2021.01.22
大寒(だいかん)/節分を迎えたら春はもうすぐ
冬の味覚を味わう最後の時期
1月20日から始まる「大寒」は、これからくる春を前に、二十四節気の締めくくりであり季節の区切りと考えられています。季節の始まりの初候では、南天が小さな赤い実をつけます。南天は「難を転じる」という意味から縁起が良いものと考えられ、正月飾りやおせち料理にも利用されます。
季節がすすむ次候では、元日草と呼ばれる福寿草が咲き乱れ、ジョウビタキという渡り鳥による火打石のような鳴き声を耳にするでしょう。同じころ、わかさぎや水菜が旬を迎え、冬の滋味を楽しむ最後のチャンスです。
季節の終わりである末候には、脂の乗った深海魚の一種ヒメカリや、色鮮やかな実の金柑が旬を迎えます。そして新たな季節が始まる「立春」(2021年は2月3日。ほとんどの年は2月4日)の前の区切りとして、節分の豆まきが恒例行事として行われます。
内外からあたためて冬バテを防止
大寒は、エネルギーを貯め次の春に向けての準備となる大切なとき。特に全身の冷えは循環機能を低下させて、からだの根本である臓器の機能も低下。エネルギー産生ができなくなり、冬バテを起こしやすくなります。食事でからだの内側から、入浴やカイロ・日光浴で外側から、からだあたためて、寒い時期を上手に乗り切りましょう。
特にこの時期の里芋はおおいに活用したい食材です。東洋の陰陽五行思想では辛味食材に分類される里芋は、肺によい働きをするとともに、気分を明るくし、からだのこりをほぐす作用があるといわれています。一方で山芋は甘味食材に分類され、体力をつけて滋養強壮に効果を発揮するので、疲れたときは活用したいものです。
こころとからだの二十四節気2019年<大寒>の記事はこちら ※外部サイトに遷移します
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:大寒(だいかん)/節分を迎えたら春はもうすぐ|ワコール ボディブック