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2018.01.23

信用されない人が軽視している見た目と礼儀│良い印象は「初め」と「去り際」しか残らない


相手の印象に残るためには?(写真:xiangtao / PIXTA)

相手の印象に残るためには?(写真:xiangtao / PIXTA)

営業、交渉力などの研修講師として5000人以上を指導してきた大岩俊之氏による連載「入社1年目の営業」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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「初頭効果」と「親近性効果」とは

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

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こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは、「第一印象」が大切だということは、いたるところで言われていますので、意識している方も多いはずです。一方で、第一印象ほど言われていないですが、最後の、「去り際」も、第一印象と同じくらい相手に影響を与えます。今回は、なぜこの2つが大切なのかを、2つの心理実験をもとに、説明をしていきます。

営業マンの第一印象の大切さは、アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則を使って説明されていることが多いです。メラビアンの法則とは、言語情報である話の内容、言葉そのものの意味は7%、聴覚情報である声の質・速さ・大きさ・口調が38%、視覚情報である見た目・表情・しぐさ・視線が55%となっており、言葉の意味よりも見た目の方が大切だということを示しています。

今回は、メラビアンの法則とは違う、「初頭効果」と「親近性効果」という2つの心理効果を使って、営業マンの第一印象と去り際がなぜ大切かを紐解いていきます。

「初頭効果」とは、ポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュの1946年に行った実験で証明されました。人々は、最初に与えられた情報をもとに印象づけられるというものです。要するに、ものごとの最初に起こったことが、記憶に残るということです。

「親近性効果」とは、アメリカの心理学者N・Hアンダーソンが、1976年に行った実験によって提唱されました。人は、多くの情報を与えられると、最後に得た情報に最も影響されるということです。要するに、ものごとの最後に起こったことが、記憶に残るということです。

営業マンの日頃の活動に当てはめてみると、「初め」と「終わり」が大切だということになります。これは、人間の脳の仕組みと大きく関係しています。私は、企業研修でこの原理をお伝えするときは、人の「記憶」の仕組みを題材にして、実際に体感していただいたりしています。

どのように体感していただくかというと、「りんご」「さる」「ひつじ」「真夏」「はさみ」「新幹線」……などと、20個程度の単語を、私が一気に読み上げます。それを、受講生のみなさんが、どれだけ記憶できているかを、後で確認してみるのです。

最初の「りんご」「さる」と、最後の「はさみ」「新幹線」は、みなさん覚えています。これが、さきほど説明した、初頭効果と親近性効果と言われる結果なのです。

では、実際に営業マンは、日頃から、どのような行いをすればいいのでしょうか?

営業マンにおける2つの効果の活用方法

「初め」と「終わり」が大切ということを説明しましたが、要するに、『人の記憶に鮮明に残りやすい「初め」と「終わり」に、よい印象を残しましょう!』ということなのです。

初頭効果を利用した「初め」は、何を意識すればよいでしょうか。まずは、見た目です。見た目は、人と会話する前から、相手によい、悪いなどの印象を与えてしまうところです。たとえば、顔の表情、笑顔があるかないか、スーツのしわ、靴が汚れていないか、髪型が乱れてないか、男性であれば、ひげや鼻毛が伸びていないか、女性であればお化粧くずれがないかなどになります。つまり、きちんと身だしなみを整えれば大丈夫です。

また、見た目だけではなく、あいさつも重要です。どれだけ見た目をよくしても、きちんと挨拶ができなければ、「礼儀のない人」という印象を与えてしまいます。礼儀も大切なのです。お客さま先の待合室でも、背筋を伸ばして、きちんとした姿勢で座っているかどうか、スマホに夢中になっており、お客さまが来ても気がつかないということがないかなど、日頃から意識しておく必要があります。

時間をきちんと守ることができる人かどうかも、礼儀のうちの1つです。遅刻について、事前にお客さまに連絡していたとしても、あまりにも遅刻が多いと、信用をなくします。記憶に残りますからね。

商談の最初、導入の部分も、初頭効果に当たります。場の雰囲気を作ってからの方がいい商談ができる人ならば、雑談から入った方が相手にいい印象を与えます。雑談が好きでない人には、雑談を省き、本題の結論から伝えるようにしましょう。

とにかく、初頭効果にあるように、「始め」の部分は印象に残りやすいので、注意してください。

次に、親近性効果を利用した「終わり」は、何を意識すれば良いでしょうか? こちらも、最後のあいさつ、礼儀などが大切になってきます。どれだけ最初にいい印象を与え、中身の濃い、よい商談をしたとしても、最後のあいさつがいい加減であったり、打ち合せをした部屋の片付けをしなかったり、帰り際の態度が悪い場合などは、お客さまに悪い印象を与えてしまいます。

商談の最後の部分も、同じです。商談の「導入部分」も印象に残れば、「商談の締め」も印象に残ります。商談で相手にいい印象を与えるためには、商談の最後に、「まとめ」をするといいでしょう。方法としては、商談で話した内容を繰り返して確認する、約束したこと、宿題事項の期日を再度確認するなどです。商談の最後の部分は、相手にいい印象に残すためにも、「まとめ」が非常に大切な要素なのです。

このように、営業活動のうち「初め」と「終わり」は、かなり相手の印象に残ります。ここで悪い印象を与えてしまうと、信用を失ってしまいます。しかし、いい印象に変えることは、容易ではありません。

「初め」で、見た目や礼儀正しさで良い印象を残し、「終わり」で、忘れて欲しくない大切なことを繰り返して、目立たせる。これを行うだけでも、人に差を付けることができる営業マンになることができるでしょう。

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提供元:信用されない人が軽視している見た目と礼儀│東洋経済オンライン

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