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2023.01.27

「腰痛になりやすい人」がやりがちな"マズい習慣"|習慣を変えれば、今日から腰がラクになる


“国民病”とまで言われて久しい「腰痛」。その根本原因とはどういったものなのでしょうか(写真:プラナ/PIXTA)

“国民病”とまで言われて久しい「腰痛」。その根本原因とはどういったものなのでしょうか(写真:プラナ/PIXTA)

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毎年寒い時期になると、どうも腰が痛くなってしまう……。日本人の“国民病”とまで言われて久しい「腰痛」。長いデスクワークの後や、日常生活で物を持ち上げたときなど、ふとした瞬間に襲われる腰の痛みは本当につらい。

だが、どのような腰痛にもそもそもの原因があり、それに気づかないまま無意識で「ある動作」を続けることで、ますます痛みを悪化させている場合があるという。

この記事では、自ら開発した腰痛解消メソッドでアメリカの特許を取得し、新刊『イラスト図解 9割の腰痛は自分で治せる』で「痛みの原因を知り、正しく対処すれば、腰痛は自力で緩和・解消できる」と語る坂戸孝志氏に、日常に潜む腰痛の原因と、今日から誰にでも実践できる予防策について解説してもらった。

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腰痛になりやすい人、なりにくい人

世の中には腰痛に苦しむ人がたくさんいますが、そのかたわらで、いまだかつて腰痛になったことがない人も存在します。その違いは、いったい何なのでしょうか。

そもそも、体の痛みやしびれは「筋肉の緊張」によって起きています。腰痛の原因も、つまりは「腰の筋肉の緊張」ということになります。

したがって、腰痛になりやすい人となりにくい人の違いは、腰の筋肉が緊張するような行動や生活習慣があるかないか、ということになるわけです。

筋肉の緊張には、次の3つの原因が考えられます。

(1)筋肉を動かすことによる緊張

(2)筋肉を動かさないことによる緊張

(3)骨格のゆがみによる緊張

腰痛になりやすい人は、これらのいずれかを私生活で頻繁に行っている可能性が高いのです。それぞれの原因について解説しましょう。

(1)筋肉を動かすことによる緊張

これはいわゆる「筋肉痛」の状態です。筋肉を筋力以上に動かすと、血流が不足し、筋肉への酸素供給が低下します。すると、緊張成分(老廃物、カルシウムなど)が筋肉内からうまく排出されずに筋肉が緊張し、痛みとして感じるようになります。

また、激しく筋肉を動かしたときには筋肉が損傷し、損傷した細胞を処理するために白血球が集まることによって筋肉が酸素不足となり、痛みを感じます。

(2)筋肉を動かさないことによる緊張

筋肉を動かさない状態が長く続くと、カルシウムが筋肉内に滞り、これが筋肉を緊張させます。カルシウムは排出されにくく筋肉内に滞るため、いつまでも筋肉は緊張し続けることになります。

筋肉を動かさないことによる緊張状態が見られるのは、ほとんどが腰部です。動かさずに硬くなった筋肉は、寝たきりの患者は別として、100パーセント腰部だけにあると言ってよいでしょう。

(3)骨格のゆがみによる緊張

骨格にゆがみがあると筋肉に「耐える力」が働き、緊張します。骨盤周辺を例にして解説しましょう。痛みの原因は「筋肉の緊張」とお伝えしましたが、筋肉は緊張すると縮みます。腰部内の筋肉が緊張して縮むと、骨盤の腸骨という骨が、上にズレたりねじれたりします。

(提供:KADOKAWA)

(提供:KADOKAWA)

一般的に、この状態を「骨盤がゆがむ」と表現しています。このとき、仙骨や腸骨の周辺にある筋肉は、これ以上のズレを防止するために「耐える力」を働かせます。この力を働かせ続けると、①の筋肉痛と同じ状態になり、痛みが出てくるのです。

身近すぎた腰痛の根本原因

ここまで、筋肉を緊張させる3つの原因を解説しましたが、じつは腰痛になりやすい人のほとんどは、前述した(2)のような「筋肉を動かさないときに緊張するパターン」か、(3)のような「筋肉に耐える力が働いたときに緊張するパターン」のどちらかです。

では、普段の生活で、(2)の「筋肉を動かさないときに緊張する」動作とはどのようなものなのでしょうか。

例えば、デスクワークが多く、毎日数時間は座りっぱなしという人も多いと思います。座りっぱなしですから当然、腰の筋肉を動かすことはほとんどありません。このような人の腰痛は、まさに②が原因であることが多いです。

次に、(3)の「筋肉に耐える力が働いたときに緊張する」動作とはどのようなものか。

日常生活では、前かがみになったり、座ったり、物を持ち上げたりと、いろいろな姿勢をとりますが、これら一つひとつの姿勢を続けているだけで、腰の筋肉に「耐える力」が働いています。

各動作によって、どれくらい腰の筋肉に「耐える力」が働くのかを測ったデータがあります。まずは表をご覧ください。

(提供:KADOKAWA)

(提供:KADOKAWA)

これは、正しい姿勢の圧を100とした場合の、そのほかの姿勢のときにかかる圧をグラフで示したものです。座って物を持ち上げるときの圧が275ですから、正しい姿勢で立っているときの2倍以上も圧がかかっています。逆に寝ているときの圧は25ですから、寝ているときは立っているときよりも腰に負担がかかりにくいというわけです。

このそれぞれの圧を腰の筋肉で耐えますので、耐える時間が長く続けば、腰の筋肉が緊張し、痛みが出てくることもあります。このパターンの腰痛にならないためには、不自然な姿勢を長時間とり続けないよう意識することがポイントになります。

つらい腰痛を防ぐ「ちょっとした意識」

それでは、腰痛対策として日常的にできることはどんなことでしょうか。

私はよく患者さんに、「左右対称の生活をしてください」とアドバイスします。

腰痛になりやすい人は、「筋肉を動かさないときに緊張する」「筋肉に耐える力が働いたときに緊張する」といった行動を日常生活で多く行っている人、でしたね。

筋肉を緊張させる動作とは、具体的には次のようなものです。

・椅子に座っているとき、足を組む
・立っているとき、片足だけに重心を置く
・床に座るとき、左右対称ではない座り方をする
・テレビを見るとき、片側から見る、寝ながら見る
・バッグを片方の肩だけにかける、片方の手だけで持つ
・ボールを蹴るとき、投げるとき、利き足や利き腕だけで行う

左右どちらかだけの筋肉を使っていると、左右で頻繁に動かす筋肉と動かさない筋肉ができてしまいます。動かさないほうの筋肉は老廃物の排出がうまくいかず、緊張が増していきます。

片側の筋肉だけが緊張すると、片側の筋肉だけが縮むことによって骨格がゆがんでいきます。すると、ゆがみを抑えようと、ゆがんだ骨格の周辺の筋肉が「耐える力」を働かせ、筋肉はさらに緊張するという悪循環に陥ります。これを防ぐにはやはり、できる限り「左右対称になる生活」を意識する。これがやはり、腰痛になりにくい体質をつくっていくことになります。

「腰にとっての正しい姿勢」を意識して

また、できるだけ正しい姿勢でいることもお勧めしています。ここで注意していただきたいのは、必ずしも「正しい姿勢」=「きれいな姿勢」ではないということ。姿勢をきれいに見せようとするとき、多くの人は胸を張ります。しかし、胸を張ると腰の筋肉に「耐える力」が働き、腰の筋肉はさらに緊張して、これを長時間続けると痛みが出てきます。

ですから、見た目がきれいだからといって、それが必ずしも正しい姿勢だとはいえません。正しい姿勢を「腰に負担のかからない、痛みの出ない姿勢」と定義すると、頭のつむじに糸をつけ、真上に引っ張られているように立った姿勢が本当の「正しい姿勢」です。なお、この「正しい姿勢」は椅子に座っているときも考え方は同じです。

(提供:KADOKAWA、図版:関祐子・梔図案室)

(提供:KADOKAWA、図版:関祐子・梔図案室)

この姿勢が、体のバランスがとれて、腰まわりにも負担がかからないのです。胸を張って腰を反るのではなく、腰痛に悩まされているならばぜひ、「腰にとっての正しい姿勢」を意識してみてください。

記事画像

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以上この記事では、腰痛の原因となる動作について知っておくべき知識と、普段から意識できる腰痛予防についてざっと解説しました。

腰痛に悩んでいる方は、「ちょっと心当たりがある……」と感じたのではないでしょうか。腰痛の原因や背景を知り、日頃から腰に負担のかかる行動を減らそうと意識するだけでも、腰の痛みは大幅に改善します。

寒い日が続き、腰痛や体各部の不調も気になりがちな真冬の時期。改善策としても、予防策としても、今回紹介した方法や考え方をぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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提供元:「腰痛になりやすい人」がやりがちな"マズい習慣"|東洋経済オンライン

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