2024.11.20
骨粗鬆症予防にオススメの食べ物とは?レシピや注意すべき飲み物も紹介
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。 ※外部サイトへ遷移します。
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骨がもろくなり骨折のリスクが高い状態である、骨粗鬆症。
万が一骨折した場合にも治りが遅かったり、寝たきりのリスクが高まったりします。
実は2022年国民生活基礎調査によると、要介護になった原因の第3位に「骨折・転倒」が挙げられている(※)のです。
(※)要介護の原因1位は認知症、2位は脳血管疾患
私たちの骨は20歳前後で最大量となり、40歳代の後半ごろから減少し、それと同時に骨粗鬆症のリスクが高まっていきます。
とくに女性の場合は閉経により骨密度を維持する働きが低下するため、50歳代後半の方は約18%が、70歳代後半以降は約50%の方が骨粗鬆症といわれています。
一方で骨粗鬆症は、食事や運動など生活習慣を改善すれば発症リスクを下げることが可能です。
そこで今回は、骨粗鬆症予防にオススメの食べ物について紹介します。
骨粗鬆症の予防にオススメの食べ物・飲み物
骨の健康のために欠かせない栄養素といえば、カルシウムです。
ただし、カルシウム以外にもさまざまな栄養素が骨粗鬆症予防に役立ちます。
今回は骨粗鬆症予防に役立つ代表的な栄養素「カルシウム・ビタミンD・ビタミンK」について解説し、それぞれを多く含む食べ物や飲み物を紹介します。
カルシウムを含むもの
カルシウムを多く含む食べ物や飲み物は「牛乳・乳製品」「大豆製品」「魚介類」です。
それぞれの代表的な食材に、どのくらいのカルシウムが含まれるかまとめましたので、参考にしてくださいね。
とくに牛乳や乳製品由来のカルシウムは体内への吸収率がよく、オススメの食材です。
カルシウムは骨の主要な構成成分ですから、骨粗鬆症予防においても重要な栄養素なのです。
なお骨粗鬆症予防のために必要なカルシウム量は、1日800mgといわれています。しかし令和4年に行われた国民健康栄養調査によると、20歳以上の方が1日に摂っている平均カルシウム量は495gでした。
さらに日本人の一般的な食事では、乳製品なしで摂取できるカルシウム量は1日200〜400gだそうです。
牛乳200ml中にはカルシウムが220mg含まれますから、日常的に摂取できるとよいですね。
また魚介類は、カルシウムを多く含む「骨ごと食べられる魚」を選ぶとよいでしょう。
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ビタミンDを含むもの
ビタミンDは「魚」「きのこ」「鶏卵」に含まれます。
とくに、さけやうなぎ、さんま、きくらげ、干ししいたけなどに豊富です。
普通のしいたけも紫外線に当てるとビタミンDが増加するため、調理の前に天日干しするのがオススメです。
ちなみにビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
そのため、ビタミンDが不足しているとカルシウムをたくさん摂っても十分に吸収されず、多くは便として排出されてしまいます。
魚はカルシウムもビタミンDも含まれますから、骨粗鬆症予防のため積極的に摂るとよいですね。
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ビタミンKを含むもの
ビタミンKは「納豆」や「野菜」に多く含まれます。
野菜の中では、ほうれん草や小松菜、にらなど色の濃い葉物に豊富です。
なおビタミンKには、カルシウムが骨にくっつくのを助ける働きがあります。
そして驚くべきことに、ビタミンKの豊富な納豆の摂取量が多い地方では骨折が少ないとの報告もあるようです。
ただし、ビタミンKは血液凝固にも関わっているため、血液をサラサラにする薬を服用している方は注意しましょう。
ワーファリンなど一部の薬を服用している方は、納豆を避けなければいけないこともあるため、気になる方はかかりつけ医や薬剤師に確認してくださいね。
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管理栄養士考案レシピを紹介
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKといった、骨粗鬆症に役立つ栄養素を含む食材で作る「レンジで簡単!チーズオムレツ」をご紹介します。
火を使わずに電子レンジで調理するため、料理が苦手な方でも作りやすいですよ。
【レンジで簡単!チーズオムレツ】
【材料~2人前~】
・卵 2個
・きのこ 30g
・しらす干し 20g
・ほうれん草 30g
・サラダ油 適量
・塩こしょう 適量
・ピザ用チーズ 20g
・ケチャップ お好みで
【作り方】
①ほうれん草は2cm幅に切り、きのこはほぐして保存容器に入れる
②①にサラダ油を入れたら、ラップをかけて500w40秒加熱する
③②に卵を入れてほぐし、しらす干しと塩こしょうを入れたら500wの電子レンジで2分30秒加熱する(※)
(※)ときどき電子レンジから取り出して、かき混ぜる
④ラップをひいた上に③を出し、ピザ用チーズをのせたら半分に折りたたんで形を整えるようにラップを巻く
⑤お皿に盛りつけて、ケチャップをかければでき上がり
【ポイント】
・保存容器は、少し大きめのものを選ぶと扱いやすい
・ビタミンD・ビタミンKは、油と一緒に摂ると吸収されやすいのでサラダ油を加えての調理がオススメ
・チーズをのせるときは、できるだけアツアツのうちに作業すると形が整えやすい
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食べてはいけないものはある?
骨粗鬆症を予防するために、食べてはいけないものはありません。
ただし、下記食品の摂りすぎには注意しましょう。
・加工食品など、リンを多く含むもの
・コーヒーや紅茶、エナジードリンクなど、カフェインを多く含むもの
・アルコール
なぜならリンやカフェイン、アルコールには、カルシウムやその他骨を作るために必要な栄養素の吸収を邪魔する働きがあるからです。
たとえば1日ビール缶(350ml)を2本以上飲み続けると、骨粗鬆症による骨折リスクが1.38倍に高まるといわれています。
したがって骨粗鬆症が気になる方は、これらの食品を摂りすぎないように摂取頻度を抑えましょう。
サプリメントはどうか
必要な量のカルシウムを食事で補えないときには、サプリメントを利用するのもよいでしょう。
ただし、カルシウムのサプリメントを利用する際は「過剰摂取」に注意が必要です。
海外の研究では、サプリメントや薬によってカルシウムを多量摂取した場合に、心血管疾患リスク上昇の可能性が示唆されました。
ちなみに同量のカルシウムを食品から摂取した場合には、そのようなリスク上昇は見られなかったようです。
したがって、カルシウムのサプリメントを利用する際は1回500mg未満になるよう調整しましょう。
なお食事から十分な量のカルシウムが摂れていれば、サプリメントは不要です。
骨粗鬆症の予防には生活習慣の改善も大切
骨粗鬆症の予防には、食事だけでなく日光浴や運動など生活習慣の見直しも大切です。
「骨粗鬆症の予防にオススメの食べ物・飲み物」でご紹介したビタミンDは、食事で摂取する以外に体内でも合成できます。
そしてビタミンDを体内で合成するためには、日光に当たることが必須なのです。
木漏れ日やレースカーテン越しの光でも十分ですので、窓際で食事をするなど日に当たる時間を設けてみてはいかがでしょうか?
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運動習慣を身に付けよう!
ウォーキングや筋力トレーニングなど骨に刺激が加わる運動は、骨密度の上昇に有効です。
ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、続けやすい運動を行いましょう。
たとえば、閉経後に骨量が減少したり骨粗鬆症になったりした方が、1日8000歩、週3日のウォーキングを1年間継続すると、腰椎骨密度が1.71%上昇したと報告されています。
また日常的に運動し筋肉が鍛えられていると、転倒予防つまりは骨折予防にもつながりますね。
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まとめ
今回は、骨粗鬆症予防に役立つ食べ物や飲み物について紹介しました。
・カルシウム:牛乳・乳製品、大豆製品、魚介類
・ビタミンD:魚、きのこ、鶏卵
・ビタミンK:納豆、野菜
骨粗鬆症予防のためには、上記の食品を意識しつつ、バランスのよい食事を心掛けましょう。
その際は、加工食品、カフェイン、アルコールの摂りすぎに注意してくださいね。
それでは、当記事の情報があなたを骨粗鬆症のリスクから守る手助けになれば幸いです。
【参考文献】※外部サイトへ遷移します。
日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
国立病院機構・西埼玉中央病院 骨粗鬆症予防のための 食品栄養成分ノート
執筆者:管理栄養士 佐藤久美
和洋女子大学家政学部健康栄養学科卒業。卒業後は管理栄養士、登録販売者、健康運動指導士としてドラックストアに勤務。 健康相談、個別ダイエット指導、フレイル予防の運動指導に携わりながら、栄養・運動講座の講師を務める。 たくさんの方とお話しする中で、健康に関する正しい情報・自分に適した情報を得るのは難しいことだと知った。そこで現在は「食や健康に関する正しい情報をわかりやすく伝えたい」という思いで、記事の執筆や監修を中心に活動している。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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