうと本末転倒になるため、食事と間食のメリハリをつけることを心がけましょう。また、糖質を含む飲料はカロリーが多いため、水分補給は水かお茶にすることをおすすめします。

2つ目は、“休日の食事”です。休日は生活リズムが変化し、食事にも影響が出やすくなるため、休日も普段通りの食生活を心がけることが大切です。外食をする場合は、ごはんや肉に偏らず野菜や海藻・きのこを積極的に取り入れ、量が多くなる場合は前後の食事を調整しましょう。食事量を極端に減らしている方のなかには、休日を“チートデイ”とし、好きなものを好きなだけ食べてストレスを発散するという方もおられるかもしれません。食事を楽しむということはとても大切であり、チートデイを設けてはいけないわけではありませんが、ストレスになっている原因を振り返ることも大切です。

ストレスをできるだけ溜めずダイエットを継続するために、食事量は減らしすぎないこと、間食がどうしても食べたい場合は飲料を含め1日200kcalを目安にすることをおすすめします[2, 3]。

こんな食べ方していない?NGチェックリスト

さらに減量中の食事についてはカロリーだけでなく、どう食べるか?という視点をもつことが重要です。以下のチェックリストのなかに1つでも当てはまるものがあれば、体重が減りにくい原因になっているかもしれません。

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食事時間の乱れや夜遅くの食事・間食は肥満のリスクを高めると報告されていることから、日々の食事時間をできるだけ一定にし、夜食は控えましょう。夕食がどうしても遅くなる場合は、夕方頃に夕食の一部をとり、遅い時間帯の食事を減らす分割食を取り入れることをおすすめします。また、遅い時間帯に糖質に偏った食事をとることも肥満のリスクを高めるため、ささみや魚、納豆、卵などのたんぱく質源、野菜やきのこ・海草を取り入れられると良いですね。ご自身の生活スタイルに合わせ、できる範囲で挑戦してみましょう[4]。

運動だけじゃない!?消費エネルギーを増やすコツ

一生懸命運動をしているのに体重が減らないという場合は、消費エネルギーを効率良く増やす方法を取り入れると良いかもしれません。

私たちは生きるために、摂取したエネルギーを以下の3つに使っています。

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なかでも、身体活動は1日のエネルギー消費量に大きく影響するといわれています。しかし、筋力トレーニングのような強度の高い運動は長時間続けることが難しいため、ウォーキングや掃除などの強度が高くない活動を長く行うことも大切です。運動習慣のない方は、まずはいつもより10分多く体を動かすことをおすすめします。運動習慣のある方は、1日60分の身体活動のなかに強度の高い運動を取り入れ、消費エネルギーを上手に増やすことを意識しましょう[5, 6]。

ダイエットのコツをつかんで無理なく継続しましょう!

体重が減らない原因として一般的なご回答となりますが、ぜひご参考になさってください。エネルギー収支バランスを無理なく効率的に変化させることが、ダイエット成功の鍵となるかもしれません。ご自身に合った方法で、食事改善や運動を続けてみてくださいね。

【参考文献】(全て2022年6月1日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2]厚生労働省:e-ヘルスネット| 間食のエネルギー(カロリー)

[3]厚生労働省:e-ヘルスネット|外食の選び方

[4]厚生労働省:e-ヘルスネット|交代制勤務者の食生活に関する留意点

[5]厚生労働省:e-ヘルスネット|身体活動とエネルギー代謝

[6]厚生労働省:健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)

【プロフィール】管理栄養士 村上加織

「食の力で大切な人を健康にしたい!笑顔にしたい」という想いを実現すべく、管理栄養士の資格を取得。急性期病院に勤務し、給食管理や栄養指導を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。特定保健指導やコラム執筆などの活動を通して、食と健康に関する情報を科学的根拠に基づき発信している。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

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