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2022.06.20

アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(14)脂質を抑えると体脂肪は減るの?


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私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。第14回目は、50歳代女性より脂質の摂取と体脂肪の関係について、管理栄養士・南田さとみさんに回答していただきました。

Q. 脂質を抑えると体脂肪は減るの?

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回答

質問者様は、体脂肪を減らすために日々努力をされているようで素晴らしいですね。体脂肪が増えると、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの数多くの病気の原因になってしまうため、体脂肪が気になる方は放っておいてはいけません。今回、こちらのご質問に対して、まずは体脂肪と脂質の関係や、体脂肪が増える原因を解説したうえで、具体的に減らすためのポイントを回答します[1]。

脂質を抑えると体脂肪も減るの?

体脂肪を減らすために脂質を抑えることは有効であるといえますが、実はそれだけでは不十分です。体脂肪が増える原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることであり、脂質を抑えていたとしても、全体の食事量のエネルギーが過剰であれば体脂肪として蓄積されてしまいます。脂質だけを極端に減らす必要はなく、その他にも気を付けたいポイントを次に解説していますので、チェックしてくださいね[1]。

体脂肪を減らす4つのポイント

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体脂肪を減らす食事の大前提は、食べ過ぎないこと、つまりカロリー過多を防ぐことです。そのためには食事だけでなく、間食の量や質にも目を向ける必要があります。

基本の対策に加えて、気を付けたい4つのポイントをご紹介します。

(1)食事中の“見えない油”を減らす

質問者様はサラダ油などの“見える油”を意識されていますが、実は洋菓子、チョコレート、インスタント麺などにも脂質が多く含まれています。このような食品の“見えない油”も意識することが脂質を減らすうえで大切です。また料理をされる際には茹でる、蒸すといった油を使用しない調理法を取り入れ、お肉を選ぶ際は脂身を避けると良いでしょう[2]。

(2)糖質をとりすぎない

エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります。糖質をとり過ぎてしまうNG例としてよくあるのは、麺類+ご飯などの主食の重ね食べです。このような食べ方は避け、主食は1種類+たんぱく質(肉・魚・卵など)を組み合わせると、栄養バランスも整い糖質のとり過ぎを防ぐことができます。また、コーヒー飲料や清涼飲料水などをよく飲む習慣がある方は要注意です。これらの飲料には砂糖が多く含まれており、習慣的に飲んでいる方は、知らず知らずのうちに糖質の過剰摂取をしている可能性も。砂糖を含まない水やお茶に少しずつ変えてみることをおすすめします[3, 4]。

(3)食物繊維をとる

食物繊維は便通を整えてくれる働きに加えて、糖質や脂質の吸収をゆるやかにしてくれるという働きもあるため、積極的にとりたい栄養素です。また低カロリーで満足感がある食物繊維は食べ過ぎ防止の役割にもなり、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などに多く含まれています。主食を玄米ごはん、もち麦ごはん、全粒小麦パンなどに変えるだけでも、手軽に食物繊維をとることができるのでおすすめです[5, 6]。

(4)運動を取り入れる

有酸素性運動は脂肪を燃料とするので、血中のLDLコレステロール、中性脂肪や体脂肪の減少が期待できるといわれています。具体的なエクササイズとして、エアロビクスダンス、エアロバイク、水泳、ジョギング、ウォーキングなどがあります。普段運動の習慣がない方は、まずは日常の歩数を増やすことからはじめてみてはいかがでしょうか[7]。

日々の積み重ねが体脂肪を減らす近道

体脂肪を減らすためには糖質や脂質をとりすぎないことをお伝えしましたが、極端な制限をする必要はありません。糖質や脂質も体にとって大事な栄養源です。ご自身にとってストレスのかからない、長く習慣化できる食事を継続することが大切です。無理のない範囲で脂質と上手に付き合い、健康な体づくりをしていきましょう。

【参考文献】(すべて2022年5月9日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1] 厚生労働省:e-ヘルスネット|肥満と健康

[2]農林水産省:みんなの食育|見えない塩分と脂肪に注意

[3] 厚生労働省:e-ヘルスネット|炭水化物 / 糖質

[4] 厚生労働省,e-ヘルスネット, 間食のエネルギー(カロリー)

[5] 厚生労働省:e-ヘルスネット|食物繊維

[6] 厚生労働省:e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康

[7] 厚生労働省:e-ヘルスネット|エアロビクス / 有酸素性運動

【プロフィール】管理栄養士/便秘改善アドバイザー 南田さとみ

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15年悩み続けた辛い便秘をたった3ヶ月で卒業できたオリジナルの食事法、10分以内で作れる「スルっと快便!ガチ速!腸改革メシ」で、便秘でお悩みの方をサポートする「腸改革講座」主宰。管理栄養士の資格取得後、委託給食会社、介護施設での栄養管理に携わり、現在はフリーランスとして、レシピ開発、コラム執筆など幅広く活動中。

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