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2024.06.29

酷暑を快適に過ごす、色にこだわった「食材」選び|東洋医学の「五臓六腑」を取り入れて健康生活を


五臓の働きを促す「旬のもの」をバランス良く取り入れ、季節に合わせた食事を楽しむのも臓活なのです(写真:チリーズ/PIXTA)

五臓の働きを促す「旬のもの」をバランス良く取り入れ、季節に合わせた食事を楽しむのも臓活なのです(写真:チリーズ/PIXTA)

人生100年時代といわれる今、これからは「生活習慣」だけではなく、内臓を鍛え、巡らせる「臓活習慣」が必要です。

女優・モデル・アスリートが心底信頼している尹生花さんの知識が詰まった、初めての健康エッセイ『臓活習慣 - こころとからだを巡らせる!』から、今すぐ生活に取り入れられ、健康に生きるためのヒントをご紹介します。

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食事は「旬のもの」を食べる

臓活において、食事はもっとも簡単に取り入れやすく、また、五臓の働きを維持するためにも、なにより大切にしたい身近な養生の1つです。

最初に意識していただきたいのが、「旬のもの」を食べるということ。

人間の五臓の働きは、季節の流れに連動しています。よって、旬のものは、その季節ごとのからだの状態に合っていて、受け入れやすく、相性の良い食材といえます。いうまでもなく、旬ならではの栄養とうま味も、詰まっています。

たとえば秋は「肺(はい)」の季節で、乾燥しやすくなります。そのため、からだを潤わせる梨や山いもなどを積極的に摂るようになるでしょう。つまり、その時々のからだ(臓)が必要としている食材、というわけです。

また、臓活では、なによりバランスを大切にしますから、食材のかたよりや摂りすぎを防ぐといった側面からも、理にかなっていて、大きなメリットがあるのです。

いくら臓に良いからといって、同じ食材ばかりを毎日食べつづけたり、過剰摂取したりすると、かえって臓の負担になってしまいます。「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということですね。

五臓の働きを促す「旬のもの」をバランス良く取り入れ、季節に合わせた食事を楽しむのも臓活なのです。

旬のものを取り入れて バランス良く 食のかたよりを防ぐ

「春・夏」に取り入れたい食材の色

「旬のもの」と合わせて、臓活習慣に取り入れていただきたいのが、五臓それぞれと相性の良い「五色」を意識した、食材選びです。

「五色」とは、青(緑)色、赤色、黄色、白色、黒色に分けられます。たとえば、菜の花やセロリは青(緑)色など、そのまま食材の見た目の色によって、五臓それぞれに有効な働きがあるとされます。

青(緑)色は「肝(かん)」、赤色は「心(しん)」、黄色は「脾(ひ)」、白色は「肺(はい)」、黒色は「腎(じん)」を活かしますが、この五臓それぞれに対応する色を覚えておくだけでも、食材選びのヒントとなるはずです。

さて、「肝」とつながる季節である春に取り入れたいのは、「青(緑)」色の食材。

春に旬を迎える緑色の野菜は、滞りがちな気や血(けつ)の流れをスムーズにして、巡りを良くしてくれます。なかでも、春菊や菜の花、春キャベツ、ニラ、セロリ、香味野菜のパクチーなどがおすすめです。

また、「心」とつながる季節である夏に取り入れたいのは、「赤」色の食材。暑い季節ですから、熱を持ちやすいからだをクールダウンさせてくれる、トマト、スイカ、小豆や、旬のきゅうり、冬瓜などを摂りましょう。

ただし夏の野菜はからだを冷やすので、冷え性の方は、摂るのは朝より夜のほうがいいでしょう。

季節に合わせた食材選びには それぞれに対応する 「五色」を覚えておく

迷ったらオールマイティな「りんご」を

東洋医学では、食材ごとの「性質」を見いだし、これを利用して、適切な食事をご提案することがあります。

食物の性質を表す東洋医学の用語で、「寒性」「涼性」「平性」「温性」「熱性」などといいますが、つまり、その食材に、からだをあたためる作用があるのか、あるいは、からだを冷やしたり、熱を冷ます作用があるのかといった“効能別”に、食材を分類しているのです。

よりくわしく知りたい方は、薬膳をお勉強するのもいいでしょう。ただ、そこまで細かく知らなくても取り入れられるのが、どんな季節や気温であっても、あるいは体質にも関係なく摂ることができる、オールマイティ(中庸)な「平性」と呼ばれる食材です。

その代表格として、ぜひ覚えておいていただきたいのが、りんご。

バランスの良いりんご(写真:株式会社うめ海鮮@フォト/PIXTA)

バランスの良いりんご(写真:株式会社うめ海鮮@フォト/PIXTA)

果物でいうと、キウイやスイカ、いちご、みかんはからだを冷やす作用があります。逆に、桃や栗は温性でからだをあたためます。

それぞれ、体質によっては避けたほうがいい場合もありますが、りんごだけはオールマイティ。つまり、迷ったときは「りんご」をセレクトしておけば間違いない、というわけです。どんな体質であっても、からだにやさしく働き、ビタミン補給や抗酸化作用をもたらしてくれるでしょう。

どの五臓にとってもバランスが良い果物です。

オールマイティな果物、 りんごは体質に関係なく 摂ることができる

「スムージー」の習慣はからだを冷やす

少し前、「栄養があるから」「野菜を手軽に摂れるから」という理由で、朝にスムージーを摂ることがブームになりました。

もちろん、体質に合っていればいいのですが、日本人が毎朝スムージーを摂るとからだが冷えてしまい、栄養を摂るどころか、胃腸を悪くしてしまう可能性が、とても高いのです。

おそらく、わたしがスムージーを朝に摂りつづければ、体質的には、きっと1週間もせずに、胃が痛くなるだろうと思います。

スムージー自体が悪いわけではありません。体質や、摂るタイミングが合っていて、胃腸の状態が良ければ、栄養として吸収することができるでしょう。よほど暑い時期で室温も高く、からだを冷やす必要がある。そんなときに数日間だけスムージーを摂り入れるのなら良いでしょう。

しかし、スムージーを習慣化することは、からだを冷やし、体調を悪くするリスクがあります。

最近では、朝ごはんとして果物だけを食べるという人もいるようですが、これについても、ビタミンなどを摂るメリットよりも、からだを冷やすデメリットのほうが大きいと思っています。

朝ごはんにスムージーや果物だけで、からだの調子があまり良くない人は、ぜひ見直してみましょう。

いいと思ってやっている その食習慣を 一度見直してみる

おやつは「カカオ70%のチョコレート」

「おやつとして食べるなら、どんなものがいいですか?」と、よく聞かれることがあります。

わたしがおすすめしたい一番いいおやつは、やはり、自然の甘味のあるサツマイモ。干し芋などもいいですが、なるべく添加物が多いものは避け、無農薬栽培で作られているような、生産過程がしっかりしているものを選ぶようにしてください。

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とはいえ、「あれもダメ、これもダメ」では、かえってこころにもからだにも悪いので、せっかくおいしいものが目の前にあるときは、楽しんで食べてほしいと思います。

そこで、みなさんがふだんの生活に気軽に取り入れられるお菓子で、臓活をしながらでも「食べていいですよ」とお伝えしているのは、カカオ70%以上のチョコレートです。

カカオは健康や美容に良い影響を与えるポリフェノールが豊富。抗炎症作用やコレステロールの数値改善など、たくさんの効果効能があります。一般的なチョコレートはカカオ含有量が少ないものも多いので、含有率が70%以上のダークチョコレートをおすすめしています。

とはいえ、食べすぎはよくないので、少量だけ食べるようにしましょう。

チョコレートを食べるなら カカオの含有量が 多いものにする

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提供元:酷暑を快適に過ごす、色にこだわった「食材」選び|東洋経済オンライン

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