メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2022.05.19

メンタルヘルスを整える食事ってどんな食事?管理栄養士が科学的根拠に基づき解説!


記事画像

ここ数年、新型コロナウイルス流行の影響もあり、ますます注目されている“メンタルヘルス”。

皆さんは、“メンタルヘルス”という言葉から何を連想しますか?多くの方は心理学・精神医学などの学問や、ヨガや瞑想などマインドフルネスとの関わりを連想するのではないでしょうか。

実は、食事が体の健康のみならず心の健康をも左右することが、近年の研究によりわかってきました。メンタルヘルスを整える食事方法は日本人の食習慣にもあてはまるのでしょうか?管理栄養士が科学的根拠に基づき、解説していきます。

そもそも、メンタルヘルスを食事で整えるってどういうこと?

メンタルヘルスの不調の代表的なものに、うつ病や抑うつ状態などがありますが、それらの発症と栄養状態に関連があることが明らかになってきました。特に多くのエビデンスが蓄積されてきている栄養素をご紹介します [1] 。

DHA・EPA

うつ病や抑うつ状態の人は、魚の油に含まれるオメガ3脂肪酸であるDHA、EPAの摂取量が健康な人に比べて少ないことがわかっています。これらは、特にあじ・さんま・さば等の青魚に豊富に含まれている、食事から必ずとりたい必須脂肪酸の一つです[2, 3] 。

葉酸

うつ病の人では、そうでない人よりも葉酸の血清レベルと食事からの葉酸摂取量が低いことがわかっています。葉酸はビタミンB群の一つで、たんぱく質の合成に使われる栄養素です。緑黄色野菜や納豆、レバーなど、植物性・動物性どちらの食品にも多く含まれています [3, 4] 。

食物繊維

食物繊維の摂取量が少ない人は多い人と比べてうつ病のリスクが上がることが示されています。腸内環境の改善や肥満・生活習慣病の予防に役立つことで知られる栄養素で、精製されていない穀類や野菜、果物、豆類、海藻、きのこなどに豊富に含まれます [3,5] 。

このような栄養素との関連だけでなく、食事パターンとうつ病のリスクとの関連も研究がされています。関連が見出されている食事パターンに“地中海食”があるのですが、どのようなものかご存じでしょうか?

メンタルヘルスに良いといわれる “地中海食”とは?

記事画像

地中海食とは、地中海沿岸の国の人たちが食べている伝統的な料理に基づく食事法のことで、次のような特徴があります。

記事画像

心疾患、脳卒中、アルツハイマー病などの疾病や、早死のリスクを下げるのに役立つというエビデンスが示されており、健康長寿の食事と言われる地中海食ですが、うつ病のリスクも下げることが知られています。

先ほどお伝えした、DHA・EPA、葉酸、食物繊維といったメンタルヘルスと関連のある栄養素を含む食材を豊富にとる点からも、うつ病のリスクを下げる食事パターンであることはうなずけますね [6, 7] 。

日本人の食事とメンタルヘルスの関係とは?

記事画像

では、私たちが日常的に口にしている日本食はどうでしょうか。日本食といってもさまざまなものがあるため、ここでは米・魚・大豆製品・海藻類・野菜・果物・きのこ類といった多種多様な食品を“一汁三菜”のスタイルで提供する食事として定義します。

このような日本食には、魚由来のDHA・EPAを多く摂取することや、飽和脂肪酸を含む肉の摂取量が少ない、野菜や果物を豊富にとる、といった地中海食との共通点も多く見受けられます。しかしながら、地中海食を扱った研究論文はたくさんあるのに対して、残念ながら日本食に関しては研究論文が少なく、日本食とメンタルヘルスの関わりは現状明らかにされていません。

メンタルヘルスを整えるために食事で意識したいことは?

毎日の食事でメンタルヘルスを整えることを意識する場合、まずは食事全体の栄養バランスを整えることが大前提になります。そのうえで、DHA・EPA、葉酸、食物繊維といったメンタルヘルスとの関連が明らかにされている栄養素をしっかりとれるよう意識していきましょう [3, 8] 。

記事画像

今の食事内容を振り返り、取り入れられそうなことから試してみて下さいね。

無理なくできることから取り組んでみよう!

ここまで読んで頂いた通り、メンタルヘルスを整える食事といっても特別な食事法や食品があるわけではありません。さまざまな食品をバランスよく食べるなかで、メンタルヘルスに影響があるとわかっている栄養素を不足することなくとることがポイントとなります。まずは毎日の食事全体を見直し、そのうえで不足していそうな栄養素があれば、食品から補えるよう検討していきましょう。

【参考文献】(すべて2022年4月7日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]T Ljungberg, et al : Evidence of the Importance of Dietary Habits Regarding Depressive Symptoms and Depression. Int J Environ Res Public Health, 2020; 17(5): 1616

[2]RJT Mocking, et al : Meta-analysis and meta-regression of omega-3 polyunsaturated fatty acid supplementation for major depressive disorder. Transl Psychiatry, 2016; 6(3): e756

[3]文部科学省: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[4]A Bender, et al : The association of folate and depression: A meta-analysis. J Psychiatr Res, 2017; 95: 9-18

[5]S Fatahi, et al : Association of dietary fiber and depression symptom: A systematic review and meta-analysis of observational studies. Complement Ther Med. 2021; 56: 102621

[6]C Davis, et al : Definition of the Mediterranean Diet: A Literature Review. Nutrients. 2015; 7(11): 9139–9153

[7]C Lassale, et al : Healthy dietary indices and risk of depressive outcomes: a systematic review and meta-analysis of observational studies. MolPsychiatry. 2019; 24(7): 965–986

[8]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)

【プロフィール】管理栄養士 甲斐かなみ

記事画像

メンタル不調の悩みをお持ちの方に向け、健やかな心と体を育むパーソナル栄養カウンセリング講座『しあわせメンタル食講座Ⓡ』を主宰。自身の精神科病院での勤務経験や、女性ならではのライフステージの変化で感じたメンタル不調の経験から、 薬や病院に頼らずメンタルを安定させたい方へサポートを行う。栄養カウンセリング、コラム執筆、監修、セミナー講師、食育事業等、幅広く活動中。

ホームページ ※外部サイトに遷移します

Instagram ※外部サイトに遷移します

Twitter ※外部サイトに遷移します

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

【合わせて読みたい】

専門家に聞きました! みんなに使ってほしい 専門家のおすすめGoods(第2回)

ダイエット成功への近道!管理栄養士が実践する、健康的に無理なく痩せる食べ方とは?

ストレス太りはなぜ起こる?管理栄養士が解説するストレスと食欲の深い関係

おすすめコンテンツ

関連記事

目からウロコ!冷奴アレンジレシピ

目からウロコ!冷奴アレンジレシピ

今だからこそ知りたい!心がラクになる新しい食事習慣

今だからこそ知りたい!心がラクになる新しい食事習慣

意外と盲点だったかも!?肥満や糖尿病を防ぐ上手なドリンクの選び方

意外と盲点だったかも!?肥満や糖尿病を防ぐ上手なドリンクの選び方

【かんたん時短で大満足♪美味しい健康レシピ】野菜たっぷりヤンニョムチキン

【かんたん時短で大満足♪美味しい健康レシピ】野菜たっぷりヤンニョムチキン

戻る