2023.08.25
「読書も楽に!」40代で集中力上がった"意外"習慣|大人になって「読む」集中力が下がる深すぎる訳
読書だけでなく、どんなときにも必要な集中力を高める、意外な習慣を紹介します(写真:Graphs/PIXTA)
耳馴染みのない専門用語、難解な公式、膨大な英単語、数分間のスピーチ原稿やプレゼンの台本、複雑な歌詞やセリフ、何人もの顔と名前……。
大量に覚えなければいけない課題やテキストを前に圧倒され、絶望した経験が皆様にもあるかもしれません。そんな方にオススメしたいのが「A4・1枚記憶法」。
A4・1枚の「魔法のシート」に書くだけで、覚えにくいものも大量に記憶できる画期的なメソッドです。
考案したのは、記憶力日本一を6度獲り、日本人初の「世界記憶力グランドマスター」の称号を得た池田義博氏。
池田氏は、40代半ば「ド素人」の状態からたった1年で記憶力日本一になりました。
その体験から生まれた「超効率的なシート学習法」をまとめたのが新刊『まるごと覚えて 頭も良くなる A4・1枚記憶法』で、同書は発売後たちまち重版がかかるなど、大きな話題を呼んでいます。
以下では、その池田氏が「手書き習慣で集中力低下の対処法」について解説します。
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「読書離れ」していませんか?
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人生の楽しみのひとつに「読書」があります。
どんな人の人生も、読書をした分だけ、確実に豊かになるものです。
また本離れが進んでいる今だからこそ、読書量で実力に差がつくとも考えられます。
さて、あなたは最近、どんな本を読みましたか?
今回は、限られた手持ちの時間の中で、より高効率に本を読む秘訣についてお話ししましょう。
そもそも私は「読書」を大きく2つに分けて捉えています。
1つ目は「知識や教養を深めるため」の実用的な読書です。
未知の知識を仕入れたり、既知のスキーマ(思考の枠組み)の足りない部分を補填したり、新しいスキーマ自体を作れたりする利点があります。
2つ目は小説など「読むこと自体」を楽しむ読書です。
小説の世界観に浸ったり、登場人物に感情移入したり。要は書かれていることを純粋に楽しむというメリットがあります(ちなみに私の好きな小説家は、開高健、アーサー・ヘイリー、ロバート・B・パーカーなどです)。
もちろん、これらの2タイプに優劣はありません。
そして、これらの2タイプの読書には共通点があります。どちらにも「一定の集中力が求められる」という点です。
大人になって「読む集中力」が下がる理由
実際、次のようなご相談をSさんという40代の男性からいただいたことがあります。
「最近、読書になかなか集中できないんです。学生の頃は読書に何時間も没頭できたのに、年齢のせいでしょうか」
Sさんのお気持ちは、よくわかります。
ただ集中力が続かないのは、加齢のせいだけではないはず。
抱えている多くの仕事、電話やメールの着信音、断続的に鳴り続ける各種アプリからの通知音……。
学生の頃より集中力を削ぐ要素が増えているのではないでしょうか。
ですから、仕事のことはいったん横に置き、スマホも一時的に遠ざけるなどして、本と向き合う環境を整えることが、まず大事かもしれません。
そのうえで「これを習慣化すると効果的」という耳寄りな話を、お伝えしておきます。
それは手書きの機会を増やすことです。
手書きの習慣を増やせば、連動して集中力を伸ばす効果が期待できます。
「手書きと集中力の間に、どのような相関関係があるのか」
そう不思議に思われるかもしれません。
「たかが手を使うだけでしょう?」
そんな声も聞こえてきそうです。
しかし、ちょっと待ってください。
手、なかでも「指」を使うからこそいいのです。
指先には、脳とつながる神経細胞が多く集中しています。
そのため、指を多く使うほど、脳に能動的にアプローチをかけていることになるわけです。実際、指先をよく使う画家やピアニストに長命の人が多く、認知症の人が少ないという事実は、よく言われています。
ですから私自身、日常の中で手書きの機会を増やすようにしています。
入浴中は耐水性のペンとメモ帳を浴室に持ち込むほどです。
不思議なことに、シャワーを浴びているときに、最もナイスなアイデアが湧いてきます。
また、人間の記憶は100%覚えた時点から急速に失われていきます。
ですから、一度とったメモは、遅くとも次の日中に見直すことをマイルールにしています。
見直しを忘れないよう、スマホのリマインダー機能を設定しています。そのタイミングであれば、メモにひもづくその場の雰囲気や思いつき、疑問点などをギリギリ思い出すことが可能だからです。
私自身、集中力に恵まれてはいなかった
このように手書きの習慣を毎日のように徹底していれば、自分の脳に毎日アプローチができていることになります。
つまり、私は集中力を衰えさせない、鍛えていく訓練を目指しているわけです。
なぜなら私自身、これまで「集中力に恵まれているなあ」と感じたことが残念ながら一度もないから(笑)。逆に「集中力は、自分の意志で伸ばせる!」とわかっているからです。
私がそう悟ったのは2013年のこと。記憶競技の大会本番で、自らの集中力の無さを突き付けられたことがきっかけでした。
日本記憶力選手権に初出場し、見事初優勝できた私は、同年8月に出場した「オーストラリアン・オープン」という大会でも優勝を収めました。
それらの勢いを受け、12月に行われる「世界記憶力選手権」にも出場を決意します。
しかし、そこで番狂わせが起こります。
自分としては世界記憶力選手権の肩慣らしのつもりで、9月に「香港・オープン」という大会に出場したのですが……。なんと結果は優勝どころか12位。
つまり自分の中では「大失敗」でした。敗因は、集中力の欠如です。
これまでと同じ記憶の作業に取り組んでいるのに、自分が置かれた状況やコンディションが異なるだけで集中力が著しく低下し、不首尾に終わってしまったのです。
私はあまりのショックで、それから記憶力と同様に、集中力の向上について追求し始めることになります。
そして内外の論文を読むうちに「手書き」と「集中力」の深い関係について知ることとなったのです。
もちろん集中力とは、読書の際だけに役立つ能力ではありません。
どんな場面でも、どのような作業をするときにも必須です。
手書きによって、脳にアプローチをかけながら、集中力もうまく磨いていきましょう。
まずはメモ帳を用意しよう
手書きといっても「原稿用紙に数十枚という単位で、手書きの原稿をお書きなさい!」とすすめているわけではありません。
小さいメモ帳を持ち歩くくらいなら、誰でもすぐに習慣化できるはずです。
また文具店には耐久性、防水性に優れた筆記具も、数多く取り扱われています。是非、お風呂にもメモとペンを持ち込んで、メモを試してみてください。
いつもと違う発想が出てくることに驚かれると思います。
最近は書店さんの一角にも文具コーナーがあります。
そこに足を踏み入れ、自分好みの商品を探すことも脳へのよい刺激になります。
「本を買うついでにメモを買う」
そんな流れも想定できます。
このように、本とメモは「同じ紙同士」というつながりだけにとどまらず、「脳を使う」という点で高い親和性があります。ですから両方と賢く付き合いましょう。
そして自分の集中力は自分で高めるというマインドセットで手書きメモを習慣化し、より豊かな読書時間を過ごしてください。
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提供元:「読書も楽に!」40代で集中力上がった"意外"習慣|東洋経済オンライン