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2024.11.04

果物の果糖は血糖値を上げないってホント?果物の食べ方徹底解説!


「果物は血糖値を上げるから控えたほうがいい」「果物に含まれる果糖は血糖値を上げないから食べても大丈夫」など、果物と血糖値に関しての色々な情報を見聞きします。
今回の記事では、実際のところどうなのか?や、果物の健康的な食べ方のコツを解説します。

果糖は血糖値を上げないってホント?

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果糖(フルクトース)は、糖質の最小単位である単糖類です。単糖類には、他にブドウ糖(グルコース)があり、果糖1分子とブドウ糖1分子が結合すると、砂糖として知られるショ糖(スクロース)になります。血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度なので、果糖が直接的に血糖値を上げることはありません。しかし、果糖は代謝の過程でブドウ糖に変換されるため、過剰な摂取には注意が必要です[1]。

なぜ果物は血糖値を上げると言われているの?

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どうして果糖は血糖値を上げないと言われているのに、果物は血糖値を上げると言われているのでしょうか?その理由は、果物には、果糖だけではなくブドウ糖やショ糖も含まれているからです。果物の種類による、果糖・ブドウ糖・ショ糖の含有量を、ブドウ糖・ショ糖の含有量が多い順に以下の表に示しますので、参考にしてください。ブドウ糖、ショ糖の含有量が多いものほど、食後血糖値の急上昇を招く可能性があります[1,2]。

※文部科学省「日本食品成分表(八訂)増補2023年」より

※文部科学省「日本食品成分表(八訂)増補2023年」より

むしろ食べた方がいい?果物は糖尿病のリスクを高めるのか?

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果物には食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、多くの病気の発症と進行を防ぐのに役立つ栄養素が豊富に含まれています。平均年齢54歳のオーストラリア人7675人を対象とした研究では、果物の摂取量が多い人ほど、その後5年間で2型糖尿病を発症するリスクが36%低いことが報告されました。また、果物を多く食べる人は、血糖濃度を下げるために必要なインスリンの量が少ない傾向があることが示唆されています。2023年に発表された糖尿病の患者さんを対象とした複数の研究をまとめた報告では、果物の摂取量を増やすと空腹時血糖濃度が低下することも分かっています[3,4]。

果物との付き合い方3つのコツ

以上を踏まえて、血糖値を気にする方が毎日の食事に果物を取り入れる際のコツを3つお伝えします。

1. 量を決めて食べる

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果糖の過剰摂取は、中性脂肪や体重増加をきたす懸念があります。食べる量が増えると、ブドウ糖やショ糖の摂取量も増えるので注意が必要です。果物を食べる分、1日の摂取エネルギーを超えないように、食事全体の糖質の摂取量を減らしましょう。糖尿病学会が発行している「健康食スタートブック」では、1日150g(80kcal)を目安として、何回かに分けて食べることが推奨されています[1,3,5]。

2. 食事の後に食べる

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食べる量だけでなく、食べるタイミングも大切です。ブドウ糖やショ糖を含む食品と一緒に、たんぱく質や脂質、水溶性食物繊維を含む食品を摂ると、食後の血糖値の上昇がゆるやかになることが分かっています。果物を食べる際にも、これらを含む食後であれば、より血糖値の急上昇を抑えて食べることができそうです。たんぱく質は、卵、大豆、魚、肉、乳製品などに多く含まれており、水溶性食物繊維は、繊維の柔らかい野菜(にんじんやキャベツなど)、海藻類などに含まれています。脂質は、肥満や血糖を下げるインスリン反応の悪化を招きますのでとりすぎに注意しましょう [1,2,5,6]。

3. フラボノイドを含む果物を選ぶ

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フラボノイドとは、ポリフェノールの一種で植物色素の総称です。2018年に発表された、複数の研究をまとめた報告では、ポリフェノールの中でも特にフラボノイドを多く含む食事は、2型糖尿病の予防に効果があることが示唆されています。フラボノイドを含む果物には、ブルーベリー、ラズベリー、りんご、ぶどう、みかんなどがあります。みかんに含まれるフラボノイドであるヘスペリジンは、皮の内側の白い部分や筋に多く含まれています。フラボノイドは、バナナ、パイナップルには含まれておらず、メロンにもほとんど含まれていません[7, 8,9]。

果物は食べ方に気をつけながら積極的に

果物は食べ方や量に気を付けることで、血糖値に悪影響を及ぼさない食べ方ができます。フルーツジュースは加工の途中で食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質などが失われたり、ショ糖が添加されている可能性がありますので、できるだけ生で摂取しましょう[5]。糖尿病と診断されている方は医師と相談してください。

【参考文献】(すべて2024年9月17日閲覧)※外部サイトへ遷移します。

[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 果物

[2]文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[3] Ren Y, et al. Effect of fruit on glucose control in diabetes mellitus: a meta-analysis of nineteen randomized controlled trials. Front Endocrinol (Lausanne). 2023 May 5;14:1174545.

[4] Bondonno NP, et al. Associations Between Fruit Intake and Risk of Diabetes in the AusDiab Cohort. J Clin Endocrinol Metab. 2021 Sep 27;106(10):e4097-e4108.

[5] 日本糖尿病学会, 健康食スタートブック

[6] Nancy F, et al.Dietary Carbohydrate (Amount and Type) in the Prevention and Management of Diabetes: A statement by the American Diabetes Association. Diabetes Care 1 September 2004; 27 (9): 2266–2271.

[7] 公益財団法人長寿科学振興財団, 健康長寿ネット, フラボノイドの種類と効果と摂取量

[8] Rienks J, et al. Polyphenol exposure and risk of type 2 diabetes: dose-response meta-analyses and systematic review of prospective cohort studies. Am J Clin Nutr. 2018 Jul 1;108(1):49-61.

[9] USDA, USDA Database for the Flavonoid Content of Selected Foods, Release 3.3 (March 2018)

【プロフィール】管理栄養士/インナービューティープランナー 高井利香

腸から整える美容食の料理教室ricca.kitchenを主宰。
毎日の食事を見直し、体の内側からアトピーやニキビなどの肌トラブルを改善するプログラムを開講。レシピ開発や、コラム執筆・監修なども行なっている。

SNS(Instagram)※外部サイトへ遷移します。

記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

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