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2021.01.22

「空腹20分運動」で健康な体になれると考える訳|オートファジー効果で筋肉量キープする運動法


家で過ごす時間が増え運動量が減ると体にどんな影響が出るのでしょうか? 筋肉量を維持しながらカンタンにできる運動法を紹介(写真:Pangaea/PIXTA)

家で過ごす時間が増え運動量が減ると体にどんな影響が出るのでしょうか? 筋肉量を維持しながらカンタンにできる運動法を紹介(写真:Pangaea/PIXTA)

緊急事態宣言が行われ、外出を自粛する中で運動不足になっている人々も多いことでしょう。弱った体を修復する運動法について、糖尿病医の青木厚氏による『がんを克服した糖尿病医が考案! 弱った体を修復する内臓リセット健康法』より一部抜粋・再構成してお届けします。

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コロナ禍で筋肉量の低下は深刻な問題に

最近、医師として私が非常に心配しているのが、コロナ禍に伴う患者さんたちの運動量や筋肉量・筋力、そして免疫力の低下です。ところが、外出自粛やテレワークへの切り替えにより、家で過ごす時間が増えると、通勤、買い物に伴う「日々の生活の中での運動」すらしなくなります。

実際、筑波大学大学院の研究グループは、「テレワークに切り替えた社員の1日の平均歩数は、それまでに比べて29%減っており、中には70%減少している人もいる」と発表し、株式会社リンクアンドコミュニケーションも「1日の平均歩数が3000歩未満の人の割合は、2020年1月時点では17.8%だったが、2020年3月末~4月2週目には28.4%に増加している」と発表しています。

運動量が減ると筋肉量・筋力が低下し、

・体力が落ち、疲れやすくなる
・姿勢が悪くなり、自律神経が乱れ、肩こりや腰痛が起こりやすくなる
・内臓の働きが悪くなる
・呼吸が浅くなる
・血流が悪くなり、体が冷えやすくなり、免疫力が低下する
・脂肪がつきやすくなる
・つまずいたり転んだりしやすくなる
・骨粗しょう症のリスクが高くなる
・認知症が悪化しやすくなる
・うつや不眠になりやすくなる

などさまざま問題が出てきます。

そこで、必要になるのは筋肉量を維持しながら、「科学的に正しい運動(健康になる運動)」をすることです。

私が提案している運動法はシンプルです。最後に食事をとってから12時間後~16時間後、この4時間の間に運動をすることです。上半身、下半身、20分程度、全身の筋肉を軽く動かす程度で構いません。これを週2回ほどやるのが理想的です。

なぜ、この空腹時、しかも最後の食事から12時間後以降に運動をするといいと考えられるのか。

その理由は「空腹の時間中に運動を行うと『オートファジー』が活発化することが、近年明らかになってきたから」です。

オートファジーとは簡単に言うと、「古くなったり壊れたりした細胞内のタンパク質を集め、分解し、それらを基にエネルギーを作る」という、体のシステムのことです。オートファジーが起こると、古くなった細胞内のミトコンドリア(呼吸を行い、エネルギーを作り出す重要な器官)も分解されて生まれ変わり、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化します。

つまり私たちの胃や腸、肝臓、腎臓などにある細胞がリセットされ、新しい細胞に生まれ変わると考えられているのです。このオートファジーが始まったタイミングで運動を行うと、その部分でオートファジーが活性化することも最近の研究でわかってきました。

そのため、運動をするなら「筋肉量の維持+細胞をリセット」できる空腹時の運動が、効率的ではないかというわけです。

オートファジーは、どのタイミングで始まるか

「オートファジー」に関する論文は、2020年になってから世界の医学誌で次々と発表されました。例えば、「オートファジー効果が高まれば、心臓の細胞が正常に保たれ心臓病のリスクが下がる」「オートファジーが起きないと脂肪肝になる」などが研究結果の1つです。

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さて肝心のオートファジーですが、体内でいつから始まるかというと、最後に食事をとってから12時間後(睡眠時間を含んでもよい)からと言われています。加えて、オートファジーをしっかりと働かせるためには、最低16時間程度の空腹の時間が必要ともされています。

もし前日の夜19時に食事を食べ終わったなら、翌日の朝7時ごろからオートファジーが始まり、11時頃までにかけてオートファジー効果が高まっていきます。朝7時から11時ごろまでの間に運動をやれば、オートファジーが加速。体内の内臓やさまざまな場所で細胞がよみがえり、免疫、血管、自律神経などによい効果をもたらすと考えられます。

ほかにもヘモグロビン値が下がった、体重が減った、血糖値・血圧が下がったという事例が報告されています。

運動は、難しいものではなくカンタンなものでも効果があります。

お腹回りの筋肉を動かす「ワイドスクワット」

ここでは下半身の筋肉をたくさん使う「ワイドスクワット」とお腹回りの筋肉を動かす運動をご紹介します。

ワイドスクワット

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【効果】

・臀筋群を鍛えると正しい姿勢を保つことができ、腰痛や肩こり、膝痛などが起こりにくくなります。また、基礎代謝量が上がり、太りにくくなります

・内転筋群を鍛えると骨盤が安定し、腰痛や肩こり、膝痛などが起こりにくくなります。また、下半身が柔軟になって、運動機能が向上します

・大腿四頭筋は最も筋肉量が落ちやすい部位でもあります。ここを鍛えると下半身の運動能力を維持でき、膝痛などが起こりにくくなります

・ハムストリングスは立つ、歩くなど、下半身の主な動きと関係しています。ここを鍛えると階段の昇り降りやランニングなどが楽になります

お腹の運動

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【効果】

・腹直筋は背骨を丸める際に働くほか、内臓の位置が下がるのを防ぐ働きをしています。ここを鍛えると、腰痛になりにくくなる、内臓の機能が高まる、基礎代謝がアップして脂肪がつきにくくなるなど、さまざまな効果があります

・側腹筋は背骨を左右に曲げたり、ねじったりする際に働くほか、内臓の位置を安定させたり、排便を助けたりする働きがあります。ここを鍛えると、腰痛になりにくくなる、内臓の機能が高まる、基礎代謝がアップして脂肪がつきにくくなる、便通がよくなるなど、さまざまな効果があります

コロナ禍の自粛中でも適宜運動を心がけましょう

もし、このままコロナ禍が長引き、テレワークが定着する、自粛などが続けば、健康な方でもいずれ筋肉量の低下は深刻化すると思われます。筋肉量が落ち姿勢が悪くなったり、インナーマッスルが衰えたりすると、内臓の変形や位置のずれが起こり働きが悪くなります。

その結果、呼吸が浅くなったり、胃もたれや消化不良、便秘などが起こりやすくなったりします。

本書の中では、オートファジーと運動を組み合わせた「1週間の理想的なスケジュール」なども紹介しています。日々の生活に簡単な運動を取り入れ筋肉量をキープ、健康になる生活を心がけましょう。

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日本人がやりがちな「寿命を削る」2つの悪習慣

新型コロナの影響で「外出を控える人」の盲点

コロナ禍で「老化が進む人」が激増しかねない訳

提供元:「空腹20分運動」で健康な体になれると考える訳|東洋経済オンライン

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