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2023.08.30

つねに体が痛む人が知らない「こわばり筋」の恐怖|肩や腰、背中、脚は痛む前に我慢強い筋肉が限界に


なかなか解消しない肩こりや腰痛は「こわばり筋」のせいかもしれません(写真:プラナ/PIXTA)

なかなか解消しない肩こりや腰痛は「こわばり筋」のせいかもしれません(写真:プラナ/PIXTA)

痛むほどの肩こり、腰や背中の鈍痛、脚の痺れや股関節痛といった症状は、病院で診察を受けたとしても湿布を処方されるくらいで、なかなか解消しないという声をよく耳にします。

ベストセラー『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』の著者である今村匡子さんは、こうした体の痛みと20年以上向き合い続けることで、その場で症状を軽くし、継続することで症状が出にくい体質に変えるセルフケア「こわばり筋ほぐし」を開発しました。その理論と実践法を1冊にまとめた『大丈夫なふりして生きてる人の体に効く こわばり筋ほぐし』の一部を改編し、ご紹介します。

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何をしても痛みや不調が消えないのは、なぜ?

ずっと我慢し続けて「もう、どうにもならない……」と意を決し病院に行ったら、待たされ続けて数時間。やっとたどり着いた5分の診察では、医師は目も合わせてくれなかった。「足が痛い」と言っても靴下の上からチラッと見るだけで、言われたのは「加齢ですね」。そして検査結果は、なぜか異常なし。

ここまで費やした時間と労力は、いったいなんだったのか……。

仕方なくマッサージや整体を受けに行くと、その場では気持ちいいものの効果が長続きしたことなんてない。でも仕事だって家事だって、滞らせたらそのぶん溜まっていくし、時間は待ってくれやしない。だから鎮痛剤を入れてしのぐ。

「どうして私の体は、こんななんだろう」

そう考えてしまうとき、ありますよね。いろいろ試しても解消しない体の悩みは、つらいものです。

このようなお話を患者さんから伺い、体の状態を確認して申し上げるのが、

「筋肉がしゃべれたら、めっちゃ怒ってますよ」

です。レントゲンで異常が見つからない痛みや、血液検査などでも原因が特定できず特効薬もないような不調を感じるまでのあいだに、じつは筋肉が声にならない悲鳴をあげていることが多いんです。

部位にもよりますが、筋肉というのは、かなりひどい目にあわないかぎり、あなたに痛みを感じさせません。たとえば、重たい荷物を突然たくさん運ぶなどの無茶振りをしたら「筋肉痛」が起きます。あるいは、かなり長時間デスクワークをして限界まで肩が緊張すると「肩こり」が生じるのは、よくご存じですよね。痛みがあるということは「異常」のサイン。これ以上使うと組織が壊れてしまうという体からのメッセージです。

これらは筋肉が痛みやこりという症状を声高に訴えている状態ですが、その手前で悲鳴をあげることはありません。なぜなら、少し体を動かしただけで筋肉が痛みを訴えていたら、日常生活に支障をきたすからです。

痛む理由は「こわばり動作」に体を狂わされたから

私たちの体には、少しずつの変化に慣れようとする性質があります。じつはこれがくせもので、たとえば毎日1ミリずつ背すじが丸まり猫背になっていったとすると、体はそれに慣れて適応しようとするのです。

「いつから痛みや不調を抱えたのか、もう思い出せない」

患者さんたちからこういうお話を耳にすることが多いのは、ほんの少しずつ腕の位置や首のカーブがずれていったり、股関節の可動域が狭まったりして、知らぬ間にどこかの筋肉に負担が集中していたからです。

じわじわと追い詰められていった筋肉は、悲鳴を上げることもできないまま、硬くなったり弱ったりしていきます。こうした「こわばり動作」が積み重なることで、原因不明と言われる痛みや不調を抱えていくのです。

日常生活でのこわばり動作は、じつは少し気をつけるだけで避けられるはずのものばかりです。やわらかいソファにはもたれかからない、スマホを見るときは姿勢を正すなど、大変なことや難しいことは必要ありません。

それでも多くの人が、こわばり動作を積み重ねるのは、体が、その日常動作をしたほうがラクと認識してしまうようになったからです。

さきほど、こわばり動作に体を狂わせられるというお話をしましたが、たとえばデスクワークで「あごを引くと窮屈だから」と、少しあごを突き出していると、いつのまにか体は「それが正しい位置」と認識してしまいます。

ほかにも、患者さんに「腕を左右にまっすぐのばしてください」と申し上げると、左右の腕のどちらかが下がっていたり肩が前に出ていたりする方がほとんどです。これはご自身が水平だと思っていても、実際は「こわばり動作」の積み重ねで水平を再現できず、ずれた状態を体が水平と認識してしまうから。

これを「位置覚のずれ」と呼んでいます。

位置覚がずれていたら、こわばり動作から脱せるわけがありません。こうして延々とこわばり動作をくり返すうちに、体のどこかで、本来の働きとは別のことをさせられて割を食い、過労状態に陥る筋肉が生じます。

これが「こわばり筋」です。

一方で、働く機会を失って衰える筋肉も生じます。どちらも体の機能を低下させて、さまざまな痛みや不調を呼び寄せる原因となるもの。しかも、どこに生じているかわからないのがやっかいです。

なぜ「こわばり筋」が治らない痛みや不調を呼ぶのか

少しラクになることはあっても解消はできない、つらい肩こり。これも、こわばり筋の仕業です。たとえばスマホを見るときに背すじをのばして首の位置を正し続けていられたら、頭や体の重みを骨が支えてくれます。そうすると筋肉は、最低限の体の重みを支えるだけでいいためラクです。

しかし、背すじが丸まったりあごを突き出していたりしたら、本来は骨で支え、肩や背中などたくさんの筋肉が分担してくれる自然な姿勢と異なり、ごく一部の筋肉に負担が集中することがわかっています。

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ほかの「もう治らないかも」とあきらめがちな痛みや不調も、どこかにできてしまったこわばり筋が関係している疑いあり。「肩がこるから」と硬くなっている筋肉をいくらもみほぐしたところで、その原因をつくったこわばり動作をやめないかぎり、こわばり筋は消えません。だから一時的によくなることはあっても治らないのです。

ちょっと怖いことを申し上げましたが、お伝えしたいことはシンプルです。肩の真ん中を押さえたまま首を左右に倒す、イスに腰掛け脚を左右に開いて上体を前に倒す、首の後ろ側をのばすといった簡単なセルフケア「こわばり筋ほぐし」をすると、痛みや不調の原因をつくったこわばり筋がその場でほぐれます。

しかも、続けるうちに、こわばり動作が自然に出にくくなるといった体質の変化も起こることが数万人の患者さんをケアするなか確認できているので、ぜひお試しください。

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提供元:つねに体が痛む人が知らない「こわばり筋」の恐怖|東洋経済オンライン

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