2018.03.06
スプレーやバスソルト|万能ハッカ油の使い方9つ
ハッカ油は万能だと聞いても具体的にどんな使い途があるか分からない、と思ったことはありませんか? 実は、ボディーケア、身体のニオイ対策、風邪予防など、暮らしの中で幅広く活用できる精油なのです。
今回は、そんなハッカ油の活用法について、アロマセラピストの重松浩子さんに伺いました。
目次
-ハッカ油とは?
-ハッカ油の使い方
-ハッカ油使用時の注意点
ハッカ油とは?
ハッカ油の材料となる「ハッカ」とは、歯磨き粉やリップクリームなどのケア用品、ガムや飴などの食品、また湿布薬や目薬などの医薬品と幅広く使用されるミント(ハーブ)の1種です。その香り成分を抽出した天然由来の精油を「ハッカ油」といいます。
ハッカの働き
ハッカ油の主成分は、「メントール」。ツンとした爽快感のある香りと使用感が特徴で、眠気をスッキリさせたり、気持ちをリフレッシュさせたりする働きがあります。
購入できる場所
幅広い用途があるハッカ油は、主にドラッグストアや精油(エッセンシャルオイル)の専門店、手作りコスメや石けんなどを扱うショップなどで販売されています。
「ドラッグストアで購入する際は、『ハッカ油』と記載された商品を購入すればよいでしょう。一方、精油専門店やショップでは、ハッカ油は『和種ハッカ』『コーンミント』『ジャパニーズミント』など、さまざまな商品名で呼ばれるため、ハッカの学名『Mentha arvensis L. 』がラベルに記載された天然のものを選ぶことをおすすめします。一部のショップでは、合成オイルや基材で薄められたルームフレグランス専用品なども扱われ、場合によっては肌トラブルが生じる恐れがあるので注意が必要です」(重松さん)
ハッカ油の使い方
「ハッカ油は、美容からヘルスケアまで、さまざまなシーンで役立つので、暮らしの楽しみが広がりますよ」と重松さん。ここでは、具体的なハッカ油の活用法について紹介します。
ボディーケア
ハッカ油は、身体や髪を健やかに美しく保つのに役立ちます。以下に、ボディーケアに適したハッカ油の活用法をまとめました。
ハッカ油&はちみつのボディースプレー
ハッカ油にはちみつを加えたボディースプレーなどを使うことで、清涼感が得られる上に肌もしっとりさせることができます。
「はちみつの代わりに、保湿効果があるオリブ油(※)やグリセリンも、乾燥肌の方にはおすすめですよ」(重松さん)
※オリブ油…オリーブの実から抽出されますが、食用のオリーブ油とは異なり、医薬品として使われる油のこと。
[材料]
・ミネラルウォーター…45ml
・無水エタノール(またはミネラルウォーター)…5ml
・はちみつ(またはオリーブ油、グリセリン)…1/3〜1/4(ティースプーン)
・ハッカ油…1滴
[道具]
・50mlスプレー容器…1個
[作り方・使い方]
(1)スプレー容器にミネラルウォーターを入れる。
(2)1に無水エタノールとはちみつを加えてよく混ぜる(※)。
※アルコールに敏感な人は、代わりにミネラルウォーターを使用してください
※はちみつを使用する場合、冷蔵庫で保管し、1週間を目安に使い切りましょう
(3)ハッカ油をたらして、スプレー容器の蓋を閉め、よく振り混ぜる。
(4)そのまま身体にふりかける、またはキッチンペーパーやタオルにしみこませ制汗シートとして使用する。
ハッカ油とアボカドのヘアトリートメント
「ハッカ油の清涼感に加え、アボカドに含まれる油分が髪の水分や栄養分などを保護し、しっとりさせてくれます。トリートメントをした後、ドライヤーで髪を8割程度乾かしたらヘアオイル(洗い流さないトリートメント)をなじませてください。きっといつもより潤いを実感できると思いますよ」(重松さん)
[材料]
A
-熟したアボカド…1/2個
-プレーンヨーグルト…大さじ1
-はちみつ…小さじ1
-レモン果汁(お好みで)…小さじ1/2
・ハッカ油…1滴
[道具]
・すり鉢(またはミキサー)…1個
・250mlのプラスチックケース…1個
[作り方・使い方]
(1)Aをすり鉢(ミキサー)でペースト状にする。
(2)プラスチックケースに1を入れ、ハッカ油をたらしてよく混ぜる。
(3)シャンプー後、髪の水分をタオルで拭きとったら、トリートメントを地肌と毛先の方までなじませて、タオルでくるみ、30分ほど置いてよく洗い流す。
靴の消臭・防臭
重松さんによるとハッカ油は、靴の消臭・防臭にも効果的とのこと。以下は、洗剤を使わずにできる靴のケア方法です。
靴のお手入れスプレー
「このスプレーには、靴の汗汚れを落としたり、カビを防止したりする働きもあります」(重松さん)
[材料]
・水…360ml
・ミョウバン…10g
・ハッカ油…2滴
[道具]
・500mlペットボトル…1本
・100mlスプレー容器…1個
[作り方・使い方]
(1)ペットボトルに水300mlとミョウバンを入れて蓋をし、よく振り混ぜる。一晩おいてミョウバンを完全に溶かし、ミョウバン水の原液を作る。
(2)スプレー容器にミョウバン水原液を大さじ1入れて、さらに水大さじ4を加える。
(3)ハッカ油をたらして蓋をし、よく振り混ぜる。
(4)靴の中に1回スプレーして、1〜2分置く。熱めのお湯で固くしぼったタオルで、靴の内側の汚れを拭きとる。最後に靴の中にもう1回スプレーし、よく乾かす。
風邪予防や痛みの鎮静
「ハッカ油はウイルスや細菌の繁殖の抑制、肩こりの緩和、腰痛の鎮静などを目的に、古くから民間薬としても利用されてきました」(重松さん)
ハッカ油は、風邪や花粉症対策にも役立つといいます。
ハッカ油のマスク
「鼻づまりやのどのイガイガが楽になったり、熱っぽさによるのぼせ感がやわらいだりしますよ。風邪の対処としても予防としても役立つでしょう」(重松さん)
[材料]
・ハッカ油…1滴
[道具]
・ガーゼ(マスクに収まるサイズ)…1枚
・マスク…1枚
[作り方・使い方]
(1)マスクの外側(顔に触れない側)の鼻の下、もしくは口あたりにハッカ油をたらし、マスクの内側にガーゼをあてがう。
(2)マスクをつけてみて、ハッカ油を染み込ませた部分が直接肌に触れないよう、ガーゼの位置を調整する。
ハッカ油の湿布
「温・冷のタオルを交互に当てることで、血流を促したり、筋肉のこわばりを緩和させたりすることができます。肩こり、腰痛、こわばりを感じる目の疲れなど、筋肉疲労におすすめです」(重松さん)
[材料]
・お湯(42℃前後)…300〜400ml
・冷水…300〜400ml
・ハッカ油…2滴
[道具]
・ボウル…2個
・箸(またはスプーン)…1本
・タオル…2枚
[作り方・使い方]
(1)お湯を入れたボウルと冷水を入れたボウルを用意する。
(2)それぞれにハッカ油を1滴たらし、箸(スプーン)でかき混ぜる。
(3)タオルを適当な大きさに折りたたみ、(1)のボウルの中にそれぞれ浸す。
(4)患部に温かいタオル・冷たいタオルを交互に当てる。
目覚めをよくする
「朝、なかなか行動できない」と悩んでいる人にとっても、目覚ましアイテムとしてハッカ油が役立ちます。
ハッカ油の歯磨きペースト
「朝が苦手な人は、特別な方法だと取り入れられないことが多いもの。そのため、起床後、ハッカ油を使ったペーストで歯磨きをする習慣をつけてはいかがでしょうか。口の中に清涼感が広がるので、目覚ましアイテムとして活用できます。またハッカの殺菌作用により、口臭や虫歯対策にも役立つので、一石二鳥ですよ」(重松さん)
[材料(1回分)]
・重曹…大さじ2
・グリセリン…大さじ1と1/3
・ハッカ油…4〜5滴
[道具]
・小鉢…1個
・蓋つきの小瓶…1個
・スプーン…1本
[作り方・使い方]
(1)小鉢に重曹を入れ、グリセリンを少しずつ加えながら、ペースト状になるまで混ぜる。
(2)(1)にハッカ油をたらし、よく混ぜたら、小瓶に入れる。
(3)スプーンを使って小瓶から、歯ブラシの毛先部分1/2〜1/3量ほど取り出し、歯ブラシの毛先部分につけて、歯を磨く。
気分のリフレッシュ
清涼感のある香りで気分をスッキリ、リフレッシュしたいとき、気軽に使用できるアイテムを作ってみましょう。
ハッカ油の香りボトル
「出先では、このボトルを常備しておくのもおすすめです。仕事で集中力が切れたり、疲れを感じたりしたときは、ハッカのスッキリとした香りでリフレッシュしましょう」(重松さん)
[材料]
・ハッカ油…2〜3滴
[道具]
・蓋つきの瓶…1個
・ティッシュ(またはコットン)…1枚
[作り方・使い方]
(1)小瓶にティッシュ(コットン)を詰める。
(2)ハッカ油をたらし、蓋をしめておく。
(3)気分をリフレッシュしたいときや、やる気を出したいときに、瓶の蓋を開けて、1回1〜2分を目安に芳香を楽しむ。
ハッカ油のバスソルト
「ハッカ油と塩を組み合わせると、湯冷めしにくいバスソルト(入浴剤)を作ることができます。このバスソルトには、血行を促進させて全身をポカポカと温めたり、身体のむくみをとったりする働きがあります。また、心身をリラックスさせてくれるので、心地よい眠りを誘うでしょう。湯船につかる前に、かけ湯をしてお湯に身体を慣らしてから楽しんでくださいね」(重松さん)
[材料]
・天然塩…大さじ2〜3(敏感肌や乾燥肌の人は、大さじ1)
・ハッカ油…1〜2滴
[道具]
・プラスチック容器…1個
・箸(またはスプーン)…1個
[作り方・使い方]
(1)プラスチック容器に天然塩を入れ、ハッカ油をたらす。
(2)(1)をよくかき混ぜたら、浴槽(※)に入れる。
※お湯の熱さによる身体への刺激を抑えるため、40度くらいまでのぬるま湯に設定してください。
ハッカ油使用時の注意点
ハッカ油は、肌や髪の毛を清潔に保つなど、ボディーケアアイテムとして活躍してくれます。しかし、小さな子供や妊婦は使用を控える必要があります。肌に使用するときは、事前にパッチテストを行い、自分の身体に受け入れられるものなのかを確認してから使用しましょう。以下にハッカ油を使うときの注意点をまとめました。
ハッカ油の使用を控えるべき人
乳幼児、妊婦、高齢者は、ハッカ油の刺激が強すぎることがあるので使用を避けるか、医師に相談するようにしましょう。
また、犬、猫など小動物への使用は控えてください。人や部屋に使用したときに、ペットが嫌がっていたり、いつもと様子が異なっていたりする場合は、同室での使用を避けましょう。
ハッカ油を使用できない部位
ハッカ油は、目や粘膜などデリケートな部分への使用は厳禁です。また、太ももや腕の内側、胸元など皮膚が薄い箇所も刺激を受けやすいので、パッチテストを行い、使用しても問題がないかどうかを確認してから使用するようにしましょう。
パッチテストを行う
ハッカ油を使った、デオドラントスプレーやヘアトリートメントなどを腕の内側(肌のやわらかい部分)に塗り、1時間ほど様子を見ます。何も反応が現れなければ、そのまま使用することができますが、肌が赤くなったり、刺激が強かったりする場合は、ハッカ油の使用量を減らし、肌がかゆい場合は、使用自体を控える必要があります。
パッチテストで赤みなどが出てしまったときは、すぐに水や石けんでハッカ油を洗い流しましょう。洗うときは肌をこすらないように注意し、タオルで拭き取るときもこすらないようにタオルを押し当てて水滴を吸い取るようにします。
「普段使っていて問題がなくても、季節の変わり目や、身体のコンディションの変化によって、急に異常が現れる場合もあるので、注意してください。また、ハッカ油に他の精油をブレンドする場合、スパイスなど刺激の強いものは、より刺激が増す恐れがあるので控えましょう」(重松さん)
適切な使用量を守る
ハッカ油を初めて使用する場合は、使用量を守りましょう。重松さんによると、「香りとして使用する場合も、肌に触れるものを作るときも、1回につき、1〜2滴ほどの使用が目安のレシピが多いです」とのこと。
ただ、「強めの刺激ですっきり目覚めたい」「香りで気分転換したい」など、ハッカ油を分量より多めに使用したいときもあるかもしれません。高濃度のハッカ油を肌に使うと、ひやっとした爽快感ではなく、じりじりとした熱さを感じたり、肌を傷めたりしてしまう可能性があります。高濃度で使用したい場合は、香りとして楽しむようにしましょう。また、長時間香りを嗅ぎ続けると香りに酔ってしまい、頭痛、だるさ、吐き気などが生じる場合もあるので、定期的に室内の空気を入れ換えて使用してください。
<参照>
「はっか油で楽しむ 暮らしのアイデア」重松浩子(玄光社)
photo:Getty Images
※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。
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提供元:スプレーやバスソルト|万能ハッカ油の使い方9つ│フミナーズ