2024.02.26
腎臓病は早期発見が大切!腎臓に負担をかけない食事のポイントとは?
腎臓は、我慢強い臓器であるため、異常が起きても自覚症状はあまり見られません。そのため、気付かぬうちに悪化していて取り返しがつかない…なんということがないよう気をつける必要があります。ここでは、腎臓病の早期発見につなげる方法と、腎臓に負担をかけない食事のポイントを解説します。
腎臓ってどんな働きがあるの?
腎臓には、血液中の老廃物や塩分をろ過し、尿として身体の外に排出する役割があります。また、腎臓は、身体にとって必要な成分を再吸収する働きをしています。腎臓の働きによって体内の水分量やミネラルのバランスを一定に保ち、身体を弱アルカリ性の状態に保つことができるのです。
腎臓は他にも、貧血や骨の健康、高血圧などに関わるホルモンを産生する役割があります[1]。
腎機能が低下すると見られる代表的な症状とは?
腎臓は、異常が起きていても体になかなか症状が現れない我慢強い臓器です。症状が現れた時には病気が進行していることもあるため、健康診断を受けることが大切ですが、早期発見のために腎機能が低下すると見られる代表的な症状をご紹介します。
1.むくみ
むくみとは、腎臓から水分を十分に排泄できず、体内に余分な水分がたまっている状態の時に見られます。腎機能が低下して起こるむくみは左右対称的であり、むくんでいる部分を指で10秒以上強く押えると指の跡がへこんだまま残るのが特徴です[2]。
2.尿量の変化
腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体の外に排出する役割がありますが、腎機能が低下すると、尿の濃縮力が低下して多尿となる場合があります。また、腎機能が低下すると日中に摂った食塩を日中に排泄しきれず、夜間に血圧が高くなり、不要な食塩を排泄しようとすることで夜間多尿になることがあるのです[2]。
3.息切れ、めまい、倦怠感
腎臓は尿を排泄するだけではなく、赤血球を作る働きを促進するエリスロポエチンというホルモンを分泌しています。腎機能が低下すると腎臓がエリスロポエチンを十分に分泌させることができなくなってしまい、貧血になる場合があるのです。腎機能が低下して貧血になると息切れやめまい、倦怠感が見られる場合があります[2]。
上記のような代表的な症状のあるかたは、医師へ相談してみましょう。
腎臓に負担をかけない食事の2つのポイント
腎機能を低下させないために今すぐできることは、腎臓に負担をかけない食事を意識することです。ここでは、日々の食事で取り組みやすい、腎臓に負担をかけないために特に重要な2つの食事のポイントについて解説します。
1.食塩を摂りすぎない
腎臓に負担をかけないためには、食塩摂取量を3~6g/日までを目安にしましょう。ラーメンの汁を飲まないようにしたり、ソースやしょうゆをかけないようにするなど目に見える食塩を減らすことも大切ですが、加工食品、塩干物、漬物など目に見えない食塩を摂りすぎないようにすることも重要です[5,6]。
2.たんぱく質を摂りすぎないようにする
たんぱく質を摂りすぎると腎臓に負担がかかってしまうことが分かっています。しかし、たんぱく質は体にとって必要な栄養素であるため極端な制限は良くありません。
限られた量の中でできるだけ質の良いたんぱく質をとることが大切です。良質なたんぱく質とは、体内で合成できず食事で補う必要のある必須アミノ酸をバランスよく含んでいるたんぱく質のことです。肉や魚、卵、大豆などが当てはまるため、日々の食事に取り入れてみましょう[5,7]。
生活習慣に気を付けて腎臓を守ろう!
腎臓病の早期発見や腎臓を守るための食事のポイントについてお分かりいただけたでしょうか。腎臓は、異常があってもなかなか自覚症状のない臓器なので定期的に健康診断を受けてチェックすることが大切です。
まずは、腎臓に負担をかけない食事を意識することから始めてみましょう。
【参考文献】(すべて2023年12月19日閲覧)※外部サイトに遷移します
[2]一般社団法人日本腎臓学会:3.腎臓がわるくなったときの症状
[5]日本腎臓学会:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里
調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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