2025.01.01
素人が「絶品すき焼き」作るたった1つのポイント|年末年始の「新定番」をトマトでアレンジ
年末年始の鍋料理として定番化しつつある「すき焼き」。トマトを使った新定番をご紹介します(以下、写真はすべて筆者撮影)
料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は年末年始の鍋料理として定番化しつつある「すき焼き」。トマトを使った新定番をご紹介します。
樋口直哉の「シン・定番ごはん」 ※外部サイトに遷移します
和牛の長所と弱点は脂肪の多さ
年末年始は家で「すき焼き」という家庭も多いようです。かつて大晦日にすき焼きを食べる習慣は東海地方独特のものでしたが、全国で定番化しつつあるようです。すき焼きをおいしく作るポイントはなんでしょうか。
その答えは「肉選び」にあります。そもそもすき焼きは和牛肉をおいしく食べるために発達した料理なので、和牛がもっとも適しています。
和牛の長所であり、弱点は脂肪の多さ。脂肪交雑=赤身のなかに細かい脂肪(サシと言います)が入るので、加熱してもやわらかさが保たれ、とろけるようなテクスチャーが生まれます。
弱点は「脂肪が多いのでたくさんは食べられない」という部分。よく「年をとったから和牛のステーキや焼肉は食べられない」という声がありますが、和牛はもともとステーキや焼肉でたくさんの量を食べる食材ではなく、すき焼きやしゃぶしゃぶで少量をおいしく味わうもの。
和牛特有の香りがおいしさのもと
その理由はラクトンという香り成分を中心にした<和牛香>という甘い香りにあります。和牛には特有の香りが含まれ、それがおいしさのもとなのですが、この和牛香は80℃で最も多く生成され、100℃以上で加熱すると揮発してしまいます。つまり、高温で焼く料理は向いていないのです。
とはいえ、昔ながらのすき焼きは砂糖をたっぷり使った甘い味付けが特徴。現代の感覚では甘すぎて、牛肉の味わいを覆ってしまうので、今回は砂糖を使わず、代わりにさっぱりとした甘さが特徴のみりんを使います。また、トマトを入れることで酸味が加わりさらにさっぱりと食べられるでしょう。
旧・レシピ 砂糖としょう油を使った濃厚な味付け
シン・レシピ みりん+トマトの酸でさっぱりと
トマトは中型サイズのものがいいでしょう
和牛の選び方から。和牛には脂肪交雑や歩留まりなどを示す等級がありますが、味を示すものではないので、あまり参考にはならないので、見た目で判断しましょう。
赤い色が濃く、細かい脂肪が入っているものがおいしい牛肉の証拠。和牛肉の脂肪含有量は36%程度とされているので、真っ白いもの、あるいは逆に真っ赤な肉は避けましょう。A5ランクのサーロインに代表される特別に脂肪が多い肉はすき焼きにはせず、しゃぶしゃぶにする、バラ肉は煮込み料理が適しています。
吹きこぼれないように注意
食べ方によって調味料の割合を変えてもいい
割下から作ります。みりんと酒を小鍋に入れて、中火にかけます。沸いてきたら弱火に落とし、1分煮ます。アルコールを飛ばす=煮切るという工程です。みりん4:酒2:しょう油1がみりんベースの割下の基本的な配合なので、今回の割合はやや酒が多めの薄味です。すき焼きは煮詰まっていくにつれ味が濃くなるからですが、はじめから溶き卵を絡めて食べる場合は4:1:1でもいいでしょう。
アルコールが飛んだら火を止め、しょう油を加えます。
芯はとりのぞきましょう
玉ねぎは7〜8mmの厚さにスライスし、にんにくは薄切りにします。
フルティカという品種のミディトマトを使っています
トマトはへたをとりのぞき、4等分に切ります。
ラップをかけて食べる直前まで冷蔵庫に入れておけばいいでしょう
調理工程がかんたんなのもすき焼きの魅力
バジルを適当なサイズにちぎったら、これで準備は完了。なぜ、年末年始にすき焼きが好まれるのか。それは豪華な割に調理工程がかんたんだからです。あとは食卓で仕上げるだけ、という手軽さがすき焼きの魅力。
すき焼き鍋でも同様に作れます
トマトすき焼きにはフッ素樹脂加工のフライパンを使います。高温で焼く必要がないので、コーティングされたフライパンでも問題ないからです。オリーブオイルをひいたフライパンを弱火にかけ、にんにくと玉ねぎを広げます。
玉ねぎを裏返しながら火を通していきます
にんにくに焦げ目がついてきたら、玉ねぎの上に避け、牛肉を広げ、トマトとバジルを加えます。牛肉やトマトは一気に加えないように、少しずつ加えていきましょう。
割下は多めに作っていますが、残ったら牛丼や肉じゃがなどに使えます
少しずつ割下を注ぎます
割下を注ぎます。すき焼きは割下で焼くように煮る料理です。一度にたくさん加えずに鍋の底から高さ5mmくらいを目安に割下を注ぎます。
はじめはあっさりとした味です
牛肉に火が通り、トマトが熱くなったら出来上がりです。おすすめは牛肉に溶き卵をつけずにトマトと一緒に食べること。食べたらトマト、牛肉、割下を足し、煮ながら食べていきます。
煮詰まった玉ねぎがごちそうです
次第に割下が煮詰まり、味が濃くなっていくので、その段階で溶き卵を絡めるのがおすすめです。もともとすき焼きに卵を絡めるのは鶏鍋からの応用で、味の濃さをやわらげたり、温度を下げるという目的があったよう。牛肉と卵はたしかに相性がいい組み合わせですが、卵の濃厚さで和牛の香りが感じにくくなるので、はじめのうちは卵をつけずに食べることをおすすめします。
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提供元:素人が「絶品すき焼き」作るたった1つのポイント│東洋経済オンライン