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2020.12.24

在宅仕事が「はかどる机」「ダメな机」決定的な差|気がついたら違うことをしている人は要注意


その机で仕事はかどっていますか?(写真:PIXTA)

その机で仕事はかどっていますか?(写真:PIXTA)

テレワークが浸透し、「自宅で仕事」は当たり前になった。だが、20分パソコンに向き合っていたと思えば、手元のスマホをいじったり、漫画本を読んでしまっている。そんな人は多いはずだ。「すぐに集中できる部屋が自宅にあればいいのに」。そんな悩みに応えるメソッドを提唱するのが東大卒整理収納アドバイザーの米田まりな氏だ。

ビジネスパーソンや主婦などをコンサルティングしてきた米田氏は「片づけで大事なのは精神論ではなく、機械的なスキル。モノをコントロールすることで集中できる環境はつくれる」と述べる。最新刊『集中できないのは、部屋のせい。東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』 上梓した米田氏が、自宅での仕事・勉強がはかどるデスクの整理術を紹介する。

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未完了のタスクが「脳のCPU」を蝕む

集中して仕事・勉強をするつもりが、友人にメールをしたり、爪を切ったり、ペンを整理したり……なんて経験はないでしょうか?作業に没頭していても、 「あ、これもやらなくては!」と別のタスクが頭をよぎると、集中力が一気に途切れます。

一度気が散ると、 「集中しなきゃ!」といくら思っても、別のタスクが気になってしまうでしょう。そこで、別のタスクが頭をよぎらないように環境を整備していきましょう。

『はじめてのGTDストレスフリーの整理術』(デビッド・アレン著、田口元監修、二見書房)という本では、膨大なプロジェクトも小さく区切り、正しい優先順位で一つひとつやりきる方法(Getting Things Done、略してGTD)について解説しています。その中から部屋の片づけにも関連するいくつかのキーワードを引用しましょう。

“やらなければならないさまざまなことが、漫然と頭を占有し続けている。これこそが、時間とエネルギーを最も消費しているものの正体だ”──ケリー・グリーソン

“頭の中にある未完了のタスクは良心を苦しめ、エネルギーを消耗させる”──ブラーマ・クマリス

“意味が異なるものが同じ場所に積み上げられていると、その中身が何であるかを見るたびに考えなくてはいけない。それにうんざりしてあなたの頭はそれについて考えなくなってしまう“──デビッド・アレン

GTDの基本ルールは、仕事もプライベートも、すべてのタスクを細分化し、1箇所のリストに集約させ、毎日リストを消化・更新していきます。一度リストに書きさえすれば、実際に手をつけるまで忘れてもOKです。頭の中は、つねに「進行中の1つのタスク」にだけ集中するのです。

私たちの日常は、「未完了のタスク」との戦いです。溜まった洗濯物、返信していない同窓会の案内状、挫折した資格の参考書、子どもの入塾パンフレット……。「やりかけの何か」を思い出すたびに、あなたの「脳のCPU」は、蝕まれていきます。なので、手っ取り早く集中したいのなら、メモ用紙に、やらなきゃいけないことを書き出しましょう。そして、机の上のものを全部袋などに入れて、片づけてください。

これで未完了なタスクやモノが視界から消えます。適切な保管場所とスマホのリマインダー機能があれば、いったん視界から消してしまってOKです。これだけなら時間にしてわずか1分です。まずは、「1分」で目の前のタスクだけに集中できる環境を構築しましょう。

写真で「邪魔なモノ」を客観視する

生活のなかで感じる小さなストレスは、自分ではなかなか気づかないもの。たとえば、玄関に段ボール箱が置いてあったとします。それを「つらい」とは感じなくても、いちいち「ヨイショ」と避けて通るムダが発生しています。無意識のうちにストレスになっている「邪魔なモノ」は、その都度取り除いておきたいものです。

そこでまずやってほしいのが、「写真を撮ること」です。辛口な友人や、整理収納アドバイザーを家に招くというのもいい方法ですが、もっと手軽に、写真で自分の部屋を客観視しましょう。

やり方は簡単。デスクの上や部屋の写真をひたすら撮るだけです。 未完了のタスクやモノを片づけてしまうのは、最初はちょっと抵抗があるもの。でも、メモ用紙やリマインドツールに書き出して、タスクを一元管理しておけば、モノ自体は片づけても記録として残るので安心です。

ポイントは、デスクの上や部屋全体を景色として撮るのではなく、一つひとつのアイテムがしっかり写るくらいの距離で撮影すること。引き出しや棚の扉は開けた状態で撮影します。

ただ、デスクの上だけならともかく、家全体の写真撮影となると、それだけで30分〜1時間くらいかかってしまいます。そこでまずは「在宅勤務の1日」を想定して、1日の生活動線の写真を中心に撮っていきましょう。たとえば、デスク周り、洗面所、キッチン、ベッド周り。また、部屋とキッチンをつなぐ「廊下」も日々通過する場所です。これらの写真を撮っていきます。

写真を撮影したら、次のチェックリストに取り組みましょう。

□定位置がなく、出しっ放しになっているモノがある
□ 頻繁に使うモノよりも、滅多に使わないモノが、手前に置いてある
□今月一度も使っていないモノが写っている
□その場所では使わないモノが置いてある
□行動を妨げるモノがある(どけないと通れない。ほかのモノが取れないなど)
□毎日使うモノを取り出すのに、2アクション以上必要となる(扉を開ける、ケースを引き出す、などをそれぞれ1アクションと数える)

3つ以上当てはまったら要注意です。あなたのデスクや部屋の中は、「見ているだけで忙しく感じる」状態ではありませんか?

記事画像

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雑多なモノが目に入る状態では、集中力が低下し、作業効率は著しく落ちます。マイクロソフトリサーチの研究(「A Diary Study of Task Switching and Interruptions」Mary Czerwinski他・2004年)でも、マルチタスクにより、集中力が40%減少することがわかっています。あなたも集中している作業の最中に上司から別の仕事を頼まれて、集中が途切れてしまった経験があるのではないでしょうか。

複数のタスクに優先順位をつけて、効率良くすすめられるダンドリ上手な方もいますが、そもそも集中している最中に別のタスクが割込まないようにすれば、優先順位に悩む心配はありません。

とくにモノが散らかったデスクの上は、残タスクの温床になりやすいので要注意。在宅勤務の場合は、オフィスにいるとき以上に、プライベート(家事や趣味、人づきあい)でのやり残しが頭に浮かんでしまいます。作業に使わないモノは、視界に入らないようにしましょう。

1日のなかで過ごす時間が長い場所が整理されていないと、効率の悪い状態で作業をすることになります。当然、生産性はダダ下がりです。勉強机やリビングテーブルなど滞在時間の長い場所にチェックが多くついた人は、早急に片づけに取り掛かってください。

理想的なデスクとはどんな状態か

下の写真は、悪い例です。今日使うモノも、使わないモノも、ゴミも混ざったカオス状態で、必要なモノを探す手間がかかる効率の悪い状態です。

(写真:筆者提供)

(写真:筆者提供)

とくに、「複数のカテゴリのモノが同一の空間にある」という点が、生産性をガクッと下げます。複数のモノのうちから、その都度必要なモノを探すために、目と神経を使っています。これでは、1日に何度も「ウォーリーをさがせ!」をやっているようなものです。

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上の写真も、悪い例です。最初の写真よりは、ゴミが取り除かれ、作業に関連するカテゴリに絞られて、「良い状態」のように見えます。しかし、そもそもデスクの上はモノを置く場所ではなく、作業をするスペースです。巨大なデスクならともかく、モノを置けば置くほどデスクは狭くなります。この場合、本や文房具も不要です。デスクの上を一度ゼロにしてみましょう。

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上の写真が、文字通り、モノの数がゼロの状態です。集中する理想の環境は、机上のモノがゼロであること「定位置がデスクの上」というモノは極力なくしましょう。

データとは異なり、モノには使用ログを正確に残せません。そのため、余計なモノの存在を見逃す可能性があります。 客観的に「使った・使っていない」を判断しやすくするために、片づけに着手する前にまず写真を撮る。そして、写真を見ながら「このゴミは捨てよう」「これは使ってないから処分しよう」などと判断しましょう。

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提供元:在宅仕事が「はかどる机」「ダメな机」決定的な差|東洋経済オンライン

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