メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2021.07.12

「コミュ力お化け」小池氏の「最強コミュ術」大解剖|都議選でも発揮した「小池劇場」の「妖力」とは?


小池東京都知事の最強のコミュ力の秘密について解説します(写真:Fiers/iStock)

小池東京都知事の最強のコミュ力の秘密について解説します(写真:Fiers/iStock)

日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。

たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。

その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。

コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「小池東京都知事の最強のコミュ力の秘密」について解説する。

『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

駅のロータリーを「緑旋風」に包み込んだ小池氏の演説

注目の都議選は、ふたを開ければ、自民党が苦戦し、惨敗が予想された「都民ファーストの会」が「想定外の善戦」という形で幕を閉じました。

この背景には、新型コロナやオリンピックへの対応から、「反自民」の機運が高まっているということもあるかもしれませんが、見逃せないのが、やはり、「小池劇場」の興行主にして主役の小池百合子東京都知事の「舌を巻く戦法」でしょう。

記事画像

『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

私は長年、「エクゼクティブの話し方の家庭教師」として、リーダーの話し方の研究やコーチングをしてきましたが、優れたコミュ力を持ったリーダーは、「場の空気をその人色に染める妖力」があります。

例えば、ソフトバンクの孫正義さん、日本電産の永守重信さん、トヨタ自動車の豊田章男さんなど。登場した瞬間から、場を支配する「圧」や「気」「オーラ」を発しています。

2017年の都知事選での小池氏の演説にも、それに似た「空気感」を感じました。選挙の当落は「候補者の演説風景」を見れば、その結果は大方予想できるものです。小池氏の場合、明らかに「場の熱狂度」が違いました。緑のたすきをつけた女性支持者たちの熱視線を一身に受け、駅のロータリーを「緑旋風」に包み込んでいました。

今回は、さらにパワーアップする「コミュ力モンスター」小池氏の「天才的コミュ術」の中から「3つの作戦」にスポットを当て、その威力の源泉に迫ってみましょう。

小池知事の支持率は「57~59%」と高く、30%台後半の菅首相に比べて高い水準を保っています。

「風向き」を読み、何かあれば「国の責任」にし、攻撃の矛先から逃れる身のこなしも見事なものですが、彼女の「コミュ力」はこのコロナ禍だからこそ、さらにその強みを発揮しやすいのかもしれません。

「危機の特殊性」が「女性リーダーの台頭」に結びついた

【1】人々の不安に寄り添う「お手紙大作戦」

コロナ禍で、各国の指導者たちはそれぞれに尽力したわけですが、その中で、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、台湾の蔡英文総統、ドイツのアンゲラ・メルケル首相のほか、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、デンマークなどで多くの「女性リーダーたち」が大きく株を上げました。

「女性のほうが男性より『リスクに敏感な傾向』にある」と言われており、このコロナ問題についても、女性リーダーのほうが、より慎重にリスクをとらえ、断固たる処置を一刻も早くとるという姿勢をとってきたところが高く評価されたのです。

一方、男性リーダーの中には、「『男らしさ』とはウイルスという敵を恐れず、戦い抜くこと」で、「マスクをしない」「外出しない」という選択肢は負けを認めること、ととらえるマッチョな人もいました。

コロナという「危機の特殊性」が、「女性リーダーの台頭」に結びついたところもあります。「ウイルス」という見えない敵と戦うのに、こぶしを振り上げ、(仮想)敵国をたたくようなレトリックは使えません。敵は「見えないウイルス」であると同時に、人々に襲いかかる「恐怖」「不安」「孤独感」です。そこに、女性の「共感力」が大いに力を発揮するのです。

人の痛みを感じる想像力、寄り添い、勇気づけ、たたえ、励ます「共感力」。数々の研究から、「女性のほうが、人の感情を読み取る、感情を表現する力が高い」という結果が出ていますが、「人の気持ちを察し、悲しみや不安に寄り添う」といった言動にためらいがない、「女性のリーダーシップ」に安心感を覚える人は少なくないわけです。

小池氏もそうした「気配り」を随所に見せてきました。そのひとつが「手紙作戦」です。「ホテルで療養するコロナの軽症患者への手紙」「都の職員向けの手紙」などです。たいしたことがないと思われるかもしれない、こうした行動が案外、不安な人の心には刺さるものなのです。

ヒカキンやフワちゃんなどとのコラボも難なくこなし、TwitterやYouTubeなどを通じ、頻繁に情報発信を続ける。「たまに会見をやって、原稿を読み上げる程度の情報発信しかない」菅首相と比べると、大阪の吉村知事や小池氏などの「情報の物量作戦」は、「お茶の間の顔」としての安心感を植え付けるという意味においては大きな効果を見せています。

「ざっくばらんさ」「さりげなさ」で「庶民性」をアピール

【2】「近所のおばちゃん」作戦

堅苦しく、四角四面の首相や大臣の話し方に比べると、その語り口はソフトで、時折、「隣のおばちゃん」的な話し方をすることがあります。等身大の姿を見せ、親近感を醸成する。これこそが、巧妙な戦略なのです。

例えば、ある日マスクを外して会見をしたとき、「ひょっとして、関係ないけど、私、口紅忘れてる?」と突然報道陣に問いかけました。

会場はどっと笑いに包まれたわけですが、その後も「え、忘れてる。そうですか。いやいや、まあ、じゃあ、いやーすみません」と続けました。さらに、「もうこのところ、全然(口紅を)しないんですよね。関係ないですけどね。はい。化粧品も売れないとかって聞きましたけど」と笑顔で話したのです。

かしこまって「ございます」「と思います」ばかりを続けるような政治家には、なかなか親近感を覚えにくいわけですが、このざっくばらんでさりげない「おばちゃんスタイル」の話し方は、あっという間に「人との距離」を縮めてくれます。

かわいらしい手作りマスクをはめ、のちに「ご近所の方から、いただいた手作りのもの」と明かすなど、「庶民性」を徹底的にアピールする辺りも、実にあざとい。

2016年にイギリスの研究者が発表した論文によると、政治への不信感が強い近年、政治家は、堅苦しく冷たい印象の「プロの政治家」というイメージを払拭し、まるで芸能人のように「Just like us(私たちと同じ)」という庶民的なイメージ醸成する方向にシフトしているそうです。

今の時代には、「親しみやすさ」と「人気」は極めて強い「相関関係」があるということなのです。

このように、おばちゃん性もしっかりアピールしながらも、「どこかでバタッと倒れているかもしれないが、それも本望」などと侠気のある発言をもらす。スタンフォード大学の研究では、最も成功する女性リーダーは男性的な特質と女性的な特質をバランスよく持ち合わせた「カメレオン型」なのだそうです。まさに「カメレオン」を地で行く百戦錬磨ぶりには驚嘆せざるにはいられません。

論文 ※外部サイトに遷移します

私が思う小池氏の「最大のすごみ」は、「絶対に怒りの表情」を見せないことです。

【3】「私、絶対怒りません」戦略

「『怒りながら叫ぶ女』はどうして嫌われるのか」という記事の中でも詳述したように、残念ながら、「怒る男性」は許されても、「怒る女性」は非常に嫌われやすいものです。

アメリカのヒラリー・クリントン元国務長官や立憲民主党の蓮舫氏がたたかれやすいのは、「怒気」を顔いっぱいに表現するコミュニケーションスタイルを本能的に受け付けない人が多いからです。

そういった意味で、「感情」が顔に出やすい女性はリーダーとして非常に不利なわけですが、小池氏のすごいのは、「怒り」を絶対に表情に出さないところ。

記者から、あからさまに攻撃や不快なことを言われても、ぐっとこらえて、「どういう意味でしょう」と、にこやかに返すところは、ある種「鬼気迫るもの」があり、それはそれで怖いのですが、その抑制ぶりは実に見事です。

『怒りながら叫ぶ女』はどうして嫌われるのか ※外部サイトに遷移します

小池氏の「コミュ力お化けぶり」はまだまだ衰えない

「小池都知事圧勝の理由は『敵失』だけではない」(卓越した言葉のセンス)、「小池百合子の『凄み』はストーリーを語る力だ」(ストーリーを語る力)、「小池都知事、『安全だが安心ではない』の欺瞞」(人の感情に訴えかける力)、「都知事選『小池圧勝』は"対話力"で説明が付く」(対話力)など、私はこれまでさまざまな角度からそのずば抜けたコミュ力を分析してきましたが、小池氏は、まだまだ衰えを知らないようです。

「お手紙」「おばちゃん」「怒らない」。この「3つの作戦」は、彼女の「コミュ力お化けぶり」を象徴するものと言えるかもしれません。

その「臆面のなさ」「ずるがしこさ」を「劇場型」と批判する人は多いわけですが、密室の「おっさん政治」に嫌気がさした人たちの期待を吸い上げているのは間違いありません。

「『おっさん』と『おばさん』の戦い」か、あるいは「共闘」か。その「権謀術数」から、しばらく目を離せそうもありません。

「小池都知事圧勝の理由は『敵失』だけではない」 ※外部サイトに遷移します

「小池百合子の『凄み』はストーリーを語る力だ」 ※外部サイトに遷移します

「小池都知事、『安全だが安心ではない』の欺瞞」 ※外部サイトに遷移します

「都知事選『小池圧勝』は"対話力"で説明が付く」 ※外部サイトに遷移します

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「1ミリも心が動かない」三流プレゼン、8大NG台詞

頭の良さより「好感度」で人生が決まる納得理由

日本人が苦手な「叱り方」、一気に上達する5秘訣

提供元:「コミュ力お化け」小池氏の「最強コミュ術」大解剖|東洋経済オンライン

おすすめコンテンツ

関連記事

中高年男性が「健康」より将来不安を感じている事|再雇用で満足できる人とできない人の決定差

中高年男性が「健康」より将来不安を感じている事|再雇用で満足できる人とできない人の決定差

仕事も人間関係も「話す」より「聞く」でうまくいく|ちょっとした心がけで「人生の損」は少なくなる

仕事も人間関係も「話す」より「聞く」でうまくいく|ちょっとした心がけで「人生の損」は少なくなる

ToDoリスト管理が抜群にうまくいく「4ステップ」|手帳を使うのがミソ、メールはメーラーで管理

ToDoリスト管理が抜群にうまくいく「4ステップ」|手帳を使うのがミソ、メールはメーラーで管理

昔話や自慢話をしても嫌われない「50代トーク術」|どんな状況でも長々話すのはできるだけ控える

昔話や自慢話をしても嫌われない「50代トーク術」|どんな状況でも長々話すのはできるだけ控える

戻る