メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2020.12.23

「コロナ疲れ」を回復させる強制リセット術|「感情を動かすこと」が生きる原動力になる


コロナ禍でうつうつとした気持ちをリセットするにはどうしたらいいでしょうか(写真:ワタコ/PIXTA)

コロナ禍でうつうつとした気持ちをリセットするにはどうしたらいいでしょうか(写真:ワタコ/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ(R)」の大野萌子です。

記事画像

この連載の記事一覧はこちら ※外部サイトに遷移します

感染拡大が伝えられるなか、忘年会やクリスマスなどのイベントも自粛し、本来の華やかさを楽しむこともできず、おうち時間を過ごされる方も多いと思います。また、この年末年始は、帰省をしなかったり、家族構成によってはとくに孤独を感じる時期にもなります。

「ひとりが好き」「どちらかというと人と一緒のほうが疲れる」という方にとっては、一見問題がないようにも見えますが、それでも、これほど長い期間になると悪影響を及ぼします。他者との程よい接触の機会の大切さと、現状ではなかなか難しい気持ちのリセット方法をお伝えします。

「得体の知れない孤独感」に襲われた男性

ある30代の男性はインドアの趣味を持ち、ITの仕事に就いていて、この春から在宅ワークを続けていました。一人暮らしのうえに、仕事のやり取りもメールやチャットなどの文字ツールのみで、ほぼ本当に誰とも話さなくなり、数カ月が経ったころから、得体のしれない孤独感に襲われるようになったとのこと。

それからは、気持ちが不安定になり、自分の存在が自分でもわからなくなり、何をしているのかという感覚も麻痺し、このままではダメになると思って、転職活動を開始したというのです。オンライン上ではあるものの、面談があり、久しぶりに誰かと話をすることができたことによって、生き返ったような気がしたとのことでした。

普段であれば、緊張して嫌だと思われがちな面接の場ですら、人と関われる喜びに変わるのですから、人と接することの大切さを感じます。この方は、転職活動がうまくいき、現在は、出社と在宅が半々の職場で生き生き仕事をしています。

あくまでも一例ではありますが、最近は「誰とも話してない」「強い孤独感にさいなまれる」といった相談は後を絶ちません。

カウンセリングの場でさえ、誰かと話したいという意向から、日常会話の場になっていたりします。

人とのやり取りは、楽しいことばかりではなく、軋轢もあれば、腹が立つことも悲しくなることもあります。しかし、その感情の動きこそが、生きていく原動力になるのです。

これは、話すことによる「カタルシス効果」(心の浄化作用)によるものです。湧き上がってきた気持ちや、考えを人に伝えるには、思いを言葉に置き換える必要があります。人に伝わるように言葉を選び、それを相手に伝えるべくエネルギーを向ける、この一連の作業が、自分の気持ちを形作り、また整理をすることにつながります。結果、漠然としていたものが見えてきて、すっきりとした感覚を得ることができるのです。

さらに、気持ちが整理されることで、狭かった視野が広がり、次の思考を始めるために、異なる考えを受け入れる余裕ができます。それによって、問題が解決に向かいやすくなる効果があります。

これを疑似体験できるのが、SNSの存在です。随時、うまく活用すれば、対面で話をするのと似たような感覚が得られると思います。

しかし、残念ながらSNSがリアルを超えることは決してありません。すばらしい景色を映像で見るのと、その場で体験することの違いを、誰しも感覚的にわかるはずです。

ぜひ、きちんと距離を保ち、マスク着用するなどの予防策する、もしくはオンラインや電話を通じて、日常の何気ないことや自分の気持ちを吐露する場を持っていただければと思います。

映画やドラマに「集中する、夢中になる」

次に気持ちのリセット方法ですが、なかなか気持ちを切り替えることは難しく、誰もが苦慮しているところかと思います。

ずっと同じことを考え続けてしまう、不安なことや嫌なことがあればなおさらです。誰かに言われたひとことがリフレインしたり、事あるごとに頭をよぎるということもあるでしょう。その気持ちを一時的にもシャットアウトする時間が、気持ちのリセット時間になります。

そこでお勧めするのが、感情を動かすこと。映画、ドラマ、お笑い、スポーツ観戦など、自分の気持ちが動くものをチョイスしてください。不安やつらさとは違うことに「集中する、夢中になる」ことで、一時でも、その世界に浸り、泣いたり笑ったりといった感情を動かすことが大切です。

記憶喪失にでもならない限り、とらわれている何かを手放すことは容易ではありません。ただ、この強制リセットの時間を日々持つようにすることは、心の安定につながります。

また、心と身体は連動しています。びっくりすれば心臓がどきどきする、怒りがこみ上げれば血圧が上がるなどです。気が張っているときは、身体もカチカチになっています。

ですので、それを逆手にとって、身体をほぐすことをお勧めします。

マッサージになかなか行きづらいご時世かとは思うので、セルフストレッチや簡単な体操で身体をほぐすことが大切です。お風呂にゆっくりつかるのもこれからの季節はよいでしょう。

身体がほぐれると、心もほぐれますので、心が固く、苦しくなってしまっている方だけではなく、同じ姿勢を続けている人にも心がけていただければと思います。

今年は、本当にさまざまなことに翻弄されて、心身共につらい日々を過ごされた方が多いと思います。どうか健やかに新しい年を迎えられますよう願っています。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

自粛生活に「幸福を感じた人」が口々に語る理由

新型コロナの影響で「外出を控える人」の盲点

コロナ疲れで病む人・病まない人の決定的な差

提供元:「コロナ疲れ」を回復させる強制リセット術|東洋経済オンライン

おすすめコンテンツ

関連記事

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

戻る