2021.08.04
「雑談上手な人」にすぐなれる簡単な「2つの心得」|コロナ禍で「人との会話」に悩む人が増えている
直接のコミュニケーションが減る昨今、軽やかに対話を運ぶための「雑談力を高めるコツ」を紹介します(写真:IYO/PIXTA)
こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。
コロナ禍で直接のコミュニケーションが取りづらくなり、またコミュニケーションツールも多岐にわたっている昨今、人との会話に悩む方が増えています。
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いざ話す機会ができたとき、用件がとくにない場合に「何を話したらよいのか」迷ってしまうという声が多いのです。こちらから話しかけたい気持ちはあるのだけれど、話題に困るといいます。何気ない会話だからこそ、軽やかに対話を運ぶための、いわゆる雑談力を高めるためのコツをお伝えしたいと思います。
「消えもの」の話題をする
贈り物をする際に、相手に負担をかけにくいものとして「消えもの」があります。食べたらなくなるお菓子や飲んだらなくなる飲み物、枯れたら処分するお花、使えばなくなる石鹸、といった具合に、後に残らないものを指します。とくに相手の趣味、嗜好がわからない場合は、残るものはかえって迷惑となることも多いため、消えものギフトを選ぶことも多いでしょう。消えものは、相手に対する配慮でもあるわけです。
ちょっとした会話も相手へのギフトと考え、話題に困ったら、まずは消えものの話題を選びましょう。話題になっているスイーツや、使ってよかった化粧品、家庭菜園で育てている野菜のことなど、自分の身の回りの出来事をチョイスするのが無難です。ただ、見聞きしただけのことを話題にしてしまうと、会話が続きませんから、自分の体験談を選ぶとよいですね。
次に、せっかく話題を振っても、会話が続かないというお悩みもよく聞くところです。「○○って知ってますか?」など「はい」か「いいえ」で答えるしかない、クローズドクエスチョンを使いすぎている場合にも起こるのですが、実は、相手の答えにきちんと応答していないことも原因です。
質問したら、相手の答えを受け止めるまでが、一連の流れです。
本来、メールなどの確認文書も、発信者(1)→受信者(2)→発信者(3)→受信者で完結します。
発(1)「○○の件、お願いできますか?」
受(2)「はい。できます」
発(3)「ありがとうございます。お願いします」
としたいところですが、日常的なやりとりでは、ひとつ前の受信者②で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。それでは相互理解とは呼べません。こちらから発信したら、受け止めて返すまでが最低でも必要です。うなずくだけではなく、それに対しての反応を返すことが大切です。例えば、
A「この前、久しぶりに料理したんです。○○さんも料理されますか?」
B「ええ、休みの日はよくしますよ」
A「そうですか。私がこの前作った焼きそば、家族に好評で、たまにはいいなと思いましたよ」
このパターンは、非常に多いと思います。質問しておいて、自分の話を続けるのは、相手は基本的にいい気持ちはしません。この場合、「よくなさるんですね。何を作られるのですか?」と、もう一度相手に返すことが大切です。そうすると、「市販のルーを使わないカレーとかが得意です」と言った具合に、相手が話を始めてくれて、カレーの話題で盛り上がるかもしれません。会話は、最低一往復半を意識してください。
また、キャッチボールが大切です。まずは、相手の応答をしっかり受け止めてから、次の話題を振るようにしましょう。くれぐれも打ち返すラリーにならないように心がけたいですね。
「聞き手」に回る
そもそも、雑談をするのが得意でなければ、話のきっかけ作りさえできればよく、後は相手に主導権を持ってもらうのが楽です。そのためには聞き手に回りましょう。しかし、相手が話してくれなかったら? という心配があるかもしれません。前段で述べたように、相手の応答をしっかりと受け止めれば、基本的には会話は続きます。会話が続かないと思う方は、相手の答えに対して、具体的に言葉で応答しているかを振り返ってみてください。
20年以上、人の話を聞く仕事をしていますが、例えば「何も話すことはない」と嫌々カウンセリングルームを訪れた方でも、今まで話をされなったケースは1つもありません。「おそらく何も話さないと思いますが、よろしく」と上司から引継ぎを受けるような案件でさえ、実際には饒舌に話されることも珍しくありません。日常会話でも、普段、寡黙と思われている人が、話し出すと止まらないということも多々あります。
用件のみの会話ではなく、プラスαの雑談ができることで、気持ちのゆとりが生まれたり、新しい着眼点が生まれます。
会話の内容にこだわらず、心地よいやり取りをすることを目的として、自分を大きく見せたり、よく見せようとせずに、自然体で関われるとよいですね。
ただ、どんな内容であっても、プライバシーに踏み込みすぎず、相手に配慮するマナーも大切です。なれなれしいことがよいことでは決してありませんので、適度な距離感を保ちましょう。
雑談に対しての抵抗がなくなれば、相手の思わぬ背景を聞くことができたり、意気投合できる共通の話題が見つかるかもしれません。
豊かな関係性を築く一助となれば幸いです。
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提供元:「雑談上手な人」にすぐなれる簡単な「2つの心得」|東洋経済オンライン