2023.03.13
カシューナッツの栄養成分と効能~健康に良い食べ方も徹底解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
歯触りが柔らかく、ソフトな甘みが魅力のカシューナッツ。
最近では、健康や美容のためにナッツを取り入れる方も多く、カシューナッツを手にする機会も増えたのでないでしょうか。
そこで今回は、カシューナッツの栄養や効能について分かりやすくお伝えしていきます。
さらに健康に良い食べ方もご紹介しますので、最後までお付き合いください。
カシューナッツの栄養と効能
種実類に分類され水分が少ないカシューナッツは、私たちの体に嬉しい栄養素がたくさん詰まっています。
それでは早速、順に解説していきますね。
筋力の元になるたんぱく質
カシューナッツには、三大栄養素(※)のひとつであるたんぱく質が豊富です。
(※)炭水化物、たんぱく質、脂質の3つのことです。
たんぱく質は筋肉や臓器・皮膚などの体を作るだけでなく、酵素やホルモンなど体の機能も調整しています。
さらにたんぱく質が不足すると筋力も低下するため、私たちの体にとって重要な働きをしている栄養素といえます。
疲労回復にビタミンB1
カシューナッツには、疲労回復効果が期待できるビタミンB1も豊富に含まれます。
またビタミンB1は体内でエネルギー産生にも関与しており、よく体を動かす人には積極的に摂っていただきたい栄養素のひとつです。
骨の形成に必要なビタミンK
丈夫な骨づくりを形成するために必要なビタミンKも、カシューナッツには豊富です。さらにビタミンKは、出血した時に血を固める際にも重要な働きをします。
悪玉コレステロールに効果的なオレイン酸
カシューナッツには、オリーブ油に豊富に含まれていることで有名なオレイン酸も含まれます。
一価不飽和脂肪酸(※)に分類されるオレイン酸は、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを下げる効果が期待できます。
(※)植物や魚の脂に含まれている脂質のことです。
参考記事:オリーブオイルのカロリーは高い?〜ダイエット効果や糖質オフレシピも紹介〜 ※外部サイトに遷移します
貧血予防に葉酸
葉酸は赤血球の生産を助ける働きがあるビタミンです。
そのため葉酸は貧血予防に効果が期待でき、さらにビタミンB12と一緒に赤血球を作るため、“造血ビタミン”とも呼ばれています。
葉酸は胎児の発育にも関わるため、妊娠を計画している女性や妊娠初期の妊婦さんに不可欠な栄養素です。カシューナッツを間食に取り入れて、葉酸を補給しても良いでしょう。
味覚を形成する亜鉛
亜鉛は味覚を感じる味蕾(みらい)細胞を作る際に必要なミネラルで、亜鉛が不足すると味を感じにくくなる可能性があります。
さらに亜鉛は、免疫反応にも関与している栄養素です。
なおカシューナッツを10粒(約15g)食べると、成人男性の一日に必要な亜鉛の15%摂取できます。亜鉛は体に貯め込むことのできない栄養素ですので、こまめな摂取を心がけましょう。
カシューナッツは子供の成長にも良いって本当?
栄養豊富なカシューナッツは、子供の成長にも良いと言えるでしょう。
なぜなら子供の成長期は、身長や体重が増えるだけでなく内臓や脳・神経機能なども発達するために、その発達に見合うだけのエネルギーや栄養素が必要だからです。
カシューナッツは間食に取り入れるだけでなく、サラダのトッピングなど料理にも幅広く使うと良いでしょう。
カシューナッツと肝臓の関係
実はカシューナッツは、肝臓とも関係があります。
というのもカシューナッツには、肝細胞の修復や機能回復に必要なたんぱく質、そして肝機能が低下することで不足するビタミンが含まれているからです。
なお肝臓は私たちの体にある臓器で一番大きく、何かのダメージを受けていても症状が出にくいため、“沈黙の臓器”とも言われており、肝機能を改善する生活習慣で大切なことのひとつに「たんぱく質やビタミンを摂る」があります。
ただし、カシューナッツは摂り過ぎるとカロリーが過剰になるため食べ過ぎには注意しましょう。
カシューナッツの食べ過ぎは太るの?
結論から申し上げますと、カシューナッツの食べ過ぎは太る原因になります。
なぜなら栄養豊富なカシューナッツは、カロリーが高く飽和脂肪酸(※)も多く含まれるからです。
(※)肉などの動物性食品に含まれている脂質です。
なおカシューナッツ10粒(15g)あたりのカロリーは90kcalで、これはバナナ約1本分のカロリーに相当します。
手軽につまむことが出来るカシューナッツですが、適量を心がける必要があります。
1日の摂取量の目安はどのくらい?
一般的に、1日の間食は200kcal程度が適量と言われていますので、カシューナッツは約20粒ぐらいを目安にすると良いでしょう。
しかしダイエット中などでカロリーが気になる方は、もう少し少なめの80~100kcalで調整するのがおすすめです。カシューナッツですと9~11粒ですので、ご参考にしてください。
健康に最も効果的な食べ方と選び方
様々なカシューナッツが市販されていますが、健康のためには「無塩・素焼き」タイプを選ぶと良いでしょう。
というのも、加工時に塩や油を添加しているカシューナッツは、カロリーが高くなるだけでなく塩分も摂り過ぎになるからです。
またカシューナッツは食べやすく、つい食べ過ぎになりがちですが、
(1)最初に食べる分だけ小皿に分ける
(2)お茶などの温かい飲み物と一緒に、ゆっくり噛んで食べる
ことで満足感も出やすくなります。
参考記事:ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜 ※外部サイトに遷移します
皮付きのカシューナッツは消化しづらい?
結論から申し上げますと、皮付きのカシューナッツは消化しづらいです。
というのも皮付きのカシューナッツは、皮なしのカシューナッツより不飽和脂肪酸が多く含まれているからです。
不飽和脂肪酸などの脂質は消化に時間がかかるため、腹持ちの良い反面胃や腸に負担がかかります。
また、皮付きのカシューナッツはポリフェノールも多く含まれ抗酸化作用が強いですが、食べ過ぎないよう心がけると良いでしょう。
まとめ
以上、カシューナッツにはたんぱく質やビタミンB1・ビタミンK・亜鉛など、私たちの体にとって嬉しい栄養素がたくさん含まれていることが分かりましたね。
さらに栄養豊富なカシューナッツは、子供の成長にも効果があります。
しかしカシューナッツは、カロリーや脂質が多く食べすぎると太る可能性もあるため、1日20粒ぐらいを目安に食べると良いでしょう。
なお、ダイエット中は1日9~11粒を目安にしてくださいね。
また皮付きのカシューナッツは、皮なしのカシューナッツに比べて不飽和脂肪酸が多く含まれているため、消化しづらいこともポイントです。
食べる時は適量を心がけたいですね。
今回の記事により、美容と健康に良いカシューナッツを、日々の生活にうまく取り入れていただけると嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・料理家 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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