2022.04.24
牛乳の栄養を徹底解説~メリット・デメリットまで詳しくお伝えします~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
学校給食やスーパーでお馴染みの牛乳。
カルシウムが多く含まれるイメージがあり子供から大人にまで親しまれる食品ではないでしょうか?
そこで今回は、何気なくあなたも飲んでいる牛乳の栄養や効能についてわかりやすく解説していきます。
また、子どもから大人まで楽しめるレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
牛乳の栄養と効能
牛乳は各種の栄養素がバランス良く含まれるため「準完全栄養食品」と言われています。
その中でも代表的な栄養素はたんぱく質、ビタミンB群、カルシウムで、効能は以下の通りです。
牛乳でたんぱく質を手軽に摂取
牛乳はコップ1杯(200ml)で6.6gのたんぱく質を含み、これは完全栄養食品と呼ばれる卵1個分(50g)とほぼ同じです。
たんぱく質は、筋肉や臓器のなど体を構成する主要な成分であり、ホルモンや免疫物質の材料にもなるなど様々な機能を担っています。
つまりたんぱく質は、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素です。
参考までに、牛乳に含まれるたんぱく質の中でも一番多く含まれているカゼインは、免疫系の調節に関わっています。
ビタミンB群が豊富
牛乳には様々なビタミンが含まれますが、特に多く含まれるのはビタミンB2とビタミンB12です。
ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つ役割を持つため、不足すると口内炎や角膜炎などを起こす恐れがあります。
また、ビタミンB12は赤血球の合成に関与しているため、不足すると造血作用がうまく働かなくなり貧血になる可能性があります。
ちなみに牛乳コップ1杯のビタミンB2、B12量は、成人女性が1日に摂りたい量の1/4です。
牛乳の代表的な栄養素と言えばカルシウム
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分ですので、不足状態が長く続くと骨粗しょう症が起こりやすくなります。
さらに、神経興奮の抑制や筋肉の収縮などにも関与している栄養素です。
参考までに牛乳をコップ1杯飲むと、成人女性が1日に摂りたいカルシウム量の1/3を補えます。
低脂肪牛乳の栄養
低脂肪牛乳は、牛から搾ったそのままの乳(生乳)に、脱脂乳などを加えて乳脂肪分を少なくした加工乳です。
そのため、低脂肪牛乳は牛乳に比べて脂肪が少ないことは想像できますが、その他の栄養素についても比較してみました。
上の表から、低脂肪牛乳は牛乳よりカロリーが低く、たんぱく質やカルシウムが多く含まれていることが分かりますね。
よって、低脂肪牛乳はカロリーを抑えつつ、たんぱく質やカルシウムを取りたい方にオススメです。
牛乳を温めることで栄養は変化するのか?
結論から申し上げますと、牛乳を温めても栄養はほとんど変化しません。
ただし、牛乳を温めた際に表面にできる薄い膜を取り除いてしまうと栄養が減ってしまいます。
なぜならこの膜は、牛乳の中の脂肪とたんぱく質が濃縮されて、固まったものだからです。
ちなみに、牛乳を良くかき混ぜながら温めると膜ができにくいですよ。
牛乳を飲むメリットとデメリット
牛乳はカルシウムの供給源として重要な役割を果たします。
なぜなら、牛乳や乳製品はカルシウムが豊富で吸収率も良く、何より手軽に取り入れやすいからです。
カルシウムは意識して摂らないと不足しやすい栄養素ですので、積極的に牛乳を飲むのは良いことです。
しかし、牛乳を飲み過ぎると太る可能性はあります。
例えば牛乳を1日に1リットル飲むと、それだけで600kcal以上摂取することになり、ラーメン1人前より高カロリーです。
したがって、牛乳がカルシウムの供給源として重要とはいえ、他の食事とのバランスも考え1日に200mlなど目安を決めて飲むと良いでしょう。
参考記事:ラーメンの糖質&カロリーは高い?ダイエットや糖質制限中の食べ方を紹介 ※外部サイトに遷移します
牛乳を毎日飲むとどうなるのか
牛乳を毎日飲むことは、私たちが不足しがちなカルシウムを補う点で良いです。
ただし先ほどお伝えしたように、飲み過ぎは肥満の原因になるので注意しましょう。
栄養がない、栄養が吸収できないって本当?
「牛乳に栄養がない」と言われるのは、牛乳の代表的な栄養素であるカルシウムの含有量を100g換算すると、牛乳より多く含む食品がたくさんあるからです。
ただし1食分に換算すると、牛乳は他の食品よりもカルシウム含有量が多いですので、栄養がないとは言えません。さらに牛乳のカルシウムは私たちの体において吸収率が高いです。
また「牛乳の栄養が吸収できない」と噂されるのは、「乳糖不耐症」の方が多いからだと予想されますが、栄養が吸収できないとは限りません。
なお乳糖不耐症の方は、牛乳に含まれる乳糖を消化する酵素が少ないために、牛乳を飲むと下痢をします。ただ一度に大量に飲まないようにしたり、牛乳を温めて少しずつ飲めば大丈夫なケースも見受けられます。
万が一どうしても体に合わない場合は、無理して飲まない、もしくは乳糖を分解した牛乳も市販されていますのでお試しください。
大人が牛乳を飲むメリットとは
大人が牛乳を飲むと「骨粗しょう症の予防」や「生活習慣病の予防」が期待できます。
骨量は20歳頃にピークとなりその後は徐々に減少するので、骨粗しょう症予防のためには骨の主成分であるカルシウムの摂取が必要です。
またカルシウムの摂取量が少ないと、高血圧や脳卒中の発症が増加するとの報告もあります。つまり、カルシウムが豊富で吸収率も良く、手軽に取り入れやすい牛乳の摂取は大人にもおすすめです。
効能を活かした牛乳レシピをご紹介
牛乳の代表的な栄養素「カルシウム」は「ビタミンD」と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
そこで今回はビタミンDが豊富な鮭ときのこを使ったミルク煮をご紹介します。
ご飯にかけてチーズをのせて焼けばドリアに、にんにくを加えてパスタに和えればクリームパスタにとアレンジしやすいですよ。
【鮭ときのこのミルク煮】
【作り方】
(1)鮭は骨を取り食べやすい大きさに切る。玉ねぎは薄切りにし、しめじは石づきを取り小房に分ける。
(2)フライパンでバターを溶かし、鮭を両面焼き、端に寄せる。
(3)(2)のフライパンで玉ねぎとしめじを炒め、しんなりしたら小麦粉を加えて全体を混ぜる。
(4)(3)に牛乳とオレガノ、コンソメ顆粒を入れてとろみがつくまで煮込み、塩胡椒で味を調えたら完成。
まとめ
以上、牛乳の栄養と効能について解説しました。
牛乳はたんぱく質やビタミンB2、B12、カルシウムが豊富で、温めても栄養はほとんど変化しないことが分かりましたね。
また牛乳は、私たちに不足しやすい栄養素であるカルシウムの供給源として重要な役割を果たしています。
さらに大人が牛乳を飲むと「骨粗しょう症の予防」や「生活習慣病の予防」が期待できるため積極的に摂りたい食品です。
しかし飲み過ぎは肥満の原因になるので、他の食事とのバランスも考え1日に200mlなど目安を決めて飲むと良いでしょう。
ご紹介しました、ミルク煮のレシピもぜひお試しください。
それでは当記事が参考となり、日々の生活に牛乳を取り入れていただけたら嬉しいです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット ビタミンB2の働きと1日の摂取量
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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