2019.04.25
今、注目の「乳和食!!」
日本の「和食」がユネスコ世界文化遺産に登録され、世界中から注目されている日本の食文化。
低脂肪で低カロリー、多彩な副菜でビタミンミネラル、食物繊維がたっぷりとれて、栄養バランスに優れているのが特徴です。
しかし! この和食にも、唯一といっていいほどの欠点がありました。
それは...、塩分が多いこと。日本人の塩分摂取は「塩」からではなく「しょうゆ」からが多いそうなのです。
だから、「あまり料理に塩は使いませんよ」とおっしゃられるみなさんも、煮物やなんかでしょうゆを使えば、必ず塩分はとっているものなのです。
しかし、和食にしょうゆは欠かせないもの。塩分を減らすにはどうしたらよいのでしょう...?
そこで今、注目を浴びている食事が「乳和食」(「にゅうわしょく」と読みます)
牛乳をうまく取り入れることで「コク」を出し、その分しょうゆやみそなどの調味料の量を減らす!というのが特徴の食事です。今までコクを出すためには、しっかり「だし」をとりましょうといわれ続けてきた私たち日本人ですが、忙しい日々の生活の中で、毎日だしをとるという作業はなかなかハードなもの。牛乳を少しプラスすることなら、簡単にできそうですよね。
さばのみそ煮に牛乳をプラスすると、魚の臭みもとってくれて一石二鳥。かぼちゃの煮物にプラス、豚汁にプラスと何に入れてもいいそうです。この「乳和食」の話を耳にしたときに、私は「昔、味噌ラーメンに牛乳を入れるとおいしい」というエピソードを思い出しました。確かに、牛乳って洋食のイメージですが、みそとの組み合わせってよくあるものですよね。一見和食に不向きな牛乳ですが、取り入れ方次第なのでしょう。「みそ+牛乳」=「塩分+コク」。みそがしょうゆに代わろうとも原理は同じですね。
また、医学的にも牛乳・乳製品の摂取に関しては、いろいろと報告がなされていて、「牛乳・乳製品の摂取が多い人では、メタボリックシンドロームの有病率が低い」との報告や、「牛乳・乳製品の摂取自体が血圧を低下させる可能性がある」との報告があるなど、まだまだ研究段階のようですが、さまざまな良い効果への期待が高まっています。
「+牛乳」で、減塩ができれば、和食はまさに向かうところ敵なし。
健康に暮らすことこそ「美」につながりますから、「乳和食」から今後もますます目が離せません!
乳和食については、レシピ本も市販されています。ネット上でもレシピが公開されているものもあります。それぞれに料理を検索してみるもよし、自分なりの組み合わせでオリジナルを作るもよし、自分なりの乳和食、迷わずトライしてみてはいかがでしょう。
文/おくだじゅんこ(管理栄養士)
広島生まれ。国立病院勤務の後、8年間にわたり株式会社ワコールに勤務。陸上選手から社員まで幅広く健康管理に携わる。2012年に再び地元広島へ戻り診療所の栄養士に。
自身が根っから食いしん坊☆自分自身の栄養管理に日々奮闘中!
イラスト/いしわたりきわこ
東京生まれ。テキスタイルデザイナーを経て、コピーライター、ライター、イラストレーターに。渾身の著書「駅弁の旅」、「ぜいたくはひとりごはん」共著に「東京ナチュラルスイーツ」、「おいしいごはんの店~自然派レストラン全国ガイド」などがある。
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。