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2024.03.20

固まった筋肉をゆるめるだけ「首・肩コリ」撃退法|効果UPのため踏まえておきたい7つのポイント


その不調、もしかしたら姿勢のせいかもしれません(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

その不調、もしかしたら姿勢のせいかもしれません(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

このところの気温差もあって、体調を崩している人は多いのではないでしょうか。

テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体を作るメソッドを伝授する本連載。今回のテーマは「姿勢を整えることが体調と体型改善の第一歩」です。

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近年、猫背、首が前に出るストレートネック、肩が前に出る巻き肩といった姿勢の悪化とそれに伴う体調不良に悩まされる人が増えているといわれています。

まずはチェックテストを

首や肩のこり、腰痛、便秘、冷えなど体調の悩みがある方は、まずはこのチェックテストを行ってみましょう(体に痛みや違和感が出たら、そこでストップしてください)。

<チェックテスト>
(1)顎を引いて真下を向いて約30秒を目標にキープします
(2)いったん前を見て一呼吸置いたら、顔を上げて真上を向いて約30秒を目標にキープします

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(※外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

さて、上を向くのと下を向くのとでは、どちらがやりやすかったですか?

ほとんどの方は下を向くのは苦にならず、上を見るのはつらい、となったのではないでしょうか。首や肩に違和感があって真上を見ることができない方、30秒キープできない方もいるかもしれません。

下を向くのは簡単なのに上を向くのが難しい。これはある意味で当然のことです。

理由の1つは体の構造上の問題で、首は前に60度程度曲げられるのに対し、うしろには50度程度しか曲げられないからです。ただ、それでもわずか10度の差ですから、大きな問題ではありません。

もう1つの理由は、私たちの生活にあり、こちらが大きな問題です。

現代はビジネスでもプライベートでも、パソコンやスマートフォンを使用する時間が極端に長くなり、画面と指先を見るために目線を下に向ける時間が増えています。一方で、目線より高い位置に目と顔を向けることが減っています。

下を向く時間が長く続くと、首の湾曲が失われた“ストレートネック”になりやすいです。

私たちの首の骨(頸椎)は、もともと前側にカーブしています。そのまま頭を下げるとこのカーブがなくなって、頸椎が真っすぐになります。これが定着して頭が前に出た状態が、ストレートネックです。

これだと頸椎は前方にある重い頭を常に支えなければならず、首まわりの筋肉が持続的に大きな力を発揮する必要が出てきます。その結果、血管が圧迫されて血流が滞り、首こりが起こります。

首の血流が悪いと、周辺の頭や肩も凝りやすくなります。また、この状態だと頸椎が回りにくいため、横を向いたり寝返りを打ったりした際に首を痛めやすくもなります。

ストレートネックの改善法

多くの人が悩まされているストレートネックは、どうしたら改善できるでしょうか。

SNSなどでは「首のうしろの筋肉を鍛えるといい」といった解消法が紹介されていますが、あまり効果的ではありません。

なぜなら、首のうしろの筋肉は頭をうしろに曲げるために働くのですが、この際に大きな力を必要とされるわけではありません。

首をうしろに曲げにくくなるのは、首のうしろの筋肉が衰えた結果ではなく、首の前側の筋肉(胸鎖乳突筋、広頸筋など)が、縮まった状態で固まってしまったためです。

ですから、首の前側の筋肉の柔軟性を高めて、頭をうしろに引きやすい状態にしてあげることが必要です。そのために有効なのがストレッチです。マッサージは筋肉の緊張を和らげて、こりを改善する効果はありますが、柔軟性を高める働きまではありません。

また、首や背骨を音がするまで強く速く動かす施術がありますが、これは大変危険です。

“ゴリッ”“バキッ”という音(クラッキング音)がすることで、何か機械のジョイントが修正されたような感じがしますが、首の周囲の細かい靭帯や筋肉だけでなく、血管や神経までも損傷するリスクがあります。

首の修正前に体幹を修正する

では早速、首の前側のストレッチをご紹介、といきたいところですが、実は、その前にやったほうがいいことがあります。それは“猫背”を改善することです。

ヒトの体には、体が倒れないように姿勢を制御する反射機能が備わっています。目線と顔を前に向けると重い頭が前に出るため、背中を丸めることでバランスを取ろうとします。

背骨はS字状のカーブを描いていて、頸椎は前、胸椎はうしろ、腰椎は前に湾曲しています。これは歩行時や走行時などに背骨全体がバネ(ショックアブソーバー)として働き、脳に大きな衝撃がかかるのを防ぐためと考えられています。

猫背は、胸椎のカーブがさらに強くなり、頸椎と腰椎のカーブがなくなって真っすぐになった状態です。そのため、顔を前に向けていても頸は背骨に対してすでにうしろに倒れた状態にあり、それ以上うしろに傾ける余裕がなくなっているのです。

背すじを伸ばす筋肉は、背中まわりにある脊柱起立筋ですが、肝心なのは、ここを鍛えるより、お腹の筋肉(腹直筋、外腹斜筋)の柔軟性を高め、背すじを伸ばしやすいように改善することです。

ストレートネックと猫背を改善するストレッチは最後に紹介します。首を痛めないように必ずお腹の筋肉を伸ばすストレッチから始めてください。

正常な姿勢では頸椎と腰椎が前弯、中央の胸椎が後弯するS字状のカーブを描いている(左)。猫背(腰椎後弯症)は頸椎と腰椎の前弯が失われ、胸椎の後弯が強くなった状態(イラスト:koti/PIXTA)

正常な姿勢では頸椎と腰椎が前弯、中央の胸椎が後弯するS字状のカーブを描いている(左)。猫背(腰椎後弯症)は頸椎と腰椎の前弯が失われ、胸椎の後弯が強くなった状態(イラスト:koti/PIXTA)

ストレートネック、猫背とともに近年増え続けているものに、“巻き肩”があります。正しい姿勢を横から見ると、肩は中央よりやや後方にありますが、巻き肩とは肩の位置が前に出た状態を指します。

ここで簡単に肩の構造と働きについて説明します。

私たちの腕が大きく自由に動くのは、肩関節だけでなく肩甲骨と鎖骨(肩甲帯)が協調して動くためです。腕をうしろに引く時は、肩甲骨は内側に寄って肩が後方になり、腕を前に出す時は、肩甲骨が外側に開いて肩は前に移動します。

パソコンのモニターやキーボード、スマートフォンは体の前方に置きますから、当然操作する際は腕が前に出るため、肩甲骨が開いて肩が前側にきます。

この姿勢を長時間、長期間続けると、肩甲骨を開くために働く筋肉(小胸筋、前鋸筋)が硬くなってしまい、肩が前に出た状態が定着してしまうのが巻き肩です。

巻き肩になっていると肩甲骨を寄せるのは難しいので、まずはあとで紹介するお腹のストレッチから始めてください。

悪い姿勢を続けたら意味がない

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これまで見てきたように、姿勢を修正するには体の前面の筋肉を伸ばすことが大切です。

しかし、いくらストレッチで硬くなった筋肉を伸ばしても、悪い姿勢を保つ時間、つまり筋肉を硬くする時間が長ければ、せっかくの努力も効果は半減してしまいます。

姿勢は、泳いだりボールを投げたりといった動作のように、反復するほど脳にインプットされます。よい姿勢を意識して、それを反復する(続ける)時間が長いほど、姿勢は修正されていきます。ストレッチと正しい姿勢にする意識、この両輪で姿勢をよくしていきましょう。

<柔らかくすべき3つの筋肉>

首の前の筋肉(胸鎖乳突筋、広頸筋など)

胸の筋肉(小胸筋、前鋸筋など)

お腹の筋肉(腹直筋、外腹斜筋など)

ここからストレッチを紹介しますが、その際に踏まえておきたいポイントを以下でご紹介します。硬く縮こまった前側の筋肉をゆるめ、少しずつ姿勢を修正していきましょう。

<静的ストレッチのポイント>

(1) 心身ともにリラックスする

(2) 勢いをつけずにゆっくりと伸ばす

(3) 心地よい伸びを感じる位置で静止する

(4) 決して痛みを感じない範囲で行う

(5) 楽に呼吸をして10秒静止する。

(6) 徐々に動きの範囲を広げながら3セット行う

(7) できるだけこまめに行う(1日に何回でも可)

猫背・ストレートネック改善法

■猫背を改善するお腹のストレッチ

(1) いすに浅めに座り、足を「ハ」の字にして骨盤を前傾させる。座面もしくは背もたれの下のほうを握って腕を伸ばす。
(2) 骨盤を前傾させたまま、ろっ骨を引き上げつつ上体を反らせ、ラクに呼吸をしながら10秒キープする。一呼吸置いて3セット行う。

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■ストレートネックを改善する首のストレッチ

(1) いすに深く座って背もたれに寄りかかり、背すじを伸ばす。両手を合わせて親指を顎の下に置く。
(2) ゆっくりと親指で顎を上に向けて押していき、首の前側が気持ちよく伸びる位置で10秒キープする。一呼吸置いて3セット行う。

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イラスト:竹口陸郁(姿勢のイラスト以外)

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提供元:固まった筋肉をゆるめるだけ「首・肩コリ」撃退法|東洋経済オンライン

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