2021.02.04
週休3日なのに年収を3倍にした男性の「時短術」|短い時間で「成果を出し続ける秘訣」とは
「週休3日」の会社の社長が考える短い時間で成果をあげる秘訣とは(写真:JIRI/PIXTA)
2度のうつ病を患った経験から働き方を根本的に見直し、「全社員週休3日」というベンチャー企業のクロスリバーを立ち上げた越川慎司氏。最新刊『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』では、「週休3日(週30時間労働)」で年収をマイクロソフト役員時代の3倍以上にできた秘密を開示している。本稿ではそんな越川氏が考える短い時間で成果をあげる秘訣を紹介する。
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時間に追われ慢性的な睡眠不足に
私は人生で二度うつ病を発症しました。二度とも仕事が楽しくて仕方なくて、昼夜問わず働いていたことが原因でした。時間に追われて仕事をしていたら、慢性的な睡眠不足になっていたのです。うつ病発症後に仕事から離れて1日7時間以上の睡眠を続けたことで、幸運にも健康を取り戻しました。
人生100年時代と言われ、70代までは働かなくてはいけないと思ったときに、「時間に追われる働き方」から脱却しようと決めました。そして2017年に、短時間で爆発的な生産性を生み出す「週休3日のベンチャー企業」を立ち上げることにしたのです。
クライアント企業の働き方改革を支援するために、われわれクロスリバー自身が新たな働き方を実践して、その学びを伝えていこうと思いました。われわれが目の下にくまを作って客先に訪問していたら、まったく説得力がありませんから。
「働き方改革」と聞くと、単に労働時間を短くすればいいと思う人も多いでしょう。残業削減だけをやっている企業もありますが、その88%がうまくいっていません。残業削減だけをやると、会社の売り上げも社員のモチベーションも落ちます。
極端な例ではありますが、数億円規模のビジネスが決まるかもしれないプレゼン前日に、「早く帰ってください!」と強制的に仕事を終えさせるのは適切ではないでしょう。きっと職場近くのスタバや自宅で“隠れ残業”をするだけです。
短い時間で成果を出し続ける秘訣は、「時間を削る」のではなく「時間を生み出す」という感覚に変えることです。その際に無駄な作業を減らすだけで終わらせてはいけません。いまの仕事の中から時間を生み出して、未来に必要な時間に充てるのです。
ただ単に「早く帰れ!」「もう仕事を終えろ!」と言われても、残業代も出るし家に帰ってもやることがないので、たいていの人はだらだら仕事を続けます。
一方、先に自分のしたいこと(Will)があり、自分ができること(Can)を確認すれば、そのWillとCanのギャップが行動の動機づけになります。健康診断の前にダイエットしたり、資格試験の前に勉強をしたりするのは、WillとCanのギャップによる動機づけです。
「やめることを決めること」の重要性
やりたい(Will)のだけど、できない(Can‘t)と感じ、そのCan'tからCanへ変化したいと欲する気持ちが内発的動機づけ、つまり「やる気スイッチ」です。自分で決めたことであれば、強い動機づけとなり行動を起こします。先にWillがあって、Can'tを自覚すると行動を起こすのです。
こうして「自分ごと化」できれば、時短はうまくいきます。他人にやらされて時短するのではなく、自分で決めてやるからです。「自分ごと化」による内発的動機づけが無駄なことをやめる原動力になります。
これまで700社以上のクライアント企業の働き方改革に関わってきて、最も効果があった施策は何か? それはAIを導入することでもテレワークを導入することでもなく、「やめることを決めること」でした。
市場の変化に合わせて、次々と新サービスを投入し、提供エリアや提供方法も変えていき顧客を増やしていく。毎年、いや毎月何かしらの新たなタスクがふってきます。それなのに、労働時間の上限は決められている。そうなると、いままでやっていたことをやめていかないと時間が足りません。
多くの企業が既存のタスクを効率化しようと、ITツールやコンサルティングを導入します。それも間違いではありません。ITやコンサルにすがりたい気持ちもよくわかります。
しかし、10時間かかっていたタスクを7時間に圧縮するよりも、成果につながらない10時間のタスクをやめるほうが効果が出ます。この無駄な業務、そしてそれに費やす時間を見つけ出すためにITツールを使ってください。業務改善では、成果と稼働時間の見える化をしてから、どの業務をやめるかを決めてください。
コーヒーを飲みながら振り返るだけで…
かくいう私も、最初の起業で失敗しました。起業当初、仕事があればなんでもやろう、と考えていました。そうやってなんでもかんでも仕事を受けていたら十二指腸潰瘍を患わずらってしまったのです。以前にうつ病になっていたにもかかわらず、やめることを決める勇気を持てず身体を壊してしまいました。
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それを機に取り入れたのが、リフレクション(内省)です。当時、オーストラリア人の元上司にメンターをしてもらっており、彼から教えてもらったアドバイスです。マインドフルネス瞑想に近いもので、心を落ち着かせて過去1週間の予定表を眺めるのです。コーヒーを飲みながらリラックスして、予定表を見るだけです。
しかし、その振り返りによって、成果につながらなかった無駄なタスクが自然と見えてくるようになったのです。凝って作ったパワポ提案書より1枚の説明資料のほうが相手を説得することができたり、報告書の提出をメールで何度も催促するよりチャットで話しかけたほうがすぐに返答が来たり……。
1週間にたった15分だけ仕事を振り返るだけで気づきがあり、「やめる勇気」を持つことができるようになったのです。
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提供元:週休3日なのに年収を3倍にした男性の「時短術」|東洋経済オンライン