2023.03.10
女性は40代から糖尿病になりやすい?〜原因や初期症状など分かりやすく紹介〜
女性は40代頃から、更年期に入ります。
実際、更年期は体が火照ったり疲れやすかったり辛い期間ではありますが、実は糖尿病とも関係があることはあまり知られていません。
また妊娠出産によって血糖値が変化することもあります。
そこで当記事では、女性ならではの糖尿病の特徴についてお伝えしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
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なぜ40代から?糖尿病と女性ホルモンの関係
女性ホルモンの中には血糖値を調整する働きを持つものがあり、糖尿病との関連が示唆されています。
一般的に、女性は40代ごろから女性ホルモンが減少する更年期に入っていきます。
つまり40代の女性は女性ホルモンが少なくなり、血糖値の調整がされにくくなることで糖尿病にかかりやすくなるのです。
20代30代の女性はどうか
20代30代の女性は、女性ホルモンの減少は起こりにくいです。
しかし、糖尿病の誘因は女性ホルモンだけではなく、むしろ生活習慣によるところが大きいと考えられていますので安心は出来ません。
また、近年では若い世代の2型糖尿病患者が増えていると言われています。
とくに、空腹時の血糖値が正常なのに食後の血糖値が高い、いわゆる「隠れ高血糖」と言われる方は若い女性にも多い傾向です。
一説には、血糖値を下げるために必要な筋肉量が少ないことなどが要因と言われていますが、糖尿病に進行することも多いため、早めに対処しましょう。
妊娠糖尿病について
妊娠糖尿病とは、「妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病にいたっていない糖代謝異常(※)」と定義されています。
(※)糖代謝異常とは、血糖値を正常に保つことができず血糖値が高くなってしまっている状態のこと
参考までに、もともと糖尿病に罹っている人が妊娠した場合は妊娠糖尿病とは言わずに、糖尿病合併妊娠と言います。
また、妊娠中も女性ホルモンの分泌量は大きく変化します。
そして女性ホルモンにはいくつか種類がありますが、妊娠中にはインスリンの効きが悪くなるホルモンの分泌も増加するのです。
通常なら血糖値が上がりすぎないように身体の調整機能が働きますが、仮に肥満があったりすると、身体の調整機能が上手く働かず血糖値が高くなってしまうことも。
妊娠糖尿病は、出産すると血糖値が正常に戻ることが多いものの、将来的にまた糖尿病になる確率が高いと言われています。そのため血糖値が正常に戻ったとしても、常日頃から生活習慣には気をつけましょう。
参考記事:妊婦さんがなりやすい妊娠高血圧症候群とは〜症状・対策などカンタン解説〜 ※外部サイトに遷移します
糖尿病を引き起こす生活習慣
まず、運動不足は糖尿病を引き起こすリスクが高いです。
その理由ですが、運動不足になると肥満のリスクが上がり、肥満によって血糖値を下げるインスリンの効きを悪くするからです。
逆に適切な運動は、血糖値を下げる効果やインスリンの効きを良くする効果がありますので、適度な運動習慣をつけられるといいですね。
また、脂質の多い食事も糖尿病のリスクを高めます。
昨今、日本人の1日の総カロリー摂取量は減っていますが糖尿病患者さんの数は増えており、これは脂質の多い食事が原因と考えられています。
そこで申したいのは、揚げ物や脂身の多い肉(バラ肉など)は摂りすぎないよう注意するのがよいでしょう。
参考記事:糖尿病とはどんな病気?症状・原因・治療などをわかりやすく解説 ※外部サイトに遷移します
糖尿病になりにくい女性はいるの?
遺伝的に糖尿病になりにくい人は存在します。
しかし、糖尿病になりにくい遺伝子を持っていたとしても、暴飲暴食や肥満体形を維持していると糖尿病リスクは上昇します。
つまり、運動や食事を気にかけることが糖尿病になりにくい身体になる近道です。
参考記事:更年期は高血圧になりやすい?〜原因・症状・対策をカンタン解説〜 ※外部サイトに遷移します
女性のための糖尿病セルフチェックリスト
『今の私は、糖尿病なのかな…』というあなたに向けた、糖尿病セルフチェックリストです。
下記のチェックボックスをクリックいただき、『複数当てはまる』など気になる点がありましたら、医療機関で検査を受けても良いかもしれません。
女性の糖尿病の初期症状とは
糖尿病の初期症状は、男女で大きく差はないと言われています。
しかし女性は生理前の月経前症候群や更年期障害と重なると、疲れやすさや怠さなど糖尿病と似た初期症状が現れることがあり、気づきにくいかもしれません。
ですので喉の渇き、尿量が多くなったという症状は糖尿病において特徴的なため、もし症状が出たら早めに医師に相談するようにしましょう。
またもともと女性に多い膀胱炎ですが、糖尿病になると免疫力が低下するため更にかかりやすくなります。発症頻度が増してきたり以前よりも治りにくかったりする場合も、早めの受診をオススメします。
糖尿病の治療を紹介
糖尿病の治療は、食事と運動を中心とした生活習慣を見直すことが重要です。
重度の糖尿病でない限り、まず生活習慣を見直し血糖値を正常にコントロールしているか様子をみます。あまり効果が見られない場合は、薬を使った治療が始まります。
まずは食事と運動を見直そう
繰り返しになりますが、食事と運動は糖尿病治療の大前提です。
ですので食事は野菜を多めにして、脂質を控えめにできるとよいです。食物繊維が多く含まれる野菜を増やすと、女性に多い便秘にも効果的なのでオススメです。
なお運動はなかなか取り組むことが難しく、続かない方も多くいらっしゃいます。長く続けるためにも日ごろの生活の中で、なるべく歩くなど出来ることを意識するとよいですね。
参考までに歩行時に大股で早歩きをすると、カロリー消費が増えると言われています。
また通勤時や買い物に行くときに、ヒールのついた靴からぺたんこ靴やスニーカーに変え、運動量を増やすのもいいかもしれませんね。
ウォーキングは効果的な方法か
ウォーキングに代表される有酸素運動は、血糖値を下げるのに効果的です。
ただ、一日だけたくさん頑張るというより、少しずつでもいいので毎日続けるほうがよいと言われています。
また 一日の中で、運動時間を分割するのも良いですよ。
その他にも自転車移動を歩きに変えてみたり、一駅分歩いてみたり、運動に変えられる生活習慣を探せるといいですね。
改善が難しいなら医師に相談を
食事も運動も頑張ったけれど、なかなか血糖値が改善しない…そんな時は正直に医師に伝えるようにしましょう。
さらに食事内容や運動時間などを正確に伝えられると、より良いアドバイスがもらいやすく医師も治療方針を決めやすくなります。
まとめ
糖尿病は、生活習慣と密接に関連した疾患です。
ホルモンバランスや、遺伝的ななりやすさなどの難しさもありますが、「年を取ったから」「若い頃とは違うから」とあきらめず、いつまでも自分らしく輝くために生活にちょっとした工夫を取り入れ、健康的に過ごしていただければと思います。
■参考文献 ※外部サイトに遷移します
見てできる臨床ケア図鑑 糖尿病看護ビジュアルナーシング監修 平野勉 編集 柏崎純子 学研メディカル秀潤社 2015年発行
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 更年期障害
特集 ライフステージ別の糖尿病治療 更年期と糖尿病 2004年
Brisk walkingの歩幅の違いがエネルギー代謝へ及ぼす影響 2015年
執筆者:副編集長 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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