2021.04.19
お菓子の食べ過ぎは「栄養素不足のサイン」かも?管理栄養士が教える「正しいお菓子の楽しみ方」
健康や体重を意識した際に、「お菓子を我慢できれば良いとわかってはいても、実際は難しい…!」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?おうち時間が増えたことや、在宅勤務といった環境の変化から「お菓子を食べ始めたら止まらない…!」「ちょこちょこ食べてしまう…!」といったお悩みの相談も増えています。
お菓子を楽しむ時間が、心を満たす手段の一つであることは悪いことではありません。しかし、量が多くなり過ぎてしまうと、食べ過ぎた自分に落ち込み、ストレスになってしまったり、体や心の健康、体重管理に悪影響を与えたりと、悪循環になってしまうことも…。
そこで今回は、ただ我慢するのではなく、お菓子との上手な付き合い方を考えていくうえで、見落としがちな大切な2つのポイントについて解説していきます。
(1)原因は食事内容かもしれない!?栄養不足の食事になっていませんか?
「お菓子を食べ過ぎちゃう…!」と気づいた際は、一度自身の食事内容を振り返ってみてください。なぜなら、食事からとるべき必要な栄養素が不足していることでお菓子の食べ過ぎに繋がってしまうことがあるからです。
例えば、朝食はパンとコーヒー、昼食はパスタといったような、食品数の少ない食事内容で済ませてはいませんか?肉や魚、卵、大豆製品、乳製品、野菜、海藻類、きのこ類などが足りていない状態が続いてしまうと、体に必要な栄養素が不足している状態になっている可能性が高いと考えられます。
実際にお菓子を食べる量が多い人は、カルシウムや鉄を適切にとれていないなどの問題が明らかになっています。その状態を放っておくと、栄養素の不足からイライラやストレス、疲労感が強まってしまい、ストレスを対処する行動としてまたお菓子を食べ過ぎてしまうといった悪循環になりかねません。
また、満腹感や満足感の不足、腹持ちの悪さが、お菓子に手が伸びてしまうきっかけにも繋がっていきます。摂取カロリーは足りていても栄養素が不足している状態になっていないか、食事内容を振り返り、確認してみましょう[1, 2]。
(2)食事とお菓子のバランス逆転に注意!
お菓子を食べたいから、もしくはうっかり食べすぎてしまったからと言って、その分のカロリーを食事で減らして帳尻合わせをする、なんてことはしていませんか?もし当てはまる場合、その状態を続けるのはあまり好ましくありません。なぜなら、食事量を減らしてしまうと、お菓子にはあまり含まれていない、体に必要な栄養素が不足してしまうことあるからです。例えば、食べたものを体内でエネルギーとして燃やすために必要な栄養素であるビタミンの不足が考えられます。
ケーキやクッキーなどの洋菓子、チョコレート、スナック菓子といった食品は、糖質と脂質が多く、高カロリーのものが多い傾向があります。このようなお菓子をたくさん食べた場合、とりすぎてしまった糖質や脂質を代謝するために必要なビタミンの量も増えてしまいます。さらに、お菓子を多く食べた分食事を減らしてしまうことで、ビタミンの摂取量も少なくなってしまうと、うまく燃やせずに余ってしまったエネルギーが体に蓄積し脂肪と化してしまいます。
このようなことを防ぐためにも、1日3食の食事を規則正しくとり、あくまでも間食としてお菓子を楽しむスタンスを大切にしていきましょう。一般的には1日200kcal程度の間食が適量だと言われています。シュークリームやエクレアなら1個、クッキーなら4枚、ポテトチップスなら小袋で1袋ほどが200kcalの目安になります。お菓子を買う際や取り分ける際は、栄養成分表示もチェックしてみましょう[3, 4]。
お菓子はあくまで間食!心の栄養として楽しもう♪
お菓子をつい食べ過ぎてしまうということは、食事からの栄養素が不足しているといった体からのサインかもしれません。そんな時には、ぜひ普段の食事内容を振り返るきっかけにしてみてください。
食べるものが偏っていたなという方は、食品の種類を増やしてあげることで自然と栄養素のバランスが良くなっていきますので意識してみましょう。そして、1日3食の食事をしっかりととり、体に必要な栄養素をとったうえで、心を満たす間食としてお菓子を楽しんでみてください。そのことが、体も心も満たされることに繋がり、ついお菓子を食べ過ぎてしまうという行動も自然とおさまるはずです。
【参考文献】(すべて2021年3月21日閲覧)
[1]宮川淳美, ほか:食事バランスガイド「菓子・嗜好飲料類摂取目安(200kcal/日)」の妥当性に関する検討, 厚生の指標. 2019; 66(4); 1-7 ※外部サイトに遷移します
[2]小林実夏, ほか:菓子の摂取比率区分にみた栄養状態の評価, 栄養学雑誌, 2013; 71(6): 341-349 ※外部サイトに遷移します
[3]厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版) |水溶性ビタミン ※外部サイトに遷移します
[4]厚生労働省|e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー) ※外部サイトに遷移します
【プロフィール】管理栄養士 竹松結香
“美味しく食べてキレイも妊娠力も上げていく”をモットーに、マンツーマンの完全オンラインで女性のダイエットや妊活を食事からサポートする『授かりダイエット講座』を主宰。結婚や妊活が30代になることが増えている現代だからこそ、食で女性のライフスタイルの可能性を広げる活動を行う。
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記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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