2023.07.03
パイナップルの栄養と効能~健康効果や妊婦さんへの影響も詳しく解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 松原知香、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
デザートとしてだけではなく、酢豚など料理にも使われるパイナップル。
そしてパイナップルに含まれている栄養の効能効果は、便秘解消や美肌など私たちの健康的な体づくりをサポートしてくれます。
そこで今回はパイナップルの栄養と効能について詳しく解説いたします。保存状態による栄養の違いや、普段あまり食べない芯の栄養についてもお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。
パイナップルの栄養素と効能効果
パイナップルに含まれている主な栄養素として炭水化物、たんぱく質分解酵素(ブロメライン)、ビタミンCがあげられます。
ここでは、それぞれの働きについて解説いたします。
エネルギー源や便秘解消となる炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。糖質は体を動かす際のエネルギーとして使われる栄養素で、食物繊維は便秘解消などの効果があります。
パイナップルには100gあたり13.7gの炭水化物が含まれており、ショ糖(※)をはじめとする糖質が大部分を占めます。
(※)ショ糖とは脳を動かす唯一のエネルギー源である「ブドウ糖」と、果物に多く含まれる「果糖」が結びついてできた糖類
たんぱく質分解酵素(ブロメライン)
パイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素(ブロメライン)は、名前の通りたんぱく質を分解する酵素です。酵素は私たちの体の中で、栄養素の消化・分解・吸収・代謝を助ける重要な役割をもっています。
ちなみに、パイナップルをミキサーでペーストにしたものにお肉を漬けておくと、たんぱく質分解酵素の働きにより、焼いても硬くならず柔らかい状態で食べられます。
また、パイナップルを食べると舌がピリピリするといった経験はありませんか?あれは、たんぱく質分解酵素が舌の上のたんぱく質を分解することで起こる現象です。
この現象は、パイナップルを一度にたくさん食べると起こりやすいので、食べ過ぎにはご注意ください。
美肌にはビタミンC
ビタミンCは、美肌には欠かせないコラーゲンを作る際に必要となる栄養素です。さらに、しみの原因となるメラニン色素の生成を抑える、日焼けを防ぐといった女性には嬉しい働きが多くあります。
また、風邪やストレスに対する抵抗力を強めるといった効果も期待できます。
ニキビにはビタミンB2
パイナップルに含まれているビタミンB2は美肌の大敵、ニキビの対策に有効です。ビタミンB2は皮脂の分泌を調整する働きがあり、「皮膚のビタミン」とも言われています。
参考記事:パイナップルのカロリーと糖質はやや低め〜缶詰やダイエットでの活用法も紹介〜 ※外部サイトに遷移します
パイナップルの芯にも栄養はあるのか
普段、パイナップルの芯を食べる機会はあまりありません。さらに、芯は固いため食べずにそのまま捨てるという方も多いのではないでしょうか。
実はパイナップルの芯にも、たんぱく質分解酵素であるブロメラインが含まれています。芯は他のフルーツとともにミキサーにかけると、スムージーとしておいしく食べられますよ。
冷凍や缶詰には栄養がない?
冷凍すると、生の状態より栄養が損ないように感じる方も多いのではないでしょうか。たしかに冷凍することで細胞が壊れるため、解凍した時に細胞内に存在しているカリウムや水分が抜けやすくなります。
また缶詰と生のパイナップルを比較すると、ビタミンCが缶詰にすることで1/5まで減ってしまいます。
しかし、他の栄養面で大きな変化はありません。
冷凍も缶詰も、一部の栄養素は損なわれる可能性がありますが、傷みやすいパイナップルを日持ちさせるというメリットがあります。
生の状態と比べて全く栄養がないというわけではないため、好きな時に食べられるという手軽さを求めている方には、冷凍も缶詰もおすすめです。
ドライフルーツはどうか
ドライフルーツにする際に加熱する工程が含まれていると、たんぱく質分解酵素(ブロメライン)とビタミンCが壊れてしまいます。
そのため上記2つの栄養素については、生の状態と比べて少ない可能性があります。ただし冷凍や缶詰のパイナップルと同様に、ドライフルーツにすると日持ちする点はメリットです。
パイナップルを毎日食べると便秘に効く理由
生のパイナップル100gには1.2gの食物繊維が含まれています。そして、そのほとんどが不溶性食物繊維です。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と水に溶けにくい不溶性という2種類があります。不溶性食物繊維を摂ると便の量が増え、腸が刺激されることで便通を促し便秘解消に役立ちます。
妊婦さんはパイナップルを食べてはいけないのか
妊婦さんはパイナップルを食べてはいけない、ということはありません。むしろ、パイナップルは妊婦さんにも食べていただきたいフルーツです。
理由は、パイナップルに含まれている食物繊維の効果です。妊娠すると腸の動きが鈍くなり便秘になりすいため、パイナップルに含まれる食物繊維の働きにより、便秘解消が期待できます。
注意点は、缶詰のパイナップルのカロリーや糖質量です。缶詰のパイナップルはシロップ漬けになっているため、生の状態よりカロリーや糖質が高くなります。
食べ過ぎには気を付けて、できるだけ生のパイナップルを食べるとよいでしょう。
【話題の】台湾パイナップルってなに?
台湾パイナップルと一般的なパイナップルの違いは甘さと柔らかさです。通常のパイナップルと比べてより濃厚な甘みと柔らかさが特徴で、固くて捨ててしまいがちな芯までおいしく食べられます。
スーパーではなかなか見かけないですが、ぜひ一度食べてみたいですね。
まとめ
パイナップルには炭水化物やビタミンC、食物繊維、ビタミンB2が含まれ、毎日食べることで便秘解消や美肌効果が期待できます。
またいつもは捨ててしまいがちな芯にも、私たちの体に重要なたんぱく質分解酵素が含まれているので、捨てずに活用するとよいでしょう。
パイナップルは生の状態が1番多くの栄養素を摂取できます。一方で生は傷みやすいため、冷凍や缶詰、ドライフルーツといった日持ちする状態で保存すると、好きな時に食べることができます。
それでは当記事を参考に、パイナップルの栄養成分で健康な生活を送っていただけるとうれしいです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
東京かつしか赤十字母子医療センター 母子日赤だより 食物繊維について
台湾新聞 「台湾パイナップルのご紹介」~低カロリーでヘルシーな果実
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 松原知香
宮城学院女子大学食品栄養学科卒業。幼少期、入院中に絶食を経験し食べて健康に過ごす大切さを感じて管理栄養士を目指す。卒業後は食品メーカーにて介護食の営業に従事。病院や老人ホームの管理栄養士をはじめ医師、看護師、薬剤師への商品紹介や研修会を通して、業務上での悩み解決や患者様・利用者様のQOL(生活の質)向上に尽力。情報にあふれた現代で「誤った情報に惑わされずに、日々の食事を楽しめる人を増やしたい」という思いからH2株式会社に入社。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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提供元:パイナップルの栄養と効能~健康効果や妊婦さんへの影響も詳しく解説~|【シンクヘルスブログ|シンクヘルス株式会社】