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2019.09.24

【特集/ストレスと女性のからだ】マインドフルネス瞑想講師・吉田マサオさんの実践法<後編>


神奈川県真鶴でヨガ教室を運営し、"マインドフルネス瞑想"を教えている吉田マサオさん。後編では、ストレスがたまる大きな要因である人間関係について。マインドフルネスの考え方を使って、ストレスがたまりにくい人間関係の築き方を教えてもらいました。

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人前に出る緊張感は、慈悲の瞑想で和らげる

プレゼンや会議など人前に出なくてはならないときに、緊張でストレスを感じる人も多いでしょう。僕も以前はそうでした。緊張しないようにしようとすればするほど、ますます緊張してしまうものです。もしも緊張している自分に気がついたら、それが良い・悪いといった判断をせず、緊張していることをありのまま受け入れるようにします。
緊張してはダメだ! と思うのではなく、自分自身に対して、優しい思いやりを向けてあげましょう。

次に、これから対面する人たちに意識を向けてみます。自分から相手へと視線を変えると、「自分はどんな風に思われるんだろう」という承認欲求からくる恐れは和らぎます。すると、彼らも悩みを抱え幸せを願っている自分となんら変わらない人だと思えると、緊張感が薄れてきます。もしも、対面する人たちに意識を向けることが難しいときには、"慈悲の瞑想"がおすすめです。まず、自分自身の幸せを祈るところから始めて、その祈りを、自分の親しい人たち、目の前の人たち、自分と関わりのある人たち、そして生きとし生けるものへと広げていきます。仏教をベースとしているマインドフルネスの考え方では、慈悲の心がとても大切だと教えられています。慈悲の瞑想により、オキシトシンという幸せを感じるホルモンが分泌されることも科学的に明らかになっています。

マインドフルリスニングで、人と信頼関係を築く

他人から自分の意に沿わないことを言われたり、されたりしたとき、人はストレスを感じます。そこでつい、自分の考えを押し付けたくなったり、相手が間違っていると指摘したくなってしまうものです。でも、それを繰り返していると、人間関係のストレスはなくなるどころか、ますますひどくなるでしょう。そんなストレスから解放されるためにおすすめなのが、マインドフルリスニングです。

マインドフルリスニングとは、自分の物差しや価値基準を入れずに、相手の話をただありのまま聞くこと。やってみるとわかると思いますが、相手の話をアドバイスや自分の意見を入れずにただ聞くというのは、とても難しいです。ですが、そうすることで相手は安心して話すことができ、信頼関係が深まります。これは職場だけでなく、パートナーや子どもなど身近な人に対しても同じです。また、アドバイスや自分の意見を伝える時は、あなたは間違ってるとか、あなたはこうすべきだ、という言い方(youメッセージ)ではなく、私はこう思う(iメッセージ)という形で伝えることも、お互いにストレスを感じる関係性の改善につながります。

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感謝の瞑想で、ネガティブに偏りがちな考えを変える

僕が眠る前にときどき行っているのが「感謝の瞑想」です。まず、最近起きたいいこと・うれしかったことを3つ思い出します。人の無意識の思考は、不満や不足しているものなどネガティブに偏る傾向があります。太古の昔は猛獣に襲われるなど命の危機にさらされやすく、危険を早く察知し、懐疑的な人ほど生き残れた。そんな時代が長く続いたため、脳の構造はおのずとネガティブな情報に注意がいきやすいようにできてしまったのです。たとえば、人からほめられたことより否定的に言われたことのほうが、ずっと覚えているという経験はありませんか?

無意識の状態では、ネガティブな考え方にバイアスがかかるのです。そこであえて、よかったことを思い出します。いいことやポジティブなことを意識的に考え、そこに感謝を向けていきます。今あるもの、すでに恵まれていることに感謝する習慣をもつことで、幸せ度が高まるのを感じることができるでしょう。

思いつくまま書き出すジャーナリングでストレス解消

今、ストレスを感じていることや気がかりなこと、落ち込んでいることなど、思いつくままに紙に書き出す"ジャーナリング"も、ストレス解消に役立ちますよ。書き出すことで、自分が抱えている問題や感情を客観視することができ、感情に飲み込まれることなく、感情と適度な距離をとることができます。感情的になって脳が暴走している状態から、理性的な脳に切り替えることができるのです。

自分自身の状態を否定せずありのまま書き出すことで、理性的に考えたり、建設的な行動を選択しやすくなります。変えられない相手や状況に対して抵抗するのではなく、今自分にできること、変えられることは何かを考え行動できるようになると、人間関係のストレスはぐんと減るはずです。

ストレッチでからだをゆるめる

ストレスから開放されリラックスしたひとときを過ごすためには、からだをゆるめることが必須です。僕がよく行っているストレッチをご紹介します。

開脚した状態で少しずつからだを前に倒していく。クッションなどを置いて、抱えるようにからだを倒すとやりやすい。

開脚した状態で少しずつからだを前に倒していく。クッションなどを置いて、抱えるようにからだを倒すとやりやすい。

両膝を抱える。これでおなかにたまったガス抜きができ、整腸作用効果がある。

両膝を抱える。これでおなかにたまったガス抜きができ、整腸作用効果がある。

吉田マサオ

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 代表理事。精神的な不調和を経験したのをきっかけに、理想的な心と身体の在り方を瞑想、ヨガ、心理学などを通して研究し始める。インドをはじめ35カ国以上を巡り、各地の瞑想やヨガを実践する。その中でマインドフルネスに出逢い、その効果の高さに感動。以降、マインドフルネスの普及に努める。現在は、真鶴や東京を中心にマインドフルネスをベースにしたヨガクラスやマインドフルネス瞑想の講座をもつ。「こころが軽くなる マインドフルネスの本」(清流出版)など著書多数。メルマガ等で「マインドフルネス瞑想」についての情報を配信中。

語り/吉田マサオ(マインドフルネス瞑想講師)
取材・文/大庭典子
撮影/高木亜麗

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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提供元:【特集/ストレスと女性のからだ】 マインドフルネス瞑想講師・吉田マサオさんの実践法<後編>|ワコール ボディブック

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