2019.02.07
「未経験の分野に転職」を成功させるコツ|「採用したい」と思われる候補者の共通点
未経験の分野に転職する場合でも、成功する人というのはある共通点があるという(写真:プラナ/PIXTA)
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はじめまして。都内の私立大学経済学部を卒業後、上場企業に入社し、資材調達の仕事をしております。現在入社3年目、26歳の者です。業務内容は、取引先との価格交渉、契約書の締結、納期調整などです。
転職をしたいと思い、ご相談のメールを送りました。
学生時代『四季報』を読むことが好きでしたので、企業分析をする事を仕事にしたいと考えています。資産運用やM&Aに携わりたいのですが、どうすればいいでしょうか?
まったく経験のない世界ですので、任せていただけないだろうなと思っているのですが、どうすればそういった業務に就けると思われますか? 恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
製造業 ゆうじ
まずは「採用されること」を目指す
未経験の分野に飛び込み成功をつかむべく、まずはそのスタート地点に立てるかどうか、つまり採用されるか否かの違いは事前にどれだけ真剣に準備をしたかどうかの違いでしかありません。
誰もが未経験の分野を持っていることは当たり前であり、こと転職となると未経験の分野への挑戦というのは多くの人が経験をすることです。
そのうえで申し上げますと、いきなり未経験の分野で活躍することを考えずに、まずは採用されることを目指しましょう。最初からプロフェッショナルなんていませんから、未経験だからといって躊躇することはありません。
そうしてスタート地点に立てれば、どんどん経験を積み、どんどん勉強をして業務に邁進すればよいのです。
私自身もゆうじさんと同じような年齢のときに未経験で戦略コンサル会社に転職を果たしましたし、コンサル会社では採用にも携わっていましたので、未経験の候補者にも数多く会ってきました。
未経験でも「この人採用したいな」と思わせる候補者の方は、やりたいことや目指すことが明確であり、そのための準備を着実にしてきた方たちです。
つまり夢や目標と行動が一貫している、のです。
一方で、具体的な行動や準備が伴っておらず、夢や希望のみの候補者の方たちはやはりご遠慮いただくことになるわけですが、大半がこのパターンです。
「戦略コンサルになりたい」という夢は持っているものの、そのための具体的準備が伴っておらず、夢が夢のままで終わってしまっているのです。
さて、準備が大切と言いましたが、準備するためにはまず自分が狙うべき分野はどこなのかを、まずは正確に把握することが最初のステップです。
頂戴した文章を拝見するに、ゆうじさんは企業分析と言いながらも、M&Aなのか資産運用なのか、具体的分野にまでは絞り込めていないように思えます。資産運用といってもその範囲や職種は幅広いですし、M&Aとなるとこれまた資産運用とは性質の異なる仕事です。
夢を「より具体的な目標」に落とし込む
したがって、まずはご自身で具体的に何がやりたいのか、つまり自分はどこを目指して準備をするべきなのかをキチンと整理して把握するようにしましょう。
そのうえで、その職種に求められる資質や知識は何であり、どんな準備が可能なのか、そういったことをどんどん具体化していくのです。
漠然とした夢を、より具体的な目標に落とし込んでいく作業ですね。
そういった具体的な行動が伴っていれば採用者にも熱意が伝わるでしょうし、20代半ばというゆうじさんのご年齢を考慮すると、未経験でもポテンシャル採用の枠にひっかかる可能性はあります。
しかしながら、準備に時間がかかり30歳も見えてくる年齢になると今度はポテンシャル採用ではなく、即戦力として具体的な付加価値でもって判断されることになりますから、あまり時間は残されていないと認識しましょう。
ゆうじさんがまずやるべきは、ご自身は何がやりたいのか=自分のゴール、をもっと明確にして、そのゴールを目指すうえで自分が今まで社会人人生において培ってきた知識・経験で使えるものは何か、そして足りない分野はどこかといった棚卸しをすることです。
そのうえで、足りない分野を補強するべくスクールに通う・勉強をする、といった手段を使ってどんどん準備を進めていきましょう。目標や夢をかなえることに本当に真剣であれば、具体的準備という行動につながるはずです。
そしてそういった行動こそが夢をかなえるための第一歩にもつながるのです。
準備なくして成功なし、です。夢を夢のままで終わらせずに、とことんまずは挑戦をしてみましょう。ゆうじさんがご自身の憧れの職業につき、すばらしい社会人生活を今後、送られるであろうことを応援しております。
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提供元:「未経験の分野に転職」を成功させるコツ|東洋経済オンライン