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2022.06.17

そら豆の栄養成分~健康に良い成分を詳しく解説~


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当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します

豆の中でも粒の大きなそら豆。

もしかすると、他の豆類と比べてそら豆になじみのないように感じる方がいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず、そら豆の旬は春で4~6月と短いです。そして鮮度が落ちるのが早いため、スーパーなどで見かける期間が短くなっています。

春が旬のそら豆ですが、どのような栄養が含まれていて、どのように私たちの健康と関係しているのでしょうか。

当記事ではそら豆の栄養成分と効能について解説します。そら豆の選び方や茹で方、保存方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

そら豆の栄養成分と効果効能

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そら豆は、たんぱく質や食物繊維をはじめとして、健康に重要な栄養素が多く含まれています。

それでは、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。早速見ていきましょう。

体を作るもとになるたんぱく質

たんぱく質は私たちの体を作っている栄養素で、臓器や筋肉、ホルモン、抗体、酵素のもとになっています。

またたんぱく質は、炭水化物や脂質とあわせて「エネルギー産生栄養素」と呼ばれ、体に不可欠なエネルギー源となる大事な栄養素です。

そしてそら豆(茹で)に含まれるたんぱく質の量は、100gあたり10.5gになります。

参考までに、よく食べられている枝豆(茹で)に含まれるたんぱく質は100gあたり11.5gです。

枝豆は、大豆を未成熟な状態で収穫したもので、たんぱく質が豊富なため「畑の肉」と呼ばれていますが、比較してみるとそら豆にもたんぱく質が豊富だということが分かりますね。

関連記事:枝豆の栄養成分と効能〜気になる黒枝豆についても管理栄養士がポイント解説〜 ※外部サイトに遷移します

お通じ改善効果のある食物繊維

食物繊維もそら豆に豊富に含まれる栄養素です。

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、そら豆に特に豊富なのが不溶性食物繊維になります。

不溶性食物繊維は便秘の改善に効果的です。なぜならば、腸内の水分を吸収することで便のカサを増やして、排便をスムーズにするからです。

なお、水溶性食物繊維には栄養素の吸収を穏やかにすることで、食後血糖値の急上昇を抑えたり、血中コレステロール値を低下させる働きがあります。

肌荒れ・口内炎の改善に効果的なビタミンB1・B2

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ビタミンB1の働きは、糖質からエネルギーを作り出す手助けをすることで、疲労回復効果が期待できます。

そのため運動量が多くよりたくさんのエネルギーを必要とする方や、糖質やアルコールをよく摂る方にとって、ビタミンB1は積極的に摂りたい栄養素です。

一方、ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必要な栄養素です。そして、髪や皮膚などの再生にも関わります。

ところで、肌荒れ・口内炎の治療薬にはビタミンB1・B2が多く配合されていることをご存知でしょうか。

つまりビタミンB1・B2が豊富なそら豆は、肌荒れや口内炎が気になる方にもおすすめの食材と言えます。

肌や血管を健康に保つビタミンC

ビタミンCには抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や老化防止が期待されています。また、コラーゲンを作る時に必要な栄養素です。

なお、コラーゲンは美容化粧品に含まれているイメージがあるかもしれませんが、実は骨の材料にもなります。

ビタミンCは体内で作りだすことも、貯蔵することもできない栄養素ですので、日常的に摂取するようにしましょう。

体内の反応をスムーズにするミネラル類

ミネラル類は、体の中の細胞や臓器の働きをスムーズにする栄養素で、無機質とも呼ばれます。ミネラル類は体内で作ることができないので、食事から取り入れる必要があります。

それでは、そら豆に含まれる主なミネラルと、その効能を以下に示します。

・鉄分:血液中にあり、全身に酸素を運ぶヘモグロビンのもとに。欠乏は貧血の原因になることも
・カルシウム:骨や歯の構成成分で、筋肉の収縮や神経の伝達にも関わる
・カリウム:ナトリウム(塩分)を排出することで、高血圧やむくみを予防・改善させる
・亜鉛:細胞や酵素の中にあり、たんぱく質やDNAを作り出す反応や免疫に関わる。欠乏すると味覚障害になる恐れも

そら豆のカロリー【食べ過ぎは体に悪いのか】

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そら豆のカロリーは茹でたものですと100gあたり103kcalです。

下の表のように他の野菜類(すべて「茹で」)と比べてみると、そら豆のカロリーは高めであることが分かりますね。

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他の野菜と同じ感覚でたくさん食べると、摂取カロリーが多くなり肥満につながる可能性がありますので、食べ過ぎには注意しましょう。

一日のベストな摂取量は何粒?

個人差はありますが、1日に50g(8〜9粒)にとどめるのがオススメです。

なぜなら、そら豆のカロリーは野菜類の中で高いからです。

8〜9粒というのは、おつまみや食事にもう一品ほしい時などに丁度良い量です。

確かにそら豆には健康によい栄養素が詰まっていますが、そら豆ばかりを食べていると栄養が偏るので、あくまでもバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

そしてもう一つ、そら豆は鮮度が落ちやすい食べ物でもあります。野菜は鮮度が落ちると栄養価も落ちるので、できる限り早めに食べきりましょう。

そら豆の薄皮には毒があるのか

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結論から言いますと、そら豆の薄皮には毒はありません。むしろ薄皮には食物繊維やポリフェノール(*)が豊富に含まれているので、積極的に食べていただきたい部分です。

*ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や老化防止に期待できます。

少し固いそら豆の薄皮ですが、スープにしたり蒸したりすることで十分柔らかくなりますので、ぜひ試してみてくださいね。

太りやすい?揚げそら豆(いかり豆)の栄養

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いかり豆とは、「乾燥させたそら豆を揚げたもの」のことで、フライビーンズの名前で売られていることが多いです。

まずカロリーについては100gあたり436kcalとかなり高いです。

いかり豆のカロリーが高いのは、油で揚げたからであるのはもちろんですが、乾燥させたことにより水分が抜けて成分が凝縮したのも原因となります。

続いてビタミンB群やビタミンCに着目しましょう。これらは熱に弱い栄養成分なので、揚げることにより損失します。

ですので、先ほどそら豆にはビタミンB1、B2やビタミンCが豊富と解説しましたが、いかり豆にはほとんど含まれません。

反対に、食物繊維の量は、茹でたものが100gあたり4.0gに対し、いかり豆は14.9gとかなり多くなります。

こちらも水分が減ったことにより成分が凝縮されたことが要因です。

いかり豆はカロリーが高いので食べ過ぎは禁物です。よく見かける小袋タイプのいかり豆は100g容量のものが多いので、2~3回に分けて食べると良いでしょう。

乾燥そら豆にも栄養はあるの?

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乾燥そら豆も水分量が減るため、100gあたりのカロリーは高くなり、323kcalとなります。

また食物繊維量は100gあたり9.3gで、ビタミンCはほとんど含まれていません。揚げそら豆と似たところがありますね。

異なる点としましては、油であげていないのでカロリーや脂質量が少なく、よりヘルシーな食材ということです。

とはいえ、乾燥そら豆も一般的な食品の中ではカロリーが高いので、食べ過ぎに気を付けましょう。

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そら豆は鮮度が落ちやすい野菜です。

ということは、いかに新鮮な状態で購入するかが大事になります。

ポイントは、

・さやに入っている
・緑色が濃く、つやがある
・粒がそろっている
・ふっくらしている

となります。

以上の条件が鮮度の良い証ですので、スーパーなどで買う際に参考にしてみてくださいね。

栄養素が減りにくい茹で方

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水に溶けやすいビタミンB群やビタミンC、カリウムが含まれているそら豆。やはり余すところなく栄養素を摂取したいものです。

こちらが栄養素が流出しにくい茹で方となります。

(1)フライパンのような底が浅く大きな鍋に、そら豆が浸るくらいの高さの水を入れ、沸騰させる
(2)さやから取り出し、薄皮がついたままのそら豆と塩を入れる
(3)蓋をしたまま3分間加熱する。

少ない水で茹でることによって流れ出る栄養素を最小限にすることができます。

鮮度をキープできる保存方法

ここまでそら豆の選び方と茹で方について解説してきました。最後に、鮮度を保つ保存方法をご紹介します。

保存方法には大きく分けて「さやのまま」保存するか「さやから取り出して」保存するかの2つあります。

さやのまま保存する場合は新聞紙などで包み、冷暗所で保存しましょう。

さやから取り出す場合は、取り出してすぐ固めに茹で、冷蔵保存か冷凍保存を行います。

なお、食べる際は一度火を通してあるのでそのままでも召し上がれます。

冷凍保存している場合や、もう少し軟らかいものを召し上がりたい時には電子レンジで加熱したり、追加で茹でたりすると良いです。

繰り返しになりますが、そら豆は鮮度が落ちやすいのでどちらの場合にせよ、早く食べきるようにしましょう。

まとめ

当記事ではそら豆について解説してきました。まとめますと、

・そら豆にはたんぱく質や食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ミネラル類など健康によい栄養素が多く含まれている
・そら豆のカロリーは他の野菜類と比べて高いので、1日8〜9粒にするなど食過ぎに注意すると良い
・揚げそら豆(いかり豆)や乾燥そら豆は、カロリーが高く、ビタミンCなど一部の栄養素の量が減っている
・そら豆は鮮度が落ちるのが早いので新鮮なものを買い、早めに食べきるようにする

となります。

旬の短いそら豆ですが、スーパーなどで見かけたらぜひご賞味ください。それでは、この記事があなたの食生活のお役に立てれば幸いです。

参考文献

・NHK 初夏だ!そらまめパラダイス ※外部サイトに遷移します

・e-ヘルスネット カリウム ※外部サイトに遷移します

・e-ヘルスネット 鉄 ※外部サイトに遷移します

・e-ヘルスネット 抗酸化物質 ※外部サイトに遷移します

・総合南東北病院 健康ひとくちメモ|そら豆 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット 三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット 食物繊維の働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット ビタミンB1の働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット ビタミンB2の働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット 亜鉛の働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・健康長寿ネット カルシウムの働きと1日の摂取量 ※外部サイトに遷移します

・大塚製薬 ビタミンB1 ※外部サイトに遷移します

・エーザイ チョコラBBプラス ※外部サイトに遷移します

・日本医師会 ミネラルのはたらき ※外部サイトに遷移します

・そら豆専門店まめそら そら豆の量の目安

・独立行政法人農畜産業振興機構 そらまめ ※外部サイトに遷移します

・JAグループ ソラマメ ※外部サイトに遷移します

・ニチレイフーズ 【そら豆の保存】 ※外部サイトに遷移します

監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー

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早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。

監修:管理栄養士・調理師 前間弘美

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武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。

記事提供:H2株式会社

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提供元:そら豆の栄養成分~健康に良い成分を詳しく解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】

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