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2018.06.15

がん予防には「禁煙」「肥満対策」が欠かせない|自治体のがん検診は、ひとまず受けておこう


早めに禁煙すれば、その後の発がんリスクを下げられる(写真:Ljupco/iStock)

早めに禁煙すれば、その後の発がんリスクを下げられる(写真:Ljupco/iStock)

世の中には、実に多種多様な「健康書」が氾濫している。しかし医者によって言っていることも大きく違い、何を信じたらいいのかわからない。「人生100年」時代、本当に信頼できて、誰でもお金を掛けずに毎日できる簡単な健康習慣とは、いったいどのようなものなのか。

4月26日、東洋経済オンラインのメルマガでもおなじみのムーギー・キム氏の渾身の著作『最強の健康法―世界レベルの名医の本音を全部まとめてみた』(SBクリエイティブ)が、『ベスト・パフォーマンス編』と『病気にならない最先端科学編』の2冊セットで刊行された。本書は日本を代表する50名に上る名医・健康専門家による直接解説を、東大医学部で教鞭をとる中川恵一氏、順天堂大で教鞭をとる堀江重郎氏が二重三重にその正確性をチェックしたうえで制作されている。

東洋経済オンラインでは同書を元に、多くの名医たちが実践しているおカネの掛からない確かな健康法を紹介していく。第7回は、がん予防の心得を解説する。

ベスト・パフォーマンス編 ※外部サイトに遷移します

病気にならない最先端科学編 ※外部サイトに遷移します

がんを発症するリスクの一つに喫煙(受動喫煙も含む)がある。帝京大学医学部准教授の渡邊清隆氏はこのように警告する。

「喫煙は、肺がん、首やのどのがん、食道がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮頸がん、膀胱がんをはじめさまざまな部位のがんのリスクを上げることがわかっています。また、たばこの煙には、約70種類の発がん物質が含まれています。受動喫煙は、肺がんの確立したリスク因子であることから、他人のたばこの煙を吸わない、煙を吸わせないことも予防につながります。現に、たばこを吸っているがん患者では別の新たながん(二次がん)が発生しやすいことが明らかになっています」

出典:『最強の健康法 病気にならない最先端科学編」

出典:『最強の健康法 病気にならない最先端科学編」

適度な体重の維持も重要

しかし、現役の喫煙者であっても、救いようがないわけではない。渡邊氏は「なるべく早い時期に禁煙を達成すればするほど、その後の発がんリスクを下げることがわかっています」と語る。

「食生活や運動習慣においては、運動で大腸がんのリスクが低くなることが確実と考えられています。飲酒については肝臓や大腸、食道がんなどのがんでリスクを高めることから、適度な付き合いが望ましいです。なお、喫煙者では飲酒量が増えると、さらにがん全体のリスクが高くなることがわかっており、心当たりのある方は要注意です。一方で、野菜や果物は食道や胃、大腸など消化管のがんのリスクを下げると考えられており、野菜や果物不足にならないことが大切です」

また、適度な体重の維持も重要という。

「過体重と肥満によって、食道、大腸、腎臓、子宮体、閉経後乳がんのリスクが高くなります。一方、やせすぎによるリスクも指摘されているので、適度な体型を健康的な運動と食生活によって維持することがポイントです」

市区町村から「がん検診のご案内」が送られてくるが、そこではがん検診が、胃、大腸、肺、女性ではさらに乳、子宮頸がんについて行われている。

自治体のがん検診は、多くの検証によって、メリット(がんによる死亡を防ぐ)とデメリット(見逃しや見つけすぎ、費用や副作用など)を天秤にかけた上で、メリットが上回ることが証明されている。

「がん検診は雑草とりのようなものです。一度草むしりをしてしばらく放っておいたら草ぼうぼうになってしまいますよね。同じようにマメに検診を受けて、がんの芽が出ていないかどうか、チェックすることが重要です」

渡邊氏は「症状がないときから、定期的に受けないと意味がありません」と語る。

「胃がん、肺がん、大腸がんは40歳以上年1回、乳がんは40歳以上2年に1回、子宮頸がんは20歳以上2年に1回の間隔で受けることが推奨されています。内視鏡による胃がん検診は、50歳以上2年に1回でもよいです。企業や医療機関で受ける健康診断でも、該当する年齢になるとがん検診の項目を満たしているか、確認しておくとよいでしょう」

信頼できる医師=患者と向き合う医師

検診施設の中には、がんのリスクを判断する「血液での検査」や「唾液など体液を用いた検査」を、「がん検診」と称して自費診療で提供しているところもある。

しかし、これらは「有効性や安全性についての評価が不十分であり、がん検診の替わりになるものではなく、現状はおすすめできない」というのが渡邊氏の考えだ。

がん検診に関しては、まずは自治体がすすめるオーソドックスながん検診を受け、問題なければ定期的に受ければよい。精密検査が必要と判断されればその結果に沿って、精密検査を受ければよいのである。

それでは、がんが見つかったらどうしたらいいだろう。信頼できる医師を見極める上で大切なのは、やはり患者と向き合う医師の姿勢だという。

つまり、患者の不安や迷いときちんと向き合い、最大限、解消に努めてくれるかどうか。患者の考えや希望に耳を傾け、かなえてくれようとするかどうか。

渡邊氏は「まず自分の考えや不安、迷いを率直にぶつけてみたらいいと思います」とすすめる。

「たとえば、患者の不安に対して『今はそんなこと考えなくてもいい』などとはぐらかしたり、一方的に結論を押し付けてきたり、患者を置き去りにして結論を急ごうとしたり……そんな気配のある医師は、少し考えてみたほうがいいでしょう。医師との関係は、治療のときだけでなく、治療後のフォローアップやその後のケアまで、長く続きます。コミュニケーションが大切だと思う医師は、多少時間を割いてでも疑問には丁寧に応じてくれます」

がんの治療に際しては、患者の不安や疑問に向き合い、きちんと寄り添って対話をしてくれる。そんな信頼できる医師のもとで、治療を受けていきたいものである。

がん治療については、手術、抗がん剤治療、放射線治療の、いわゆる三大治療以外の新しい治療法の話も聞く。進行した肺がんや悪性黒色腫など、これまで治療が難しかったがんに対して、2015年以降新しい免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)が行えるようになってきた。

以降さまざまながんの種類に対して、患者自身の免疫のメカニズムを利用してがんの進行を抑え込む治療が開発され、がん治療はこの数年、変わりつつある。

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困ったときはセカンドオピニオンも検討

三大治療と組み合わせることで治療の効果を高める可能性もあり、期待は高まるばかりだ。しかし、切望されているからこそというべきか、中には根拠が定かではない、いわゆる「新治療」も多いことに気をつけよう。

「がんの治療は、複数選択肢がある場合であっても、間違った選択をしてしまうと、状態が変わって後戻りができないこともあります。必ず主治医に相談し、よくわからないときや困ったときは、全国のがん診療連携拠点病院でセカンドオピニオンを受けたり、拠点病院に設置されているがん相談支援センターに相談してみましょう」(渡邊氏)

次回の記事では、最善のがん治療について、東京大学医学部附属病院放射線科准教授・中川恵一氏に解説してもらう。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

がん予防には「仕組みと原因の理解」が大切だ

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提供元:がん予防には「禁煙」「肥満対策」が欠かせない|東洋経済オンライン

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