2018.08.10
更年期によるホルモンバランスの変化が影響?悩ましいぽっこりお腹をすっきりさせる簡単な呼吸法とは
「年齢ともに脂肪が落ちにくくなり、ちょっとの食事制限では痩せなくなってしまった・・・」とお悩みの方は多いのではないでしょうか?
なかでもぽっこりと出たお腹に悩む声は、特によく聞かれます。
そこでこの記事では、なぜ年齢を重ねると痩せにくくなるのかという基本的な知識の解説に加え、今日からできる“ぽっこりお腹を解消する呼吸法”についてご紹介します。
脂肪は年齢とともに落ちにくくなる!
私たちの体は、運動しなくてもある程度のエネルギーを消費します。
これを基礎代謝といい、たくさんのエネルギーを消費するほど、太りにくい体であるといえます。
しかし、以下のグラフを見てもわかるように、この基礎代謝は加齢に伴って徐々に低下するもの。
「生活スタイルや食べる量は変わっていないのに、若い頃よりお腹の脂肪が目立つようになった」という経験は多くの方がしているかと思いますが、その原因の1つはここにあったのです。
出典:「加齢とエネルギー代謝/日本人の基礎代謝基準値」(厚生労働省) ※外部サイトに遷移します
そして、原因はこれだけにとどまりません。更年期に入ると、女性ホルモンのバランスが変化します。
具体的には、“エストロゲン”と呼ばれるホルモンの分泌量が減少。
このエストロゲンには脂肪の燃焼を促進する作用があるため、量が減ってしまうことで、体に脂肪が蓄えられやすくなってしまいます。
さらに、加齢とともに筋肉量も低下。この筋肉量が落ちて脂肪が増えた状態をサルコペニア肥満といい、高血圧になるリスクが高い“恐ろしい肥満”として知られています。
また、筋肉が落ちると基礎代謝の低下にも拍車がかかります。
基礎代謝の低下、エストロゲンの減少、サルコペニア肥満・・・この3つの原因によって、痩せにくい体ができあがってしまうのです。
そのぽっこりお腹、内臓下垂が原因かも・・・
下っ腹がぽっこりと出たお腹は、下垂した内臓がつくっている可能性もあります。
胃や腸をはじめとした私たちの内臓は、筋肉や腹膜に支えられて正常な位置を保っています。
しかしこれらが衰えたり、内臓脂肪が増加したりすると、重力に負けて内臓の位置が段々と下がってしまうのです。
この状態を内臓下垂といいます。
物理的に内臓がお腹の下部に集まれば、下っ腹が飛び出てしまうのは避けられません。
また内臓下垂は、お腹が出てしまうこと以外にも私たちの体に悪影響をもたらします。
たとえば、腸が押しつぶされてしまうことでうまく働かなくなり、お腹にガスが溜まったり便秘を引き起こしたりする原因になるのです。
そうして便秘が続くと、肌のコンディションも徐々に悪くなってしまいます。
内臓下垂は“きれいの大敵”といえるでしょう。
さらに、血管が圧迫されることで、新陳代謝や免疫力が低下するともいわれています。
ぽっこりお腹の解消には「ドローイン」が効果的
基礎代謝の低下や、脂肪の増加と筋肉量の低下からくる内臓下垂によって、ぽっこりと出てしまったお腹・・・そんな悩みを解決する方法としておすすめなのが、ドローインです。
ドローインとは、深呼吸しながらお腹をへこませるトレーニング。
長距離のランニングや腹筋などの苦しい筋トレとは違い、誰でも気軽に始められます。
継続することで腹横筋というインナーマッスルを鍛えられるので、ぽっこりお腹の解消を期待できるのです。
そんなドローインのやり方は、以下のとおりです。
【1】床に仰向けに寝る
立ったままで行うことも可能ですが、背中がしっかりと伸びた正しい姿勢で行わないと意味がないので、仰向けに寝て行うことをおすすめします。
【2】腹式呼吸を数回繰り返す
おへその下あたりに空気をためるようなイメージで鼻から息をたっぷりと吸い込み、口から吐き出します。
特に女性は、お腹ではなく胸をふくらませるように息をする”胸式呼吸”が習慣になっている方が多いので、意識して行ってください。
【3】ゆっくり息を吐きながらお腹をへこませる
下腹部からお腹をへこませるイメージで息をしっかりと吐ききりましょう。
お腹をへこませた状態のまま、30秒ほどキープします。
息が苦しい場合は、お腹がふくらまないように気をつけながら、浅く呼吸をしても大丈夫です。
上記を1セットとし、1日に10セットほど行うといいでしょう。
10セットが難しい場合は、できる範囲で構いません。毎日続けることが大切です。
ドローインは場所を選ばず、かつ特別な器具がなくても実践できるので、時間がない方や今すぐにトレーニングを始めたい方にぴったり!
また、姿勢の改善や腰痛の緩和にも効果があるといわれています。
ぽっこりお腹が気になる方は、ぜひ今日から実践してみてくださいね。
ドローインはぽっこりお腹に効くトレーニングですが、これだけやればスリムになれるというわけではありません。
本格的にダイエットしたいなら、並行して食生活を中心としたライフスタイルの改善にも取り組む必要があります。
生活習慣の改善とドローインによるインナーマッスルの強化で、もっと健康できれいな体を手に入れませんか?
監修者プロフィール
渋谷DSクリニック 渋谷院 院長 林 博之
東京慈恵会医科大学卒業後、東京厚生年金病院形成外科医長を経て、平成17年ダイエット専門院 渋谷DSクリニックを開設。渋谷院 院長就任。医学的根拠に基づいた正しいダイエットを提唱する。