2024.03.29
オリゴ糖と糖尿病の関係を解説~糖だけど血糖値が上がらない?~
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。 ※外部サイトに遷移します
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最近「オリゴ糖」という文字をよく見かけます。
シロップ状のものやお菓子に入ってることもあります。オリゴ糖のくわしい効果はよくわからなくても、なんとなく体にいいイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
一方で「糖」という文字が気になっている方も、いらっしゃると思います。とくに糖尿病の方にとっては、オリゴ糖が血糖値に与える影響が気になることでしょう。
はじめに答えをいいますと、オリゴ糖は糖尿病の方にオススメできます。ただし、注意点もあるので詳しく説明しますね。
それでは、糖尿病とオリゴ糖の関係について解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
糖尿病の方にオリゴ糖がオススメなわけ
オリゴ糖は、血糖値を上げにくく、腸内環境を整えるので、糖尿病の方にオススメといえます。
それでは、詳しく説明いたしますね。
オリゴ糖は糖として吸収されないって本当?
オリゴ糖は「糖」という文字が使われているものの、基本的に血糖値を上げません(※)。というのも、オリゴ糖は唾液や膵液などの消化液で消化されないからです。
(※)イソマルトオリゴ糖は血糖を上げる作用をもつ
そもそも血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。私たちが糖質を摂取すると、唾液などで分解されてブドウ糖になります。そしてブドウ糖が血液中に取り込まれると、血糖値が上がるのです。
つまり、オリゴ糖100%の商品であれば、基本的には血糖値を上げないといえます。
関連記事:オリゴ糖の種類と効能~オススメの使い方やデメリットも解説~ ※外部サイトに遷移します
なぜ腸内環境を整えると糖尿病にいいのか
近年、腸内環境が整うと便通をよくするだけでなく、糖尿病にも良好であることが分かってきたからです。
くり返しになりますが、オリゴ糖は人の消化液で消化されません。消化されなかったオリゴ糖は、大腸でビフィズス菌のエサになることで腸内の悪玉菌を減らしたり、腸の動きを良くしたりして腸内環境を整えてくれます。
そもそも糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの量が少なくなったり、インスリンが出ていても効きが悪くなったりして血液中のブドウ糖濃度をうまくコントロールできない病気です。
最近の研究では、オリゴ糖を摂取することで腸内環境が整うとインスリンの分泌を促進したり、食欲を抑えたりするホルモン出ることが判明しています。
反対に、腸内環境が悪くなるとインスリンの効きが悪くなるという研究結果もでています。
つまり、腸内環境を整えることで、
などの効果が期待できるのです。
糖尿病の方や血糖値が気になる方はぜひ腸内環境を整えておきたいですね!その作戦のひとつとしてオリゴ糖はオススメですよ。
関連記事:糖尿病と腸内環境の乱れに関係はあるのか~おならのにおいについても解説~ ※外部サイトに遷移します
オリゴ糖の選び方・使い方
いざオリゴ糖を摂取しようとする時、注意いただきたいことがありますので、解説いたします。
注意が必要なオリゴ糖
オリゴ糖は、シロップや粉末の形で「オリゴ糖食品」として市販されているものが多いです。利用する際は2つ注意点があります。
まず、オリゴ糖食品の中にはオリゴ糖以外の糖質を含む商品が多い点です。甘味をプラスする目的のほかに、製造上ぶどう糖や砂糖などの糖質が含まれるからです。
オリゴ糖そのものは血糖値を上げませんが、一緒に含まれる糖質により血糖値が上がることがあります。同様に「オリゴ糖入り」と書かれた菓子などの食品も原材料や栄養成分表示を見ることで、血糖を上げる糖質が入っているか確認しましょう。
さらに、オリゴ糖は砂糖と比べてカロリーは控えめですが甘さも控えめです。よって砂糖と同じ強さの甘みを求めると使用量が増えるためかえってカロリーオーバーになってしまう点も注意。1日5g程度にとどめておきましょう。
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普段の食材からもオリゴ糖をとろう
オリゴ糖は人工的な糖だと思われがちですが、実は自然界にも存在するものです。
大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガスに多く含まれており、これらの食品は同時に食物繊維も多く含んでいます。食物繊維も血糖値を上げにくくする効果があるため、血糖値を上げにくいオススメ食材といえますね。
人工甘味料との違いはなにか
人工甘味料とオリゴ糖との違いは甘味の強さで、砂糖と同じかそれ以上の甘味をもつものがほとんどです。また、人工甘味料はオリゴ糖のように腸内細菌を整える働きは期待できません。
オリゴ糖と並んで砂糖の代わりに使われることの多い、エリスリトールやアスパルテームなどの人工甘味料も基本的に血糖値を上げません。
それぞれの特徴を活かして、甘いものが欲しい時は人工甘味料を、腸内環境を整えたいならオリゴ糖を選ぶのがオススメですよ。
関連記事:【医師監修】人工甘味料は血糖値を上げないって本当?~デメリットも解説~ ※外部サイトに遷移します
まとめ
以上、オリゴ糖と糖尿病の関係について説明しました。
オリゴ糖は基本的には血糖値を上げないこと、腸内環境を整えることから糖尿病の方にオススメだといえます。
腸内環境が整うとインスリンの分泌を促したり、インスリンの効きがよくなるなどの効果が期待できます。
一方で、市販のオリゴ糖食品は100%オリゴ糖ではなく、砂糖やぶどう糖など血糖値が上がる糖を含む商品が多いので注意が必要です。
さらに、オリゴ糖は甘味の弱いものが多いので、砂糖と同じ甘さを求めて量が増えるとカロリーオーバーになってしまいます。1日5gまでなど使用量を決めて、適度に摂りましょう。
それでは、当記事を参考にオリゴ糖の特徴を活かして、あなたの食生活に活かしていただけるとうれしいです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
キーワードでわかる臨床栄養 令和版 羊土社 岡田晋吾
監修:編集長 森下りの
名古屋大学医学部保健学科看護学専攻卒業。在学中はヘルスケア領域の知識や経験ををグローバルな視点で深めるために、リーズ大学(イギリス)への長期留学や、エリザベス病院(タンザニア )でのインターンシップなどを経験。卒業後は、看護師として疾患知識やコニュニケーション力を培う。
医療業界のIT化遅れへの危機感や、疾病予防には個人の主体的な行動が不可欠と感じ、2022年よりシンクヘルス株式会社に入社し、マーケティングと広報を担当。 現在、シンクヘルスブログの企画・運営を含めたBtoC領域のマーケティングと広報を担当。
執筆者:管理栄養士 前間 弘美
武庫川女子大学生活環境学部(現・食物栄養学部)食物栄養学科卒業。卒業後、委託給食会社や病院に勤務し、調理・献立作成・栄養管理・栄養指導などを担当。とくに病院勤務では、働き盛りの方が日々の血糖値や血圧、食事記録を手書きで行う手間を目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからシンクヘルス株式会社に入社。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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