2023.04.10
「三日坊主になる人」は簡単な事で生まれ変われる|続けられないのは連続して休んでしまったから
最近サボり気味かも…やめていた勉強習慣を復活させる方法とは(写真:プラナ/PIXTA)
読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格した石動龍氏による連載「あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。
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せっかく始めた習慣が途切れる瞬間
1月1日、4月1日は新しいことにチャレンジするのに最適な日です。
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年が変わった、年度が変わったことで気持ちも新たになり、スタートを切りやすい心境になります。
私にとっても、4月はチャレンジの月です。
年明けから始まる確定申告が終わって時間ができ、何かにトライしたくなります。
2022年は、4月からランニングと英会話を始めました。
朝6時に起きて30分ほど走り、腕立て、腹筋、スクワットを50回行います。そして、シャワーを浴びてからパソコンを立ち上げ、オンラインでフィリピン人講師と英会話のレッスンを30分ほど行っていたように記憶しています。
充実した毎日で、健康とスキルアップにつながるよい時間でした。
そう、「記憶している」と書いたとおり、当然のように、あっさりこの取り組みは挫折しています。
20代から続けていた格闘技を引退し、車が中心の地元に移住して歩かなくなり、運動量が大幅に減りました。食事の量も意識的に減らしていますが、体重は毎年のように増加傾向にあり、ストップをかけることが必要だと自覚しています。
毎年の健康診断で、ほぼ問題なしの結果を受け取るものの、肥満度だけは危険水域のため、別室送りで食習慣や運動習慣についてレクチャーを受けるのが定番です。大切なのは理解していても、ダイエットについて毎年同じ説明を受けるのはなかなか恥ずかしいもので、病院を出るときはいつも「来年はやせてここに来る」と誓います。
元々、ランニングは好きではありません。
幼少期から太っていた私にとっては、もっとも不得意なスポーツです。
続けるうちに、次第に「やりたくない」という気持ちが募っていきました。
せっかく寝ていられるのに朝早く起きるのはそもそも苦痛ですし、疲れがたまらないように前日も遅くならないように布団に入るため、自由時間も削っていました。
しかも、走っても走ってもなかなか体重は減らず、自分でもモチベーションが低下していくことを感じていました。
せっかく始めた習慣が途切れたのは、走り始めて3ヶ月ほどのことでした。
これまでに扱ったことのない、難易度が高い仕事の依頼が来たため、関係法令を調べる時間が長くなり、労働時間が増えて早起きの負担が大きくなりました。
疲れがたまった私は、「仕事に悪影響がないように1日だけ休もう」と決めて、ランニングをさぼりました。次の日は走る時間に目が覚めたものの、自分を正当化する理由ができたので、そのままさぼってしまい、それっきり今まで走っていません。英会話もサービスを解約し、例年どおり挫折するパターンとなりました。
習慣を続けられなかった最大の原因
続けられなかった最大の原因は、連続して休んでしまったことです。
何かの目標に向かって努力することは、言い換えれば自分に負荷をかけることです。
従って、休みなく毎日続けていればストレスがたまり、限界が訪れます。
そのため、定期的に休みを取ることは、努力を習慣化するために重要です。
この「習慣化」が継続の大きなポイントです。
勉強やダイエットは、悪く考えた場合、それ自体が楽しくなければ、貴重な余暇を削ってやりたくないことをすることです。ですから、カテゴリーで考えると、仕事や部活に行くのと同じところに分類されます。
高いビジョンを持って仕事に取り組んでいる人は、日曜の夜に気分が落ち込むことはなく、オフィスに行くのが楽しみで仕方ないかもしれません。サラリーマン時代、私はあまり意識が高くなかったため、月曜の朝はどんよりとした気分で家を出ることになり、どんなに天気が良くても空が灰色に見えました。同じ気持ちで週明けを迎える人も多いと思います。
なお、独立してからは勤務時間も自由時間になったので、仕事の楽しさに目覚め、日曜の夜に悲しい気持ちになることはなくなりました。今週も楽しかったな、という充実した思いで布団に入っています。
このように、意識の低い私でも、勉強は続けられました。その最大のポイントは、習慣化に成功したからです。機械のように、疑問を持つことなく決まった時間にテキストを開き、問題を解くことを繰り返して、合格に足りる実力を得られました。
続けて休んだときは、この点が問題になります。
それまで努力することが習慣だったのに、さぼることが習慣になってしまうからです。
休むことに、自分の中で正当理由ができてしまうと、より難しくなるでしょう。
自分に言い訳をする必要がなく、苦しいことから逃げるのが当たり前になります。
このように、資格試験の際は努力を続けられた私でも、他のことは続けられません。
特別な人を除いて誰もが意思は弱いものであり、それを前提に努力を継続できる仕組みを作るべきです。
続けて休んでしまった場合に再開する方法
それでは、予定外に続けて休んでしまった場合に勉強を再開する方法について、具体的に考えてみましょう。
大切なのは、最初の一歩を踏み出すことです。
これが最も難しく、最も重要です。
続けて休んだことで罪の意識を感じていれば、「合格したい」という気持ちが高まり、自然に勉強を再開しているはずです。
そうなっていない場合は、とても危険な状態です。
私がランニングをやめてしまったように、やらない自己正当化の理由ができてしまっているか、努力することに心が疲れてしまい、ギブアップ寸前になっているかのどちらかです。目標が達成できない可能性がとても高くなっている状態でしょう。
その場合は、「再開する」ことに集中すべきです。
ここで始められないと、ずるずるとテキストを開くまでに時間がかかり、心がどんどんやめることに傾いてしまいます。私が最初に公認会計士試験に挫折したときも、休んでいるのに負担が増えていき、心がどんどん重く苦しくなっていきました。
「やめる」と決断してからは気持ちが一気に軽くなったものの、楽になるのは一時的です。その後、目標としていた資格を目にするたび、心にとげが刺さったように、苦しい気持ちを感じてしまいます。
従って、続けて休んで自然に勉強を再開できない場合は、危険な状態であることを自覚し、軽い負担の内容をすぐに始めるべきです。
具体的には、得意な科目のテキストを少し読むなど、ルーティンのうちで自分にとって楽な内容から手をつけましょう。普段のルーティンを変えてでも、軽い内容から徐々に負担が重い内容にシフトしていきましょう。階段や坂を登っていくイメージです。運動でもリハビリの際は軽いメニューから調整を始めるのと同じです。
そして、軽いメニューをこなしている間に、当初の目標を強く意識しましょう。
努力を始めた当初は、合格して人生を変えたいとか、収入を上げたいとか、具体的で強い目的があったはずです。リタイア寸前の状況は、メリットを辛さが上回っています。目標を思い出して、つらさより合格した場合に得られるものが大きいことを、改めて強く意識しましょう。
調子が戻ってきたら、ルーティンを見直してみましょう。
休んでしまった原因が詰め込みすぎで無理があるルーティンにある可能性もあります。
勉強を続けられなければその時点で不合格が確定するので、無理なスケジュールを組んでも意味がありません。自分が続けられるように内容を見直し、なるべくイレギュラーな休みを取らないようにしましょう。
資格試験に合格するには、本試験まで続けて勉強することが絶対条件です。多くの人が、犠牲を払っても途中で挫折していきます。継続を主眼に計画を立てていても、ときには疲れてギブアップ寸前になることがあります。そんなときは、自分を甘やかして低いハードルを設定し、小さい目標をクリアしましょう。徐々にペースを戻しながら、ルーティンを修正し、再び勉強のリズムを取り戻しましょう。
まとめ
続けて休んでしまった場合に勉強を再開する方法
・最初の一歩を踏み出す
・軽い負担の内容をすぐに始める
・当初の目標を強く意識し、調子が戻ってきたら、ルーティンを見直す
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提供元:「三日坊主になる人」は簡単な事で生まれ変われる|東洋経済オンライン