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2023.04.25

平気で「朝、走る人」が知らない"超危険"の正体|「健康によさそうだけど…」あなたは大丈夫!?


「健康を維持するためにジョギングする」という選択は、"タイミング"を誤ると健康を損ねるリスクもあります(写真:Ushico/PIXTA)

「健康を維持するためにジョギングする」という選択は、"タイミング"を誤ると健康を損ねるリスクもあります(写真:Ushico/PIXTA)

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生活習慣病、血管、心臓など内科・循環器系のエキスパートで「血管の名医」として知られ、日々多くの患者と接する医学博士の池谷敏郎氏。

テレビ番組『あさイチ』(NHK)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)やラジオ番組などに多数出演し、楽しくわかりやすい解説が好評を博している。

過去15キロ以上の減量に成功し、その減量メソッドを全公開した15万部のベストセラー『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』に続き、『60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える 「100年心臓」のつくり方』を上梓した。

突然死を防ぎ「人生100年時代」を最後まで元気に満喫するための「100年もつ心臓」を作る秘訣を、運動、食事、メンタルなどあらゆる観点から解説した1冊で、発売わずか6日で3刷2万部を突破するなど、大きな話題を呼んでいる。

その池谷氏が「平気で『朝、走る人』が知らない超危険な健康リスクの正体」について解説する。

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運動には「心臓にいい運動」「悪い運動」がある!

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突然死を防ぎ、「人生100年時代」を最後まで満喫できる「100年心臓」を手に入れるために、ぜひとも取り入れてほしいのが「運動」です。

運動をすると、「心肺機能」(体に効果的に酸素を取り込む力)がアップし、副交感神経が優位になることで、安静時の心拍数が減少したり上がったりしにくくなります。

また、ストレスを解消し、末梢血管をしなやかに開くことで血液循環を改善し、動脈硬化の進行を防ぐことに役立ちます。

さらに、運動をすることでメタボを解消し、生活習慣病を予防・改善する効果も期待できます。

とはいえ、どんな運動でもいいというわけではありません。

とりわけ中高年の場合は「どんな運動」をするか、「運動の質」に気をつけていただきたいのです。

運動には「心臓にいい運動」と「心臓に悪い運動」があります。「心臓に悪い運動」をしてしまうと、心臓病になりやすくなったり、心臓病のある人はそれを悪化させてしまったりしかねません。

とくに中高年が気をつけてほしいのは「早朝のジョギング」。

「健康のために、朝早く起きてジョギングをしている」という人もいると思います。しかし、それが「やり方次第」では、「心臓に悪い運動」になってしまいかねないのです。

一見健康そうな「朝のジョギング」実は要注意

「朝のジョギング」というと、いかにも健康そうです。しかし、ジョギングは軽いものであっても、それなりに強度の高い運動です。

朝、急に「強度の高い運動」を行うと、心拍数・血圧が急に上がり、心臓に負担をかけてしまうのです。

さらに、朝食前、空腹状態で走るのも好ましくありません。空腹での運動は脱水を招き、血栓を生じやすくしてしまうからです。

走るなら「夕方から夜にかけての時間帯」がおすすめです。この時間帯は心拍数も落ち着き、血圧も下がってくるからです。

「どうしても朝走りたい」という人は、「起きてから1時間以内」は避けることです。時間の余裕をもって、朝食をとってからスタートしましょう。

その際、いきなり走り始めるのではなく、最初はウォーキングから始めて、徐々に軽いジョギングに移行していくようにしてください。

「朝食がとれない」という場合は、運動をする前に水分補給をしっかりしてください。

朝のジョギングは注意が必要ではありますが、朝の運動自体がNGというわけではありません。

ゆっくり体を動かす「ウォーキング」や「犬の散歩」などの運動はOKです。私も朝、2匹の犬を連れて散歩に行くのを日課としています。

「軽いジョギング」といっても、ジョギングはそれなりに激しい運動で、心臓に負担をかけてしまう。「どうしても朝走りたい」という人は、最初は「ウォーキング」から始めて、それから徐々に「軽いジョギング」にしていくことを心がける(イラスト『「100年心臓」のつくり方』より)

「軽いジョギング」といっても、ジョギングはそれなりに激しい運動で、心臓に負担をかけてしまう。「どうしても朝走りたい」という人は、最初は「ウォーキング」から始めて、それから徐々に「軽いジョギング」にしていくことを心がける(イラスト『「100年心臓」のつくり方』より)

「心臓に悪い運動」は心拍数・血圧を急激に上げてしまう運動ですが、では「心臓にいい運動」とはどのようなものでしょう。

「心臓にいい運動」は「最大心拍数」に着目

それは心拍数が多くなりすぎず、もちろん低くもなく、適切なレベルに保たれる運動です。

「適切なレベルの心拍数」は、年齢によって異なります。

まず「最大心拍数」を出します。最大心拍数は、以下の計算式で簡易的に出すことができます。

最大心拍数=220-年齢

みなさんもご自分の最大心拍数を出してみてください。60歳の人なら160です。

この最大心拍数の何パーセントかによって「運動の強度の目安」が決まってきます。「心臓にいい運動」は次の通りです。

(1)運動不足の解消、病後などの回復の場合 ⇒最大心拍数の約40%以下

(2)脂肪を燃焼させたい場合 ⇒最大心拍数の約40~70%

日ごろ運動をしていない人、病後の人などは①から始めましょう。

普段からそこそこ運動をしている人は②から始めてOKです。最大心拍数の40~70%というと「ラク~ややきつい」程度の運動となります。

ちなみに有酸素運動は「最大心拍数の80%以下」の運動をいいます。

具体的には「ウォーキング」「水泳」「池谷式ゾンビ体操」などがおすすめです。

運動に慣れていない人は10分程度から始め、少しずつ時間を増やしていきましょう。1日30分以上を週に3~4回行うことで、「心臓の健康」にもいいし、脂肪燃焼効果も狙えます。

ゾンビ体操、そのほかの「心臓にいい運動」については、拙著『「100年心臓」のつくり方』をぜひ参照していただきたいと思います。

「心臓に悪い運動」を避け「心臓にいい運動」を毎日の生活に取り入れることで、突然死を防ぎ、100年人生を満喫できる「100年心臓」を、ぜひ手に入れてください。「健康で長生き」をめざしましょう!

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提供元:平気で「朝、走る人」が知らない"超危険"の正体|東洋経済オンライン

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