2018.09.10
嫌な人のことを考え続けるなんてムダすぎる|「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」
嫌な相手は変えられませんが自分の視点や考え方をちょっと変えると楽になれます(写真:SIphotography/iStock)
毎日を平穏に穏やかに過ごしたい。私はいつもそう思ってます。でも、仕事でもプライベートでも、人とかかわれば時にはトラブルもあるし、いつでも気が合う人と過ごせるわけではありません。
最近はリアルでの付き合い以外に、SNSでも人とかかわる機会が増えてきました。時には苦手な人に出会ったり、嫌な思いをしてしまうこともあります。
拙著『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』でも触れていますが、そんなときに、少しでも人間関係のモヤモヤを引きずらないよう、私は視点や考え方を変えてみることにしました。
『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』 ※外部サイトに遷移します
つらくても我慢したくない、自分を責めてため込みたくない、でも、相手と争うこともできればしたくない。柳のようにしなやかに強く……。そこまでかっこよくはないけど、ゆるくスル~……っと受け流したい。
人を変えるのは難しいけど、自分の視点を少し変えることで楽になれることは多いです。
「理不尽な目にあって忘れられないこともある」
(イラスト:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』より)
人間関係で嫌な思いをして、モヤモヤを引きずることがありました。心理学の本で、嫌なことをした相手は何をしたかも覚えていないから、考えるだけでも無駄だと学んだけど、なかなか気持ちを切り替えられるものではなく……。
そんなとき、友人から言われたこのひとことは、妙な説得力がありました。
「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」
その言葉を聞いたとき、嫌な相手のためにどんなに真剣になっても、自分が気にした分だけ、相手も真剣に自分のことを気にしてくれるわけじゃないんだと、ハッとしました。真剣になるのは、自分にとって本当に大事なことのためだけでいいんです。恋するように、寝ても覚めても、嫌な相手のことを考える必要はありません。
「今ごろパフェとか食ってる」
なぜか心がスッとする魔法の言葉です。
「嫌な相手への怒りが収まらないときだってある」
(イラスト:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』より)
トラブルがあったときは、きちんと相手に気持ちを伝え、その都度解決していくのが一番ですが、人生ではそうもいかないときがあります。
社会的立場で逆らえない人だったり、怒ると暴力を振るうタイプの人だったり。私はそういう人のことは、できるだけ早く忘れてしまうことにしています。
問題の直接解決にはなりませんが、まずは心の平穏を保たないと、自分が壊れてしまうからです。
怒りという呪いから自分を解き放つには?
怒りを抱えているときって、自分の頭の中では相手と戦っているイメージなのですが、実際はシャドーボクシングで自分だけが頭の中で架空の相手と戦っています。
しかも、自分にとって一番嫌な姿で思い出すので、傷つけられた言葉を何度も思い出したり、本来そんなに強くない相手だったのに、ものすごい強敵になっていたり。そして大抵は、実際よりも嫌なやつになっています。
そうやって怒りをため込むうちに、仕返ししたい気持ちになったり、同じ目にあわせたいと思ったり、罰が当たればいいのに……とか、こうなるともう呪いです。
人を呪わば穴二つといいますが……はけ口のない怒りは、やがて、そういうことを考える自分に戻ってきます。
人の不幸を願ったことに対して罪悪感を抱いたり、やり返せないタイプの人は、人より自分を責めてしまうことが多い気がします。仮に相手と同じことをやり返せたとしても、心底スッキリはしないと思います。なぜって、それは自分が嫌だったはずの嫌なやつそのものだから。
今まで憎んで恨んでしまった分、今度は自分にそれが返ってくると思うと、とても怖くなると思います。嫌なやつのために、自分を傷つけたり、同じように嫌なやつになる必要はありません。だから、嫌いな人のことは、できるだけ早く忘れてしまうのがいいと思います。
どうやって忘れるかは人それぞれですが、私の場合は許してしまうことが多いです。いろいろ試したのですが、それ以外のどの方法をとっても、心のモヤモヤが晴れませんでした。
もちろん、嫌な相手を許すことには、抵抗もあると思います。でも、まず逃げるために、相手を許す自分を許すと思うと、少し気楽かもしれません。
相手のためではなく、誰のためでもない、自分のために。
「ずっと考えちゃうこともある」
(イラスト:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』より)
嫌な人のことで頭がいっぱいになって、何も手につかなくなることがあります。よく楽しい時間はあっという間に過ぎていくというけれど、嫌なことを考えている時間というのはものすごく長く感じるものです。
モヤモヤしたり、思い出すたびにイライラしてたくさんの時間を使っちゃったり。それが人生の中の貴重な時間を食い潰していると思うと本当にもったいないです。とは言え、嫌な人のことってそう簡単に忘れられませんよね。
そこで、自分の時間を大事に使うためにこう考えることにしました。
「家の中にいらないものを置いている場所にも、家賃は発生してるよ。ゴミに家賃を払うの?」と。
掃除が苦手な人がよく言われる言葉ですが、これを聞いたときに、確かに、と思いました。いらないものがなければ、本当に置きたいものを置けるし、部屋もキレイになるのに、その場所の分にまでわざわざ家賃を払ってるんですから。
だから、嫌な人もそれと一緒だと思うことにしました。
「いつまで心の中に嫌なやつの居場所をあげるの? ずっと一緒に住むの?」って。
心の中につねにいるって、寝ても覚めても一緒にいるようなものです。自分の家に、嫌いな人が一緒に住んでいると考えてみてください。いなければ毎日健やかな気持ちで過ごせるのに、その人が住んでいる一角の家賃まで自分が払わされている。早く追い出したくなりませんか?
ゴミと違って物理的に掃除をして捨てれば、すぐに追い出せるわけではありませんが、いつまでも放っておくより、「よし追い出すぞ!」と覚悟を決めることが大事です。
「頭の中がいっぱいでつらい……」と被害者の気持ちのままでいるのではなく、「あなたの部屋はありませんから!」って何度でも追い出し続ける。受け身の被害者に慣れてしまうと、ずっとそれが続きます。毎日繰り返してきたことは、やがて自分にとっての当たり前になります。
肩の力を抜いて気楽に考える
嫌な相手を変えることはできませんが、自分の心の持ち方をちょっとだけ変えてみることで、ダメージを受け取らずに済むかもしれません。
このように、嫌な相手を変えるのは難しいけれど、自分の視点や考え方をちょっと変えると気楽になれることも多いと思います。人間関係のトラブルで悩んだり、重く考えてしまう人には、「まじめに全部受け取らなくていいよ」って伝えたいです。スルっと流したりぶん投げたり、時には逃げてもいいと思います。怒ってスッとできるなら怒ったっていいです。自分勝手と言われても自分を守ってください。
人間関係のトラブルは、大抵は誰かの自分勝手が原因です。だから、自分を守るために自分勝手が必要なときもあります。嫌な相手はどんなにあなたを傷つけても、その後の人生の責任は取ってくれません。
自分と自分を大切に思ってくれる人たちのためにも、嫌なことはできるだけ受け取らず、気楽に生きましょう。
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提供元:嫌な人のことを考え続けるなんてムダすぎる|東洋経済オンライン