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2025.01.29

今日からできる「むし歯にならない」4つの食べ方|緑茶や海産物に含まれている「フッ素」に注目


食べ方を工夫することで、むし歯リスクは大きく減らせます(写真:Princess Anmitsu/PIXTA)

食べ方を工夫することで、むし歯リスクは大きく減らせます(写真:Princess Anmitsu/PIXTA)

スウェーデンはWHO(世界保健機関)による調査で、数十年にわたり、むし歯や歯周病が世界的に少ない国であることが証明されている「歯科予防先進国」です。歯科医師の前田一義さんの著書『歯を磨いても むし歯は防げない』から、歯科医療世界一のスウェーデン式「世界標準のオーラルケア」の新常識を一部引用・再編集してご紹介します。

歯科先進国スウェーデンの「4本柱」

スウェーデンの考え方は、「治療」ではなく「予防」に力を入れるというものです。治療なら完全に歯医者の領域ですが、予防なら個人でもできます。正しい予防法を知り、実践すれば、誰でも自分自身の歯を守ることができます。

スウェーデンでは歯科予防として、4つの柱を打ち立てています。それは以下のとおりです。

1 プラーク(歯垢)を取り除く
2 食べ方を変える
3 フッ素で歯を強化する
4 歯の定期検診を受ける
とくに日々のケアとして、1〜3のケアが連動することで効果が高まります。

まず、歯磨きなどでプラークを取り除きます。同時に食べ物は、むし歯菌のエサになる糖と炭水化物を控え、食べたとしても食べ方に気をつけます。

そして3つ目が、フッ素です。フッ素で歯を強くすることで、むし歯になりにくくなります。むし歯菌の出す酸で歯が溶けにくくなります。

以下、スウェーデン式口腔ケアの4つの柱のなかから2と3について、より具体的に解説していきます。

甘いものはメリハリをつけて食べる

じつはスウェーデンでは、「食べ方」についてそれほど厳しく指導されるわけではありません。確かにむし歯菌のエサになる糖を控えることは大事ですが、食べ方を工夫することで、むし歯リスクは大きく減らせます。

スウェーデン人の甘いもの好きは、おやつの時間であるフィーカを職場でもふつうに採り入れていることからもわかります。

ただ無制限に食べるわけではなく、たとえば週に1度の「スイートデー」を設けるといった具合です。スウェーデンでは土曜日はたくさんお菓子を食べていいという「ルーダスゴディス」(サタデースイーツ)と呼ばれる習慣があります。ふだんは甘いものを制限しつつ、スイートデーでは好きなだけ食べるのです。

スウェーデン人は日本人ほど、食に対するこだわりがありません。共働き家庭も多いこともあり、家庭での食事にさほど手間をかけません。

ふだんは簡単にできる料理ですませ、ときどきちゃんとした料理を食べればいい程度の意識です。何を食べるかよりも、いかに仕事と家事をコントロールして食べるかを意識しているといっていいでしょう。

ここで、私が患者さんたちにお伝えしている、科学的根拠に基づいた食べ方の工夫をいくつかご紹介しましょう。

むし歯リスクを減らす「調理法」

調理法によって、むし歯のリスクが変わることはご存じでしょうか。じつは、調理法を変えるだけで、むし歯リスクを減らせるのです。

揚げ物はむし歯になりやすい調理法です。揚げ物がむし歯リスクに関連するのは、とくに揚げる前の食材に含まれる糖分やでんぷん質に関係しています。
ドーナツやカラメルソースがけなどの揚げ菓子や粘着性の高い菓子は糖分が高く、揚げることでサクサクした食感になり、口の中に残りやすくなります。
油分の多いものは、口腔内に残留しやすい性質があります。この残留時間が長いと、むし歯の原因となる酸を生成する細菌が活発に活動することになり、むし歯のリスクが高まるのです。

では、むし歯のリスクが下がる調理法は何でしょうか?

● 蒸し料理

蒸し料理は、食品に油や砂糖を加えずに調理できるため、歯に付着しやすい成分を避けることができます。また、野菜や魚などの自然な甘みや栄養素を保ちながら調理できるため、むし歯リスクを抑えつつ健康的でもあります。

● 茹でる・煮る

低温で茹でたり煮たりすることで、糖分を追加する必要がなく、食後に歯に残りにくい料理ができます。とくに無糖の煮物やスープは、むし歯リスクを最小限に抑える調理法として効果的です。

● 油を使わない焼きもの

魚や鶏肉をグリルで焼くなど、油や砂糖を使わない調理法は、むし歯リスクを低く抑えます。糖分の少ない食品を選ぶことが大切です。

● スチームグリル

蒸しと焼きを組み合わせた調理法で、余分な脂肪をカットし、食材の自然な風味を活かしながら、口内に残りにくくなります。

以上をまとめると、むし歯のリスクを下げるには、「油や糖分を使わない調理法」「食材の粘着性を減らす調理法」が効果的です。

むし歯にならない食べ方の4ポイント

酸蝕症やむし歯予防には口の中のpHを5.5以下にし続けない食べ方が大事です。食べ物を食べると口腔内のpHは低下し、酸性になります。これが続くと歯のエナメル質が溶け始め、むし歯が発生します。しかし、pHが中性に戻ると、エナメル質は再石灰化します。

むし歯にならない食べ方のポイントをまとめておきましょう。

● 頻繁な間食を避ける

口腔内のpHが低下する時間を短くするため、食事と食事の間にとる間食を控えましょう。1日3食を基本に、間食は1回までに。ただし、食事と一緒に食べる間食は0カウントでOKです。飲み物も、糖質、炭水化物が入っていれば、食事と同じようにカウントしてください。

● 砂糖を控える

むし歯菌のエサといえば糖。いろいろな“糖”がありますが、最もむし歯菌のエサになりやすいのは砂糖(ショ糖)です。500mlのペットボトル飲料、アイスクリーム1カップの中に驚くほどたくさんの砂糖が含まれていることはよく知られています。砂糖を含む食べ物や飲み物を避け、自然な甘みを持つ果物(果糖)のほうが、むし歯のリスクを抑えることができます。

● キシリトールガムを噛む

キシリトールは甘いのに、むし歯のもとにはなりません。キシリトールガムは、むし歯の原因菌の活動を抑え、唾液の分泌を促進します。食後に噛むことで口腔内のpHバランスを保ちます。

フッ素が含まれる食べ物・飲み物をとる

歯を強くし、むし歯予防効果があるフッ素は、じつはいろいろな食べ物や飲み物に自然に含まれています。

なかでも緑茶はフッ素が多く含まれています(フッ素含有量:約0.3〜0.5ppm ※数値は地域や製品、抽出時間によって異なります)。
また、緑茶に多く含まれる「カテキン」が口内の細菌の増殖を抑制し、むし歯菌の数を抑えるといわれています。緑茶を定期的に飲むことで、むし歯のリスクが30パーセント低下したという研究もあります。

1日に2〜3杯食後に飲むことで、口腔内の酸性度を下げつつ(緑茶のpH値は7前後)フッ素を適量に摂ることができるという、一石二鳥の効果を得られるかもしれません。さらに、カテキンの抗菌作用が口臭を抑える効果もあります。

緑茶は濃いほうがフッ素量は多くなります。フッ素量は、抽出方法や濃さ(抽出時間や温度)に大きく影響されます。抽出時間が長くなるほど、茶葉から溶け出すフッ素の量が増えます。そして、高温で抽出するほど、茶葉からフッ素がより多く抽出されます。80℃や90℃の高温で抽出すると、より多くのフッ素が含まれることになります。

なお、次に挙げるのは、フッ素が多く含まれる食べ物ですが、見ると海産物が多いことに気づきませんか。海水中に含まれるフッ素を取り込んでいるからだと考えられます。

●フッ素が多く含まれる食べ物ランキング・ベスト5(数値は地域や製品によって異なります)

1位 海水魚:フッ素含有量約1〜4ppm
2位 エビ:フッ素含有量約1〜2ppm
3位 茶葉(緑茶・紅茶):フッ素含有量約0.5~3ppm
4位 海藻: フッ素含有量約0.3~1ppm
5位 貝類:フッ素含有量約0.3~1ppm

フッ素には歯のエナメル質をむし歯菌の酸に溶けにくくする力もあります。むし歯菌の働きを弱める力もあります。さまざまな点から、フッ素はむし歯を予防するうえで効果的なのです。

『歯を磨いても むし歯は防げない』(青春新書)

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医師が警告!「心臓に悪い"4つの油"に要注意だ」

提供元:今日からできる「むし歯にならない」4つの食べ方│東洋経済オンライン

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