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2022.07.09

長生きしたいなら「避けたほうがいい」身近な食材|砂糖を減らすことは腸内環境を整えるのに最善


スティーブン・R・ガンドリー氏の、老けない食事のコツとは(写真:ThanhAn/PIXTA)

スティーブン・R・ガンドリー氏の、老けない食事のコツとは(写真:ThanhAn/PIXTA)

健康で100歳以上長生きする人々は多く存在し、今や決して特別な存在ではありません。食事とライフスタイルを見直すことで、誰もが天寿を全うするまで健康な人生を謳歌することが可能だと言うのは、ヒト体内の微生物と長寿に関する世界的権威である医学博士のスティーブン・R・ガンドリー氏です。

最新の研究と臨床データに基づき、極力避けたほうがいい食材について同氏の新著『死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事』から一部を抜粋し再構成のうえお届けします。

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関連記事:長生きする地域の人が「食べないモノ」の共通点 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

腸をダメにする食材

基本的に断定はしたくないのだが、以下の食品は腸内の悪玉菌の主な栄養源となるため、できるだけ避けた方がいい。こうした食品をうっかり食べてしまっても大丈夫。悪玉菌を追い出して、善玉菌を増やせるような食事をするよう心がければいい。どの食品が悪玉菌の好物か、つまり寿命を縮める最悪の食品かを思い出すために、ときどきこのリストを見返そう(本稿ではリストの一部を紹介します)。

単純糖質とデンプン

ブドウ糖、果糖、ショ糖など、単純糖質はどれも、腸や皮膚などあらゆる場所にいる悪い細菌の一番の餌となる。果物に含まれる糖(果糖)もここに含まれる。

私たちはもともと、1年を通して果物を食べていたわけではなかった。グローバル化以前は、甘いものを手軽に楽しめるのは夏から秋だけだった。冬の退行期に備えて果物で体重を増やし、脂肪を蓄える必要があったからだ。

だが、今の私たちは常夏のような状態で生活しており、果物や甘いお菓子、天然の砂糖や人工甘味料などがいつでも手に入る。これこそが肥満を蔓延させる要因だ。ここまで読んできた方なら、腸に住む悪い細菌が肥満の原因だとわかっているだろう。

悪玉菌は糖が大好きだし、がん細胞も糖を好む。だから、最初はつらいかもしれないが、砂糖を減らすことは悪玉菌を追い出し、腸内環境を整えるのに最善の方法なのだ。食卓に置く砂糖やお菓子、明らかに糖質の塊のようなもの、以下に挙げる高糖質の果物は、旬の時期を除いては避けよう。

ブドウ

ブドウは手軽に食べられるおやつで、私も子どもの頃は大好きだった。たいていの子どもたちは大好きだが、その理由は何だろう? それは、ブドウが小さな砂糖爆弾だからだ。新鮮なブドウ1カップにはおよそ23gの糖が含まれている。小さじ6杯分の砂糖だ。健康的なおやつではなく、デザートなのだ。

ところが、発酵させてワインやビネガーにすると、体に良いものとなる。ポリフェノールが多く含まれている上、発酵させることで糖質が取り除かれるため、安全なものになる。だから、バルサミコ酢はたっぷり、赤ワインは適度な量なら摂ってもいいが、生のブドウは控えよう。

マンゴー

マンゴーの大きさはさまざまだが、アメリカ農務省によると、平均的な大きさのマンゴーにはなんと46g(小さじ12杯分)もの糖が含まれている。マンゴーには、ブドウ糖、果糖、そしてショ糖という3種類の糖がたっぷり含まれている。そして、マンゴーが熟すにつれて、3種類の糖は増えていく。

新鮮なマンゴーがとてもおいしく、腸内の悪玉菌に好まれる理由はこれだ。だが、未熟なマンゴーにはオリゴ糖が含まれるため、善玉菌の餌となる。私は未熟なマンゴーのサラダを定期的に食べているが、おいしいのでおすすめだ。

バナナ食べるならグリーンバナナを

完熟バナナ

熟す前のバナナは、ほとんどレジスタントスターチでできている。先ほども書いたが、グリーンバナナの80%近くはレジスタントスターチだ。けれどバナナが熟すと、このレジスタントスターチは糖質に変換される。糖質の量が多すぎるため、「1食分」に適した量は大きなバナナ1本の半分となる。バナナを半分だけ食べて終わりにする人などいるだろうか。

熟したバナナにはショ糖、果糖、ブドウ糖が含まれる。だから、熟していないグリーンバナナを食べる方がいい。そのうち慣れるし、食べつづければ善玉菌が感謝してくれるだろう。

ライチ

甘い花のような香りと酸味が特徴だ。アジア料理に添えられることもある。あまり甘くないと思うだろうが、1カップあたり約29g(小さじ7杯分)の糖が含まれている。

リンゴ

子供の頃から「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と言われてきただろう。だが、中くらいの大きさのリンゴ1個には、19g(小さじ5杯)の糖が含まれているとご存じだったろうか。つまり、「1日1個のリンゴは善玉菌を遠ざける」ということになる。

ただ、リンゴには水溶性食物繊維も多く含まれているため、まったくダメというわけではない。旬の時期(11月から2月)だけ、毎日のおやつではなく、特別なご褒美として食べよう。

パイナップル

私は常々、パイナップルは甘すぎると感じていた。1カップ分につき、16g(小さじ4杯分)の糖が含まれているため、絶対に避けるつもりだ。あなたもそうした方がいい。

洋梨

最後に挙げる洋梨は、熟した中くらいのものだとおよそ17gの糖が含まれている。だが嬉しいことに、ダンジューという品種や、熟していないバートレットなどのシャキシャキした洋梨には、レジスタントスターチが豊富に含まれるため、ぜひ食べよう。洋梨をもらったら、熟す直前に食べて、善玉菌へのプレゼントにしよう。

砂糖の代用品

スクラロース、サッカリン、アスパルテームなどの甘味料は、本物の砂糖と同じく腸内環境に悪影響を及ぼす。腸内微生物叢を変化させ、悪玉菌を優位にさせてしまうのだ。

最近の研究では、「スプレンダ」として売られているスクラロースを摂取すると、糖負荷試験で血糖値とインスリン値が水を飲んだときと比べて高くなることが明らかになった。さらに、政府が何と喧伝しようと、スクラロースは不活性ではなく、数週間にわたって体内に残留する可能性のある毒性化合物に変換される。

また、人工甘味料は体重増加を促す。これは、甘い物質が舌に付着すると、受容体が甘みを感じるからだ。すると、舌の神経が動き出す。脳の報酬中枢にある快楽受容器に、このすばらしい甘い食べ物をもっと食べろと命令するのだ。なぜか? それは、季節が変わって食べ物がなくなったときに備えて、脂肪を蓄えるために必要だからだ。

人工甘味料は、本物の砂糖と同じ快楽信号を脳に送るように設計されている。しかし、本物の砂糖のカロリーが血流に乗らないと(そもそもブドウ糖を摂取していないので)、脳は騙されたと感じ、約束されたはずの砂糖が届かないことに腹を立てる。

すると、脳はどうするか? 体にもっと糖分を取れと伝えるのだ。人工甘味料を摂って、脳や善玉菌をイライラさせるのはやめよう。

従来通りに作られた乳製品

自己免疫疾患を引き起こしうるβ-カゼインA1の危険性についてはご存じだろう。もちろんこうした反応は、牛の乳で作ったミルクやチーズ、アイスクリームなどを摂取するほど悪化する。痛みや不快感を伴う乳糖不耐症を訴える人の多くは、実はβ-カゼインA1不耐症に苦しんでいるのだ。

けれど、落ち込む必要はない。ヤギ、ヒツジ、水牛と同じく、牛にもβ-カゼインA2という別のタンパク質を作っているものがあり、それは体に良いからだ。乳製品に関しては、正しい種類の動物から正しい種類のタンパク質を選ぶことが重要だ。

嬉しいことに、前著『食のパラドックス』(翔泳社、2018年)が出版されてから、β-カゼインA2製品が広く出回るようになった。ぜひそういったものを選んで、健康を損なわずに乳製品を楽しんでほしい。

β-カゼインA2はヤギやヒツジ、水牛の乳に含まれており、フランスやイタリア、スイスなどの輸入チーズに含まれている。また、ヤギやヒツジ、水牛のバターは透き通るような白色をしているが、これはヤギやヒツジ、水牛が食べたものに含まれる銅色のβカロチンを無色のビタミンAに変換するのに対し、牛はそれをしないためだという。

水牛のモッツァレラ、通称「モッツァレラ・ディ・ブッファラ」を食べたことがあるだろうか。水牛のモッツァレラは、他のものでは味わえないほどクリーミーだ。

悪い脂質

脂質自体は悪いものではないが、長生きするためには避けた方がいい脂肪がある。それは次のようなものだ。

飽和脂肪酸を賞賛する人の見落とし点

飽和脂肪酸

パレオダイエットやケトジェニックダイエットを支持する友人たちのほとんどは、飽和脂肪酸の健康効果を賞賛している。だが彼らはこの脂質の大きな問題を見落としている。腸内で細菌が分裂したり死んだりすることでつねに生成される細菌の断片であるLPSは、飽和脂肪酸に乗ったり隠れたりして、腸壁を通り抜けて体内に入る。

記事画像

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そして、脳の飢餓中枢である視床下部に直接運ばれる。その結果、炎症が起きて空腹感が増すのだ。パレオダイエットをしている人が、空腹感に悩まされることが多いのはこのためだ。というわけで、飽和脂肪酸とそれに付随するLPSには別れを告げよう。

ピーナッツオイル

アメリカ心臓協会に属する研究仲間が、さまざまな種類の脂質が動脈(心臓の健全な機能にとって重要なものだ)の健康に及ぼす影響を調べたところ、ピーナッツオイルが最も広範囲で進行した動脈硬化と、最も深刻な冠動脈狭窄を引き起こすことがわかった。

ピーナッツオイルにはレクチンがたっぷり含まれており、動脈への自己免疫攻撃につながる。

ここでは、炎症を引き起こし、悪玉菌を優位にさせる最も有害な脂質を簡単に紹介しよう。

● グレープシードオイル
● コーン油
● 綿実油
● サフラワー油(ベニバナ油)
● ヒマワリ油
● 部分水素添加油脂またはキャノーラ油

善玉菌のために、単純糖質や甘すぎる果物、人工甘味料、従来通りに作られた乳製品、悪い脂質を控えることはできるはず。毎日の習慣を少し変えるだけで、あなたの腸に住む仲間たちは、新しく改装された豪華なスイートルームでくつろぐかのように、生き生きとするはずだ。

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提供元:長生きしたいなら「避けたほうがいい」身近な食材|東洋経済オンライン

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