2021.04.05
職場の人気者になる「簡単ルール」は、たった1つ|好感度が上がる!「人間磁石」になる方法は?
新しい出会いも増える季節。好感度を爆上げする秘訣とは?(写真:twinsterphoto/PIXTA)
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「あっという間に人気者になる方法」について解説する。
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新しい出会いの多い季節でも「憂鬱」になる人が多い
入学式・入社式を終え、晴れて学生・新社会人になった方々、おめでとうございます! また、転勤や転属で新しい土地や部署で新年度を迎える方もいらっしゃることでしょう。
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一から人間関係を構築していくことになるわけですが、コロナ禍でリモートが続き、対面でのコミュニケーションがおぼつかないという人もいるかもしれません。
高名な心理学者アルフレッド・アドラーが「人間のすべての悩みは対人関係の悩みである」と言ったとされていますが、職場や学校での悩みのナンバー1は、まさにこの「人間関係」です。
ある調査では、97%の人が新しい職場に不安を覚え、その原因のダントツ1位が「職場の人間関係・雰囲気」でした。別の調査では、大企業勤務の人の5割以上が「職場の人間関係」にストレスを抱えているという結果が明らかになりました。
今ではこうやって、人さまに話し方を教えるような身分となった私ですが、昔から「コンプレックスの塊」で、とくに出会いの多いこの季節は憂鬱でした。
中高時代は親友といえる人がいなかったので、毎年、新しいクラスで「友達はできるかな」と不安でしたし、桜舞う中での大学の入学式では、サークル勧誘の男子たちが、かわいい女子の周りにはまるでガのように群がる姿に、劣等感を募らせていたものでした。
コンプレックスが「コミュ力研究家の原点」になった
今思えば、私の学生時代は「顔面偏差値=人生の偏差値そのもの」といった若者の残酷な身分制度の最下層であえぎ、苦しんだ思い出ばかりです。
ただ、そのコンプレックスをバネに、「ブスでも人に愛される方法はないものだろうか」と必死に考え始めたところが、今の「コミュ力研究家の原点」になっているのですから、人生捨てたものではありません。
不細工でも人を惹きつける方法として、「料理」「気遣い」「話し方」など、人を喜ばせるさまざまなスキルを考えていきました。
私が美人であれば、そんなことを気にする必要などなかったかもしれないのですから、まさに「ケガの功名」です。周りの人たちをひたすら観察するなかで気づいたことがありました。
「容姿」はモテや人気の大きな要因ですが、人を惹きつける人には、それだけではない「Xファクター」があるということです。
エール大学の臨床心理教授だったミッチ・プリンスタインによれば、人気には「2つのタイプがある」のだそうです。1つめは「ステイタス(社会的地位)型」、2つめは「好感度型」です。
「ステイタス型」は、たとえば、地位や財産や容姿、持ち物といったもので測られ、「好感度型」は人から好かれる度合いということです。
幼少期は「好感度型」の人が人気を集め、性ホルモンの分泌が盛んになる思春期には「ステイタス型」へと移行するのだそうですが、確かにその頃から、容姿やお金への執着が強まるような気がしますよね。
プリンスタイン氏は、ソーシャルメディアの普及などにより、多くの大人までが、まるで高校生のように「上っ面のステイタスにこだわるようになってきているのではないか」と指摘しています。
しかし、「好感度型」の人気を集める人は、人生において、より多くの「つながり」を得て「成功」「幸福」を達成しやすい一方で、実は「ステイタス型」の人気は「虚栄」「攻撃性」「依存」「嫌悪」「絶望」「孤独」に結びつきやすいのだそうです。
つまり、「ステイタスで得られる人気」よりも、「好感度で得られる人気」のほうが「人を幸せにする」ということです。
容姿や財力などとは異なる、人気の決め手となる「Xファクター」とは、まさにこの、人を「磁石」のように引き寄せる「好感度」ということなのでしょう。
この「好感度」を爆上げする、とてつもなく「シンプルな方法」があります。それは、相手から「好かれよう」と無理な努力をするのではなく、自分から相手を「好きになる」ことです。
好意を示すことだけで相手は「味方と認識」してくれる
こんなふうに考えている人はいないでしょうか。
「自分は不細工だし、たいした才能もない、私なんかとは誰も話したくないに違いない」
↓
「私なんかが好意を示しても嫌がられるに決まっている」
↓
「なるべく、相手への関心や興味は見せないでおこう」
こうして人を遠ざけてしまっている人は少なくありません。しかし、それは実はとてももったいない思考です。その理由は2つあります。
【理由1】自分が思うほど「まわりは嫌っていない」
1つめは、「人はあなたが思うほど、あなたのことを嫌っていない」のです。人は相手の好意を過小評価しがちで、英語ではこれを「liking gap」と呼びます。
「相手は自分に好意を持っているのに、自分としては、そこまで好意を持たれているとは思えない」と思う人も少なくありません。
でも、相手は自分が思い込むほど、自分のことを嫌っていないし、むしろ、自分が想像するより、もっと自分のことに「好感を持ってくれている」ということも実際には多いものなのです。
【理由2】自分を好きになってくれる人ほど「好きになりやすい」
もうひとつの理由は、「人は自分を好きになってくれる人ほど、好きになりやすい」ということです。
自分のことを嫌いな人と話すのは緊張するし、いい気分もしませんが、自分のことを好きでいてくれる人と一緒のときは話しやすいし、あまり緊張を感じないという経験はありますよね。
人は「自分のことを好きになってくれる人」に対しては、「愛着」や「親しみ」を感じやすいものです。人間は相手が自分の敵か味方かをつねに判断する傾向がありますが、「自分に好意を示してくれる相手」は味方だと認識して、好意を感じやすくなります。
つまり、「自分のことを好きになってくれる人」に対しては、本能的にいい印象を抱いてしまうものなのです。これを心理学的には「好意の返報性」(Reciprocal liking)と呼びます。
だから、あなたが相手に好意を抱き、接するだけで、相手は緊張をほどき、いい気分になるし、あなたに対して好感を持ちやすくなるというわけです。
「あなたのことなんか嫌い」「あなたのことなんかに関心ない」オーラを「あなたのことに関心がある」「あなたの話を聞いてみたい」オーラに変えてみてください。きっと、あっという間に人気者になれるはずです。
「自分を見せる」より「相手に興味を持つ」
いやいや、「それはキモイと思われるに決まっている」と思う人もいるかもしれません。もちろん、特定のたった1人の女性や男性に「好き好き光線」を浴びせかければ、それは確かに怖いです。
ここで大事なコツであり簡単なルールは、「老若男女、誰に対しても分け隔てなく、興味を持ち、話を聞こうとすること」です。
“You can make more friends in two months by becoming interested in other people than you can in two years by trying to get other people interested in you.”
「2年間かけて、あなたが、誰かに興味を持ってもらおうとするより、あなたが2カ月間、誰かに興味を持つことのほうが、もっと大勢の友達を作ることができる」
コミュニケーション術の大家デール・カーネギーのこの言葉は、まさに「コミュニケーションの1丁目1番地の絶対ルール」です。
あなたは知らず知らずのうちに、「自分をよく見せる」ことだけに執着し、相手への興味を失っていませんか。
「自分を面白い(I am interesting)人間に見せたい」と一生懸命、自己アピールをするよりも、「相手に興味を持つ(I am interested)」ほうが、よっぽど相手には好かれるものです。
「私って面白いでしょ」「僕ってすごいでしょ」と滔々(とうとう)と話されるより、一生懸命に話を聞いてくれ「君って面白いね」「君ってすごいね」と言われるほうが100倍うれしいものですよね。
「老若男女、誰に対しても分け隔てなく、相手を好きになり、興味を持つ。その気持ちを表情やジェスチャーに込めて、相手の話を真摯に聞く」。本当にこのたった1つの簡単ルールだけで、人間関係はぐんとラクになるはずです。ぜひ、試してみてください。
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提供元:職場の人気者になる「簡単ルール」は、たった1つ|東洋経済オンライン