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2023.01.11

SNSで映える「低カロリースイーツ」大躍進の真相|Z世代に人気の「ジャンキー✕映え」に新潮流


若者たちに人気の「ギルティ風フード」とは?(写真:筆者提供)

若者たちに人気の「ギルティ風フード」とは?(写真:筆者提供)

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こんにちは。Z世代の研究を行っている原田曜平です。前回より、2022年にZ世代の間ではやったトレンドについてご紹介しています。

若者たちはいつの時代も最先端にいるものです。2022年にZ世代の間で流行ったさまざまな現象やトレンドが今後、ほかの世代にも流行っていく可能性はおおいにあります。

今回は、Z世代の間で流行っている新しい「ギルティ“風”フード」についてです。現役の高校生、大学生たちがレポートしてくれます。

若者に人気の「ギルティ“風”フード」とは?

写真左上から時計回りに、森田佳祐(早稲田大学政治経済学部3年)、晄杏樹(青山学院大学法学部2年)、藤井涼花(法政大学国際高等学校3年)、高杉真由香(慶應義塾大学総合政策学部4年)(写真:筆者提供)

写真左上から時計回りに、森田佳祐(早稲田大学政治経済学部3年)、晄杏樹(青山学院大学法学部2年)、藤井涼花(法政大学国際高等学校3年)、高杉真由香(慶應義塾大学総合政策学部4年)(写真:筆者提供)

コロナ禍で、さまざまなことが制限される中、食べ物だけは制限したくないという若者が増えた。カロリーが高く、“罪深い食べ物”として「ギルティーフード」が流行し、あえて食べることに対して背徳感と共に幸福感を見いだす若者すら出現した。

長期的な自粛生活によりコロナ太りなど、健康やダイエットを気にする人も増えた。そのため、流行している「ギルティーフード」をあえてSNS映えする形で投稿して、太らず健康やスタイルを維持できている自分をアピールする「ギルティ映え」も定着した。

(2021年11月23日「若者たちがハマる『高カロリーフード』流行の真相 -『ジャンキー×写真映え』という新しい潮流 - 」 ) ※外部サイトに遷移します

しかし、昨年になると自粛ムードが希薄化して外出機会が増え、体型や見た目を気にし始めたZ世代が多い。そこで、見栄えのする食べ物を投稿して目立ちたいものの、太りたくはないと、実際は体に優しい「ギルティ風」な食べ物の需要が若者の間で高まっている。

ダイエット中でも罪悪感なく食べられるドーナツ

具体的な事例を以下3つ紹介する。

事例1:I’m donut?

マリトッツォ流行の火付け役として知られる大人気ベーカリー「アマムダコタン」が中目黒にオープンしたドーナツ専門店。体に優しく、見た目も可愛いドーナツが販売されていることで話題になっている。

オープンした当初、目黒川で桜を楽しめる季節であったため、花見をしながら食べられる手持ちスイーツとして注目された。その後、マーガリンによく入っているトランス脂肪酸がカットされたオーガニックショートニングを揚げ油として使用している「ヘルシースイーツ」として知られるようになった。

そのため、スイーツを映えさせたいが自分のスタイルも維持したいというZ世代にギルティ風フードとして注目され始めた。

実際、今回この記事のためにインタビューをした女子高校生は、「スイーツはかなり高カロリーなので、ダイエット中は躊躇うことも多いが、ここのドーナツはヘルシーなので罪悪感がなくうれしい」と高く評価していた。この店は2022年5月には渋谷に2店舗目もオープンさせているが、こうした人気も背景にあるかもしれない。

(写真:筆者提供)

(写真:筆者提供)

(写真:筆者提供)

(写真:筆者提供)

事例2:ovgo B.a.k.e.r

すべてヴィーガン仕様であることを売りにするスイーツの店、ovgo B.a.k.e.r。ovgoとはorganic, vegan, gluten-free as optionsの頭文字で、クッキーを中心に環境にも人にも優しいお菓子を販売している。

2021年5月に初の路面店となる「ovgo B.a.k.e.r Edo St.店」が日本橋にオープンし、同年9月には軽井沢にも新店舗がオープン。2022年3月には3店舗目がラフォーレ原宿内にオープンし、店舗数が増加している。

カフェのインテリアやメニューは10代後半〜20代前半の若者たちが考案しているため、お客の若者にとっては外れが少ないだろうという安心感がある。季節ごとの限定メニューも販売されており、リピーターとなる若者も多いという。

若者がSNSに投稿する際は、ヴィーガン仕様であることや環境配慮がされていることを前面に押し出すのではなく、あくまでもおしゃれさや可愛さを重視しているという体にすることで、嫌味なく意識の高さをアピールできたりする。

やみつきの“ジャンクさ”を追求した植物性原料フード

事例3:2foods

毎日食べたくなるような、やみつきの“ジャンクさ”を追求した新ジャンル「ヘルシージャンクフード」をコンセプトとしたプラントベースドフード(植物由来原料)ブランド「2foods」(トゥーフーズ)。

2021年4月15日より、旗艦店(カフェ)の渋谷ロフト店、アークヒルズ店(六本木)、ラボキッチン(人形町)の3店舗がオープンし、現在では都内に5店舗を展開している。

ドーナツやハンバーガー、カレーなどすべての食品が植物性原料で作られているため、健康を気にしながらでも美味しい物が食べられると若者の間で人気を集めている。

今回、この記事のためにインタビューをした東京都在住の女子大学生は「サステイナブルなフードにトライしてみたい気持ちはあるが、味が素朴だったり高いのではないかという懸念がある。でも、2foodsは味も美味しいし、比較的リーズナブルなのでリピートしている」と絶賛していた。

(写真:筆者提供)

(写真:筆者提供)

まとめ・今後の展望

以上が若者に注目を集める「ギルティ風フード」の事例である。

自粛ムードも収まりを見せ、外出する機会が増える中で、外見を気にするZ世代も増えた。そのため、単に「ギルティ映え」できる食べ物ではなく、実は体に優しい「ギルティ風」な食べ物の需要が高まったのだ。

今後、Z世代の間ではこれまでの「ギルティ映え」は維持しつつ、より低カロリー低脂質の食べ物への需要が高まっていくのではないだろうか。

原田の総評:日本全体に今後波及する可能性

現役大学生のレポートはいかがでしたでしょうか。

コロナが落ち着きつつある今、Z世代はコロナ禍で味わったギルティーフードをやめることができず、かと言って体形を気にしなくてはいけない、という矛盾した環境下に置かれています。

このニーズは、中年大国でもある日本全体にも波及していく可能性は大いにあると思います。

今後、Z世代のこのニーズに注目するさまざまな食品企業から、見た目は高カロリーに見えるものの、それ程カロリーの高くない「ギルティ風フード」がたくさん発売されるようになっていくはずです。

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提供元:SNSで映える「低カロリースイーツ」大躍進の真相|東洋経済オンライン

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