2025.02.12
ししゃもの栄養はカルシウムだけではない!~健康効果や注意点を解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。 ※外部サイトへ遷移します。
丸ごと食べられる魚として馴染みのある、ししゃも。
ししゃもは、日本固有の魚なのをご存知ですか?さらに、ししゃもは日本の中でも北海道の太平洋沿岸にのみ生息しているのです。
今回はそんなししゃもの栄養について、詳しく解説していきます。ダイエット中の食べ方や注意点までお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
ししゃもの栄養と効能
頭も骨も丸ごと食べられるししゃもは、栄養を余すことなく摂取できます。
焼くだけの簡単調理で美味しく食べられ、栄養も補えるのはししゃもの魅力ではないでしょうか?
では、ししゃもにどのような栄養素が含まれるのか、さっそく見ていきましょう。
筋トレの効果を高めるたんぱく質
ししゃもは、全体の約20%がたんぱく質です。
ししゃも1匹はおよそ20gですから、含まれるたんぱく質は4g程度です。
参考までに、卵1個(50g)には6.1gのたんぱく質が含まれます。ししゃもを1匹半食べたら、卵1個分と同じ量のたんぱく質が摂れますね。
なお、たんぱく質は筋肉のもととなる重要な栄養素です。中でもししゃもに含まれるたんぱく質は、体内での利用効率がよい「良質なたんぱく質」です。筋トレと合わせて十分な量のたんぱく質を摂取すると、筋力アップが狙えます。
筋トレに励む方は、良質なたんぱく質の供給源となるししゃもをぜひ食卓に取り入れてみてください。
骨粗しょう症予防に必須のカルシウム
ししゃも1匹には、およそ66mgのカルシウムが含まれます。
この数字だけではあまりイメージが湧かないと思いますが、ししゃものカルシウム含有量はなんと牛乳の3倍です。
そのためコップ1杯の牛乳(180ml)と、ししゃも3匹が同じカルシウム量です。
カルシウムは骨や歯のもととなる栄養素で、不足すると骨粗しょう症の原因にもなります。ただしカルシウムをたくさん摂ってもビタミンDが不足すると、うまく吸収できません。
参考までに、ビタミンDはきのこに多く含まれます。それゆえカルシウムを効率よく補いたい方は、ししゃもと一緒にきのこのおかずを食べましょう。
焼いたししゃもとお好みのきのこで、焼き浸しにしてもよいですね。カルシウムの吸収率を高めるだけでなく、いつもとは違ったししゃもを楽しめますよ。
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ししゃも1匹のカロリー
ししゃも1匹は、おおよそ30kcalと、一般的な食材ではカロリーが低めです。
これは、まぐろ(赤身)25g(刺身1〜2切れ)と同程度のカロリーです。
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ダイエット中にししゃもを食べてもよいのか
ししゃもは、ダイエット中にも食べられます。
なぜならたんぱく質が多く、脂質や糖質が少ないからです。
先ほど「たんぱく質は筋肉のもととなる栄養素である」とお伝えしました。
筋肉量が増えると消費カロリーも増えるので、ダイエット中はたんぱく質を十分に摂取することをオススメします。
もちろん脂質や糖質も重要なエネルギー源となるため、私たちにとって欠かすことのできない栄養素です。
しかし、脂質や糖質を摂りすぎると肥満の原因となります。
ししゃもを焼くだけであれば調理油も調味料も不要ですから、余分な脂質や糖質の摂取も防げます。
ダイエット中のたんぱく質の供給源として、ぜひ焼きししゃもを取り入れてみてくださいね。
子持ちししゃもの食べすぎは体に悪いのか
卵がたくさん詰まった、子持ちししゃも。
子持ちししゃもにはプリン体やコレステロールが含まれるので、食べすぎには注意しましょう。
ダイエットや筋力アップによいからといって、毎日のようにししゃもをたくさん食べていると、プリン体が過剰となり体調を崩すこともあるからです。
また、脂質異常症(※)の方は重症化予防のため、1日のコレステロールの摂取量を200mg未満に抑えることが望ましいとされています。
(※)脂質異常症とは、血液中の脂質濃度が基準値から外れた状態のこと。詳しくはこちらをご覧ください。
ししゃもを5匹食べるとこの量を超えてしまいますから、ししゃもは1日2〜3匹までにしておくと安心です。
なお脂質異常症でない方も、ししゃもは塩分が多いので食べすぎには注意が必要ですよ。
アレルギーが出ることも
子持ちししゃもが原因で、アレルギー症状が出る場合もあります。
一方でいくらなど他の魚卵アレルギーがあっても、加熱加工された子持ちししゃもでは症状が出ないこともあるようです。
アレルギー症状が出る原因は人それぞれですから、心配な方は医療機関を受診しましょう。
ししゃもとカラフトシシャモは違うもの?
「ししゃも」と「カラフトシシャモ」の違いはご存知ですか?
実のところ、普段スーパーで目にするししゃもはほとんどの場合、カラフトシシャモです。
冒頭でお伝えしたように、ししゃもは北海道の太平洋沿岸のみに生息する希少な魚です。一方カラフトシシャモは、ノルウェーやアイスランド、カナダなど海外で多く獲れます。
つまり私たちが普段食べているししゃもは、カラフトシシャモなのです。
【見た目の比較】
カラフトシシャモの栄養と比較
ししゃもとカラフトシシャモの違いは生息域や見た目にありますが、栄養の違いもあるのでしょうか。
【栄養素の比較】
カラフトシシャモに比べてししゃもの方が、高たんぱく質かつ低脂質であることがわかりますね。
まとめ
以上、ししゃもの栄養について解説しました。
丸ごと食べられるししゃもは、栄養を余すことなく摂取できます。
なお、ししゃもに含まれる主な栄養素は、以下の通りです。
・たんぱく質:筋肉のもととなる栄養素
・カルシウム:骨や歯のもととなる栄養素
ししゃもは脂質や糖質が少ないので、ダイエット中にもオススメできる食材です。
ただしプリン体やコレステロールが含まれるので、1日2〜3匹までにしておくとよいでしょう。
それでは当記事が参考となり、健康管理にししゃもを活用していただけたら幸いです。
【参考文献】※外部サイトへ遷移します。
独立行政法人国立病院機構 仙台医療センター イクラアレルギーにおけるイクラ特異的 IgE 抗体価の 診断的有用性および他魚卵アレルギー合併の検討
執筆者:管理栄養士 佐藤久美
和洋女子大学家政学部健康栄養学科卒業。卒業後は管理栄養士、登録販売者、健康運動指導士としてドラックストアに勤務。 健康相談、個別ダイエット指導、フレイル予防の運動指導に携わりながら、栄養・運動講座の講師を務める。 たくさんの方とお話しする中で、健康に関する正しい情報・自分に適した情報を得るのは難しいことだと知った。そこで現在は「食や健康に関する正しい情報をわかりやすく伝えたい」という思いで、記事の執筆や監修を中心に活動している。
記事提供:シンクヘルス株式会社
提供元:ししゃもの栄養はカルシウムだけではない!~健康効果や注意点を解説~|【シンクヘルスブログ|シンクヘルス株式会社】