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2023.06.14

「サウナで痩せる」は本当か?意外な"納得の結論"|気になる!絶大な「リラックス効果」含めると…


サウナ浴には、はたして「どの程度のダイエット効果」が見込めるのでしょうか?(写真:マハロ/PIXTA)

サウナ浴には、はたして「どの程度のダイエット効果」が見込めるのでしょうか?(写真:マハロ/PIXTA)

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「サウナでは大量に発汗するので、ひょっとするとダイエット効果があるのでは!?」と、誰しも一度は勘ぐったことがあるのではないか。

たしかに、心身の基礎健康状態、ストレスの有無、生活リズムの規則正しさなどがダイエットの成功に多かれ少なかれ関係することを考えれば、サウナ浴は、あなたの体質改善のきっかけづくりとなる可能性を十分に秘めている。

では、具体的に、サウナ浴にはどの程度のダイエット効果が見込めるのか。

話題の新刊『「最新医学エビデンス」と「最高の入浴法」がいっきにわかる!究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』の日本語オリジナル版翻訳を手がけた、フィンランド在住のサウナ文化研究家・こばやし あやな氏が、科学的な見地からそのメカニズムを探る。

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「サウナで汗をかいた分だけ痩せられる?」は不正解

「サウナで、汗をかいた分だけ痩せられるかも……?」という期待は、残念ながら現実のものとはならない。

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人の体内は、たとえ発汗で一時的に水分量が減っても、その後の水分補給や飲食によって、すぐにもとの水分量や体重に戻るようにできている。

少しでも発汗量を増やそうとして、サウナ浴中や前後の水分補給を怠るのは、むしろ危険行為だ。

過剰な発汗による体内の水分不足は、サウナの熱刺激によって、めまいや頭痛といった体調不良を引き起こしやすい。

それを回避するために、入浴前・クールダウン中・入浴後それぞれにグラス1〜2杯分(約500ミリリットル)の水を継続的に飲むことを、フィンランド人の医師や専門家が強く勧めている。

また、冬のアイスホールスイミングや、日本人のサウナ浴に欠かせない水風呂に代表される「冷浴」による冷刺激は、体内の脂肪燃焼を促す褐色脂肪細胞を活発化するので、ダイエット効果がある……という説もしばしば聞かれる。

凍った湖に穴を開けて「アイスホールスイミング」を楽しむのも、サウナの本場フィンランドで人気のある健康法(写真提供:こばやし あやなさん)

凍った湖に穴を開けて「アイスホールスイミング」を楽しむのも、サウナの本場フィンランドで人気のある健康法(写真提供:こばやし あやなさん)

このメカニズム自体は確かだが、実際のところ、冷刺激に耐えることによる脂肪燃焼量は、適度に負荷のある運動をたった数分間するときとさほど変わらない、と同医師や専門家は指摘する。

つまり、決して「効率的なダイエット法」とまでは言えないのだ。

結局、健全なダイエットに直結するのは食事と運動習慣の見直しに尽きる。しかし、ではサウナ浴にまったくダイエット効果が期待できないかといえば、決してそんなことはない。

減量のカギを握るのは、脂肪の燃焼力、すなわちエネルギー消費量をアップさせることだ。

つまり、日頃から心身の健全な状態を保ち、少しずつでも基礎代謝を上げることができれば、日常生活での脂肪燃焼量も自然と上がってくれるはずなのだ。

そしてサウナが好作用を及ぼしてくれるのは、まさにその「健全なこころと身体づくり」の部分だ。

本場フィンランドでの「サウナの健康効果」の研究

誰もが幼少期(多くは1歳未満)からサウナ浴を日常的に嗜むサウナ大国フィンランドでは、医学や健康科学分野でも、「サウナ浴のもたらす健康効果に関する研究」が数多くなされてきた。

とりわけ2015年以降、東フィンランド大学のサウナ医学に特化した研究チームが、頻繁にサウナ浴を行う人たちのグループと、ほとんどサウナに入らない対照群の30年にわたる観察研究の結果を明らかにして世界を驚かせた。

端的に結果を言えば、日頃サウナに入る回数が多い人ほど、心臓病など心血管疾患による死亡リスクが大幅に低下することがわかったのだ。

研究チームを率いるヤリ・ラウッカネン教授は、その根拠として、定期的なサウナ浴のたびに「静脈血管の柔軟性」が増して「血管」が拡張し、一時的に血圧を低下させる点を指摘し、実証実験も行っている。

詳しくは、「サウナ研究の世界的権威」でもあるヤリ・ラウッカネン教授が医学監修をつとめた話題の新刊『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』で解説されているので、興味がある方は、ぜひそちらをご一読いただきたい。

「痩せやすい身体づくり」に貢献する可能性は十分あり

サウナのもたらす「リラックス効果」の絶大さは、数値化こそ難しいが、私たちが健全な心身を維持していくために決して無視できない。

スマホやパソコンから否応無しに距離をとれる入浴タイムは、日々酷使している脳を休める貴重な「オフラインセラピー」の時間となるだろう。

スマホやパソコンから否応無しに距離をとれる入浴タイムは、日々酷使している脳を休める貴重な「オフラインセラピー」の時間となる(写真提供:こばやし あやなさん)

スマホやパソコンから否応無しに距離をとれる入浴タイムは、日々酷使している脳を休める貴重な「オフラインセラピー」の時間となる(写真提供:こばやし あやなさん)

さらに、フィンランド・サウナ特有のロウリュ(焼け石に水をかけることで室内にめぐる熱々の蒸気)を断続的に浴びたり、水風呂や凍った湖などの冷水に身を沈めたりして、自律神経に心地よい刺激を与えることで、筋肉疲労の緩和やストレスの軽減が期待できる。

ロウリュを断続的に浴びたり、水風呂などの冷水に身を沈めたりして、自律神経に心地よい刺激を与えることで、「筋肉疲労の緩和」や「ストレスの軽減」が期待できる。絶大な「リラックス効果」まで含めると、サウナ浴が「痩せやすい体づくり」に貢献する可能性は十分考えられる(写真提供:こばやし あやなさん)

ロウリュを断続的に浴びたり、水風呂などの冷水に身を沈めたりして、自律神経に心地よい刺激を与えることで、「筋肉疲労の緩和」や「ストレスの軽減」が期待できる。絶大な「リラックス効果」まで含めると、サウナ浴が「痩せやすい体づくり」に貢献する可能性は十分考えられる(写真提供:こばやし あやなさん)

ストレスが原因でドカ食いに走りやすい人はとくに、サウナ浴のように健康的で心地よいストレス解消法を見つけることが、減量への近道となるかもしれない(ただしサウナ浴後は、味覚の感度が上がって何でもいっそうおいしく感じるので、誰しも食べすぎに注意!)。

こうした日々のセルフメンテナンスやリフレッシュ行為の積み重ねこそが、ただ「痩せる」という目的だけでなく、「バランスのとれた健やかな心身」を維持する何よりの秘訣なのだ。

サウナ浴による直接的な減量効果はさほど見込めなくても、血行が良くなると代謝も連動して上がりやすくなるのは周知の事実であり、「心身のリラックス効果」も含めば、サウナ浴の習慣がめぐりめぐって「痩せやすい身体づくり」に貢献している可能性は、十分にあると言えるだろう。

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誤解だらけ?「フィンランド式サウナ」意外な真実

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提供元:「サウナで痩せる」は本当か?意外な"納得の結論"|東洋経済オンライン

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